原発ホワイトアウト

著者 :
  • 講談社
3.63
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本棚登録 : 1334
レビュー : 242
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186179

作品紹介・あらすじ

キャリア官僚による、リアル告発ノベル! 『三本の矢』を超える問題作、現る!!
 再稼働が着々と進む原発……しかし日本の原発には、国民が知らされていない致命的な欠陥があった!
 この事実を知らせようと動き始めた著者に迫り来る、尾行、嫌がらせ、脅迫……包囲網をかいくぐって国民に原発の危険性を知らせるには、ノンフィクション・ノベルを書くしかなかった!

感想・レビュー・書評

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  • 前半だるいが、実はそこがこの本の真髄。

    電力会社や業界がいかに政治家を取り込んで行くのか、
    業界の預託金の作り方と政治資金の話とか、
    電力会社は住所、世帯主氏名だけでなく、電力使用量=所得水準に比例するといった個人情報を握っていて、与野党の選挙時に名簿を差し出すとか、
    諸々。

    ストーリーとしては、新潟県県知事や山本太郎氏、河野太郎氏など実在の人物を連想するそれぞれのトピックを交えながら、結局は電力業界という大きな渦に呑み込まれて、渦を抜けた先は311以前と同じ場所だった。。。

    ストーリー自体は、実際の規制委員会の詰めの甘さを(残念ながら)うまく反映してると思う。
    予想できる展開だが、もし本当に起こったらと思うと怖い。
    読むなら年内かな。

    【ネタバレ】西やんっぽい名前がハニートラップという章から登場しますが、これだけは設定は全然違います。

  • 小説としては、構成も文章力もイマイチだが、無視できないリアリティさ。ノンフィクション色が強い前半に比べ、後半はフィクションの色合いが濃くなってくるが、これが笑い話で済むことを切に願う。

  • 話題の経産省現役官僚の告発本。

    福島第一原発の事故後なおも続くベタベタの官庁ー電力会社が目論む「なし崩し的再稼働」への動きは「この人たちは何のための存在か?」と思うほどの酷さだ。
    原子炉そのものの改善も、緊急時の避難策も、テロ対策も なにもかもがおざなりなまま。
    情報を隠蔽し、まともな議論をつぶして、「ヤッタフリ」を国会もメディアも黙認し、とにかくカネをかけずに再稼働して、これまでの電力集金体制を維持するという思考回路しか動いていない「偉い人たち」の実像。
    これがこの国の現実なのだ。

    筆者は最後に、考えられる最悪の事態を描き出している。 いや〜 こんなのありえないでしょ、とはあの福島の事故のあとでは、とても言えない。

    国策捜査や、秘密保護法というものの姿もエピソードとして盛り込まれている。
    すべてが、経産省の繁栄のために利用されていく。

    かなり短期間に書かれたのであろうし、小説としての完成度が高いとは言えない。
    講談社はもっと読みやすく直して出版する選択肢もあったのだろうが、そうすることはしなかったようだ。
    これは、そうとう脚色してでも、TVドラマにするべきだ。

    たぶん、これくらいのことは国民みなが知るべきだ、ということであろうから。


    原子力の最大の不幸は、それが広く一般にお目見えしたのが、大量殺戮兵器という姿であったことではないかと思う。
    平和な日常のためのエネルギー源として最初から登場していたら、震災後、一般大衆をバカにした隠蔽の連続 vs 1ベクレルでもいやだ!という迷信的感情論に ここまで極端に分かれずに済んだのではないかと思う.....

    永き未来に渡り子孫が平和的文化的生活を享受することは、エネルギー源の確保なくしては叶わない。
    これまでも大気汚染、水質汚染などさまざまな汚染となんとか折り合いをつけながら、人は豊かさを楽しんできた。
    原子力に対しても、同じ姿勢で臨むしかないのではないか?
    そのためには広く情報が公開されることと、感情的にならずにそれを咀嚼する思考が絶対に必要である、と思う。

  • 3年が過ぎました。「当日だけ」は散々騒いでいましたが、液状化が懸念される湾岸地域の地価が上がっているような世の中です。

    この本の内容をどう受け取るかはそれぞれでしょうけれど、読んで想像することは無駄ではないと思います。

    歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として――このままだと二度も三度も繰り返しそう。
    三度目は何劇?

  • 帯に「ノベル」と書いてあるのに、小説と思わずに購入。

    しばらく積読していましたが、この週末でイッキ読み。

    現役国家公務員Ⅰ種の方の匿名告発本ということで、ああこんなんだろうなと思いながら読むと、なかなかリアルな雰囲気も感じることができます。

    最終章でイッキにフィクションモードに入ったけど、その部分が一番コワかったりして。

    ただ、リークのところとか検察あたりの部分は?
    まあ、小説だからそれでいいんだけど。

    著者の考えは、この一文に集約されるんでしょうね。
    「国の政治はその国の民度を超えられない。こうしたことが当たり前のように行われていることを許している国民の民度は、その程度のものなのである。」

  • 嫌な内容 現実

  • 話は自民党と思しき政党が参院選で大勝するところから始まる。

    政界と電力業界がズブズブの関係であることは周知の事実。ただ、どんな結び付きがあり、どんな搦め手を持って権力者に接近し、籠絡してるかまでは知られていない。その暗躍ぶりを余すことなく活写する。

    電力業界は「総括原価方式」という資金獲得システムにより得た莫大な利益を有力政治家に巧みに献金を行っている。言わずもがな政治家はその蜜の虜となり原発支持側へと軍門に下る。そのトレンドは大物政治家・業界幹部・経産官僚が強力なスクラムを生み、原発再稼働に向けて動き出す。著者はそのシステムを「モンスターシステム」と呼ぶ。3.11では大惨事を引き起こしながら、まったく懲りない電子力ムラ。このズブズブの構造に警鐘を鳴らすために著したと言うが、どこ吹く風な厚顔・傲岸な懲りない面々。著者は現役のキャリア官僚。永田町で無事勤めを全うすることをただただ祈るばかり…。

  • 現役官僚が書いたという本。
    フクシマ原発事故後にいかにして原発再稼動が決定されてゆくかを描いている。
    電力会社をはじめとした経済界と政治家の結びつき、それにからむ官僚。
    反対派の意見を封じ込める世論操作がどのようにして行われるかが書いてあり、これは官僚の立場でないとわからないものだ。
    反原発運動がいかに一過性のものとなってゆくかについても鋭い視点で描かれている。

  • 面白いと聞いて読んでみました。読みづらかった。高慢ちきな高級官僚意識がヒシヒシと伝わってくるのと、国家権力の恐ろしさを露骨に描いているけれど、どこまでが現実に即したものなのかが怪しく、のめり込めなかった。読後に著者自身が現役の国家官僚であるのを発見してびっくり。う〜ん。感じ悪い!

  • 民意の無責任を強調している。
    官僚が書いただけあり、それぞれのメリットがあるために改革がなされない。
    警察組織の凄さも目を引いた。
    単純に言うと
    政治家•••金
    官僚•••出世
    警察•••命令
    に弱みを持っている。
    そこをついたり、つなげたりする人が存在しその人も、より良い暮らしのため行っている。
    マスコミの意見に流されてはいけないと強く感じた。

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プロフィール

若杉冽(わかすぎ・れつ)

東京大学法学部卒業。
国家公務員1種試験合格。
現在、霞が関の省庁に勤務。
著書にはベストセラーになった『原発ホワイトアウト』がある。

「2014年 『東京ブラックアウト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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