みずうみの歌

  • 講談社
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本棚登録 : 106
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062185905

作品紹介・あらすじ

「すべてはあの町から始まったのよね」
母が最期に残した言葉の真意を知るため、
独りきりになった少年は母の故郷を訪れる。
手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。
町は徐々に陥没がすすんでいて、一部が大きな湖に飲み込まれていた。
湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、
しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。
そのモグリもまた、過去にある秘密を抱えていた。
サカナは、聞けなかった母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。

感想・レビュー・書評

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  • 水に沈んだ街の物語。
    思い出の品をサルベージする仕事をしつつ、やがて自分のルーツを探る旅に出る。
    ノスタルジックな雰囲気が素敵でした。

  • 緩やかに始まって、途中からグンと話が展開していった感じ。舞台が水没した町なので物悲しい雰囲気ではあるが、記憶や思い出にほっこりするところも。正直父親の秘密以外の話の所が好きだったかもしれない。

  • 町が水に沈んでいる事もあって、全体的に寂しい雰囲気。
    亡くした人の面影でポカリとあいた穴を抱えて、心のありようを探しているひっそりとした物語。

  • 【あらすじ】
    「すべてはあの町から始まったのよね」母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りきりになった少年は母の故郷を訪れる。手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。町は徐々に陥没がすすんでいて、一部が大きな湖に飲み込まれていた。湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。そのモグリもまた、過去にある秘密を抱えていた。サカナは、聞けなかった母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。

    【感想】
    すごい世界観に圧倒された。物語が流れ変わりゆくたびに、ドキドキして胸がぎゅっとなって、その先どうなるのかを考えながら読んでいた。この本は図書館で借りた本だけれど、自分の手元に置いておきたい一冊だな、と思うくらい素敵で切ない本だと思った。

  • 水に沈んでしまった街。最初、現実くささを抑えてファンタジックな雰囲気を醸し出していていいと思った。
    しかし都市伝説調査となり失速。
    実はこうだったのです、という説明が多くて苦手。
    ベタなボーイミーツガールものでよかったかなと。

  • 昔の母を探して、少年は水に沈んだ町へーそこには小説「ピルグリム」とそっくりの町があった。

    立ち入り禁止になり人がいなくなった、湖に沈んだ町。この雰囲気がすごく好きだった。水の自然音を聞きながら読んだから余計にかもしれない。
    「サカナ」がピルグリムを手掛かりに、地元の高校生達と都市伝説の元を追っていく謎解き要素があったのも良かった。

  • 面白かったです。
    佐島さんがひどすぎます。

  • 静かに語りかけてくるような素敵な作品でした。
    とても良かったです。

    水の底に沈んでしまった街という物語の舞台が魅力的。
    登場人物達の抱える喪失感や苦悩といったものを映す鏡のようで。
    一方で水の底からサルベージされるかつての住人達の思い出の数々が温かな光を感じさせる。
    その対比の描かれ方が好きです。
    美しく透明感のある描写が物語に彩りを加え、不思議な世界へと導いてくれる。

    そしてバックアップワールドを描いた作中作がこれまた非常に魅力的でした。
    こういった概念の作品も好きなので、それ単体で読んでみたいな、と。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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