本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (370ページ) / ISBN・EAN: 9784062185950
作品紹介・あらすじ
多くのファンと研究家に衝撃を与えた『鴎外の恋─舞姫エリスの真実』(講談社)の続篇。、小説『舞姫』のヒロイン「エリス」のモデルとなった鴎外の恋人を発見した著者はその後も調査を続行、ついにその実像に到達する。新たに突き止められた驚きの諸事実、鴎外と別れてからの「エリス」の後半生とは。
真実を索める者に神は微笑む。別離後、ドイツに帰った「エリス」はどのような人生を送ったのか? その後、鴎外との間にはなんの交渉もなかったのか? ふたたび記録の森をさまよう著者に射した光は、ついに文豪の愛した女性の生身の姿を照らし出す。
2011年に講談社から刊行された『鴎外の恋─舞姫エリスの真実』は多くの鴎外研究家、ファンに衝撃を与えました。徹底したリサーチの結果、小説『舞姫』のヒロインであるエリスが1866年9月15日にシュチェチン(現在はポーランド領)で生まれ、1898年から1904年まで帽子製作者としてベルリン東地区に在住したことが確認された「エリーゼ・マリー・カロリーネ・ヴィーゲルト」であること、鴎外と知りあった頃は20歳か21歳だったことは、まず間違いありません。従来唱えられてきた「エリス人妻説」「エリスはユダヤ人説」は完全に意味を失ったといえましょう。
六草さんはその後も入魂の調査を継続。日本からベルリンへ帰る船中での諸事実から「エリス」が二度の大戦の戦禍をくぐり抜け1953年8月4日に没したことまで突き止めました。そしてついにエリーゼ・ヴィーゲルトの風貌に接するときがやってきます。本書は鴎外と別れてからの「エリス」の後半生と人物像についての驚きの新事実に満ちています。
みんなの感想まとめ
真実の追求が生み出す感動的な物語が展開される本書では、鴎外の小説『舞姫』のヒロイン、エリスの実像に迫る著者の緻密な調査が描かれています。前作に続き、エリスのモデルとなったエリーゼ・ヴィーゲルトの人生や...
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
前作、「鷗外の恋、今明らかになるエリスの真実」も凄かったが、これも凄い!
六草いちかさんが、プロの直感でなにか引っかかるところを幾度も空振りしながら真実に迫っていく過程が、推理小説を読んでいるようでーしかも事実なのに!ー非常にスリリングなのだった。
調査本だから前作の時も期待せずに読み始めてブラボー!だったのだが、今回は、超期待して読み始めてさらにブラボーでした。
エリーゼの甥がいて、エリーゼが大切にしていたティーセットの実物でお茶できるなんて!
写真があるなんて!疎開先のエリーゼから妹エルスベスに宛てた手紙は、77歳の高齢で、体調不良、字も震えているが自分は幸せだと2回も繰り返し、愚痴の一つもこぼしていない。鷗外は、こういう強く美しい精神に惹かれていったのだろう。と作者は述べるが、同感です。
舞姫のエリスもそうですから。
また、舞姫がドイツ語に訳されて、人々に読まれていたこともびっくりでした。 -
昨年、新聞でもその発見が話題になり大きく取り上げられた、舞姫エリスのモデル、エリーゼ・ヴィーゲルトの写真も記憶に新しい。その写真にたどり着くまでの労苦が綴られた本書。
前作『鴎外の恋 舞姫エリスの真実』に引き続き、著者の地道な現地調査により、その後のエリーゼが明らかにされている。
相変わらずの、ここまでやるのか!と驚嘆せずにいられないほどの綿密な調査。やはりベルリン在住だからこそできたことだろう。
そして、100年以上前の個人的なことでもここまで調査できるものなんだ、という驚きも同時にあるのだが。
鴎外とエリーゼの、ドラマチックな純愛。
「事実は小説よりも奇なり」とはこういうことか。 -
大学時代、森鷗外ゼミに入り、数々の作品を読み、最終的にはグループでまだ書き下し文になっていなかったドイツから帰りの船旅を記した「還東日乗」を基に鷗外の心情を表した論文を発表した。雅文体も漢文をベースにした格調高いと言われている文章も、はたまた家の重圧、軍医と文学の二足の草鞋、諦念等々二十歳そこそこも若造にわかるわけない。それでも文学散歩と称して谷根千辺りを観潮楼後の鷗外記念館、「雁」の舞台になった不忍池-無縁坂、水月ホテル鷗外荘を見て回った。卒業してからも松本清張や森まゆみが鷗外について書けばフォローしてきたし、左遷先の小倉での新事実、果てはタイムスリップしたり、探偵になった鷗外ともお付き合いさせていただいていました。
しかし、今回まさか「舞姫」のエリスにお会いできるとは思ってもいませんでした。ワクワク、ドキドキであっという間に読み終えてしまいました。思うに調査自体は本当に地味で根気のいる作業だったのでしょうが私たち鷗外ファンにとっては画期的なことではないでしょうか。本当に有り難う、そしてご苦労様でしたと言いたい。 -
エリス(エリーゼ)の写真なるものを某所で見て、出元はどこかと思ったら六草さんだったのかー!!またしてもすごい!!!どんだけ大発見を繰り返すのですか?!
エリーゼは帽子職人として身を立てていた、というのが前著で明らかにされていた。本著ではエリーゼが結婚していたこと、第二次大戦後まで生きて最後は老人ホームで息を引き取ったことが明かされる。ちゃんと幸せになって、大変な時代を生き抜いて、長生きしていたことがわかってよかった。
そして、エリーゼと鷗外の間にあったのが純愛だってことがよくわかった。鷗外は再婚までに12年も間が空いた。その間、エリーゼも独身を通していた。エリーゼが結婚したのは鷗外の再婚から3年後、すでに38歳で当時からすれば相当な晩婚。しかもどうやら鷗外の再婚まで、2人は文通していたのだとか。
17年。なかなか待てるもんじゃない。エリーゼ、あっぱれ。
けれど、まだまだ謎は残る。エリーゼの夫のお墓は見つかったけど、エリーゼ本人のが見当たらないのだそう。そしてどうもエリーゼは踊り子じゃなかったようだけれど、じゃあわざわざタイトルを『舞姫』にしたのはなぜ?妊娠&発狂設定は何故??というどでかい謎が未解明。いつかわかる日が来るのかなぁ?それとも謎は謎のまま、これからも読み手を惹きつけ続けるのかなあ?? -
『舞姫』はたぶん教科書に出ていたのを読んだくらいの知識と興味しかなくて、明治のエリートってホント鼻持ちならないわ!ぐらいの感想しかなかったんだけど、こんなに奥が深いというかああ本当に実在の人だったんだあ・・・と驚くと同時に、ここまで丹念に調べていった著者に感動。
-
(2014.05.13読了)(2014.05.02借入)
副題「いま明らかになる鴎外「舞姫」の面影」
森鷗外の『舞姫』は、実際にあった出来事をもとに書かれたと言われます。作品の中の主人公豊太郎は、森鷗外自身で、ヒロインエリスは、森鷗外が留学先のドイツから帰国したのちに後を追うようにやって来た女性ということです。
そのような女性がいたことは、森鷗外の身内や知人が書き残したものからわかるそうです。
その女性は誰か?ということを特定しようとした著作がいくつかあります。
「鴎外の恋人」今野勉著、日本放送出版協会、2010.11.20
上記の本を読んだときは、これで舞姫エリスは。解明されたと思ったのですが、その後に出た下記の本によって覆されてしまいました。
「鴎外の恋 舞姫エリスの真実」六草いちか著、講談社、2011.03.08
森鷗外を追って日本にやって来た女性が、乗ったと思われる船の乗客名簿が英字新聞に掲載されているのが見つかり、さらにドイツのベルリンに残されていた住所録から特定できたということでした。ドイツに住んでいる著者による粘り強い調査によって判明しました。
女性の父親、母親についても名前や生年月日、出身地などが判明しました。
今回読んだ本は、その女性が、ドイツのベルリンに帰ってきた後、どこに住んだのか? 結婚したのか? いつごろ亡くなったのか? 身内はいないのか? 森鷗外の子どもを産んだという説があるけどどうだったのか? などを調査した結果の報告です。
調査の進展に添って書いてありますので、著者と一緒になってハラハラドキドキしながら読めます。調査が進展すると、ついうれしくなり、調査が進展しないと、残念でたまりません。
エリーゼ・ヴィーゲルトは、38歳で結婚していました。子どもはいなかったようです。旦那さんは、ユダヤ人だったようです。ナチスのユダヤ人弾圧が始まる前に亡くなっていたようです。(1918年12月31日、55歳)
エリーゼ・ヴィーゲルトによる夫の死亡広告は、森鷗外がドイツから取り寄せて購読していた新聞に掲載されていたので、森鷗外はそれを知っていたのではないかということです。
また、森鷗外が軍医として従軍している間、鴎外の母親が毎月ドイツに送金していたという記録が母親の日記から読み取れるので、エリーゼが鴎外の子どもを産んで育てている養育費ではないかという仮説を立てて、調べてみたけれど、子どもがいたかどうかの確認はできなかったようです。
エリーゼの身内については、エリーゼの妹の孫にたどりつき、エリーゼの写真を見たり、自筆のハガキを確認することができました。
一冊のノンフィクション作品として読んでも、結構面白い作品と思います。
【目次】
序章 続きのはじまり
第一章 エリーゼは鴎外の子を産んだのか
第二章 ままならぬ思い
第三章 ベルリン余話
第四章 うしろ姿が見えてきた
第五章 あともう一歩
第六章 その面影に
終章 つらいことより喜びを
主要参考文献
あとがき
●個人情報保護法(57頁)
ドイツの個人情報保護法では、市民の個人データは、出生記録は百十年以上、結婚記録は八十年以上、死亡記録は三十年以上古い記録であれば公開してよいことになっている。
●戸籍役場(57頁)
年間手数料を支払ったことだし、この一年、しっかり利用させていただこう。そう思い、さっそく予約を願い出ると、閲覧の申し込みは手紙か電話でと、職員は領収書に番号を書き添えてくれた。聞くとこの職員の直通番号だという。面と向かっては申請できず、電話回線を通さなければならないとは不思議な感じがしたが、それが「しきたり」らしかった。
●賤しい女(125頁)
「賤しい女」とは、働く女たちのことだ。親の資産や夫の収入で優雅に生活するのではない、自ら職業をもち収入を得る女性たちはみんな、当時の上流階級の尺度では「賤女」なのだ。
●結婚(176頁)
エリーゼは三十八歳で結婚した。
結婚の日:1905年7月15日
夫:マックス・ベルンハルド
1864年10月11日生まれ
●死亡届(191頁)
エリーゼ・ベルンハルド 旧姓ヴィーゲルト
没年月日:1953年8月4日 86歳
●鴎外の子ども(216頁)
鴎外には、於菟、茉莉、不律、杏奴、類の五人の子があり、それぞれが手記を書いてる(不律は幼少で死亡)。
☆関連図書(既読)
「鴎外の「舞姫」」角川書店編、角川ソフィア文庫、2006.04.25
「口語訳即興詩人」アンデルセン著・文語訳森鷗外・口語訳安野光雅、山川出版社、2010.11.30
「鴎外の恋人」今野勉著、日本放送出版協会、2010.11.20
「鴎外の恋 舞姫エリスの真実」六草いちか著、講談社、2011.03.08
(2014年5月13日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
真実を索める者に神は微笑む。別離後、ドイツに帰った「エリス」はどのような人生を送ったのか?その後、鴎外との間にはなんの交渉もなかったのか?…。ふたたび記録の森をさまよう著者に射した光は、ついに文豪の愛した女性の生身の姿を照らし出す。 -
ふむ
-
(縲取悽縺ョ髮題ェ後??201401縲擾シ夂エ?逕ー鬆?ク?驛弱?縲檎ァ√?繝吶せ繝?縲?
-
エリーゼの写真をみて「あらららら・・・」。まさにそんな感じ。
-
作品は、現実とは違う。
だけど、エリスと巡り会えた瞬間は、現実が、作品を超えた。 -
エリスのモデルになった人物を追って、丹念に調べ明らかにしていった労作。すごい。
著者プロフィール
六草いちかの作品
本棚登録 :
感想 :
