- Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062186353
作品紹介・あらすじ
近藤文夫は高校卒業後、駿河台にあるホテル「山の上」の門を叩いた。配属はてんぷらと和食を出すレストランの厨房。全共闘運動真っ盛りの時代だった。23歳で料理長に大抜擢され、厨房を仕切りようになる。職場がホテル内にあるゆえ、朝・昼・夜の料理作りだけでなく、宴会・披露宴のメニューも任され、多忙を極め、7ヵ月間一日も休みがないときもあった。
そんな青年料理長の姿はやがて、このホテルを常宿にしている文人たちの目に留まるようになる。吉行淳之介、井上靖、三島由紀夫、水原秋桜子、山本健吉、土門拳・・。なかでも池波正太郎との出会いは近藤の人生を変えた。池波の褒め言葉は、なにより近藤の力になった。いつしかホテルの「お荷物」といわれていたレストランは、東京一繁盛するてんぷら店へと進化していった。
1993年に独立、池波が「第2の故郷」と語っていた銀座に「てんぷら近藤」を構える。ここで近藤は、にんじん、空豆、ズッキーニ、さつまいも、とうもろこし・・・・てんぷら職人の間では「添え物扱い」されていた素材の研究をさらにすすめて、独自の世界観で、いままでにない「野菜てんぷら」を考案していく。昼夜2回転する店を切り盛りしながら、当たり前のように毎日築地に通い、休日を使って新たな食材を探しに全国を飛び回る。池波は92年に亡くなったが、近藤と池波の縁は切れず、『鬼平犯科帳』『剣客商売』などの作品の劇中料理は自ら作り、京都の撮影所に届けている。池波家のお節もいまだに毎年末作っているという。
そんな誰も真似することができない「最後の職人」の半生を描きながら、なかなか見ることが許されない、てんぷら屋の厨房、河岸、漁場、畑、京都大阪の料理人たちの世界など、「舞台裏」に読者を招待する。
感想・レビュー・書評
-
駿河台の明治大学の裏手「山の上ホテル」の「てんぷらと和食の山の上」で育った近藤文夫、そして44歳で独立し銀座に「てんぷら近藤」を立ち上げる。そんな近藤を助け育てた二人の男、作家・池波正太郎と山の上ホテルオーナー・吉田俊男、この出会いが詳細に描かれ男たちの友情と愛情が感じられる。それに近藤のてんぷらに対する真摯な真剣さ、これは凄い。素材への執着、てんぷらとお客様への向かい方は驚かされる。
ぜひ、一度「てんぷら近藤」へお邪魔したい、銀座だけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
池波正太郎さんの最期…ちょっと泣ける話も
後半、まさに職人としてのこだわりには脱帽
著者プロフィール
中原一歩の作品






この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。






最後の職人 池波正太郎が愛した近藤文夫を本棚に登録しているひと
-
- 七味。
- 2019年3月21日に登録
-
- kaorindia
- 2019年3月13日に登録
-
- ればぁ
- 2017年11月20日に登録
-
- aqua38
- 2017年4月30日に登録
-
- miko2005
- 2017年3月30日に登録
-
- associe999
- 2015年5月22日に登録
-
- tomo-chan
- 2014年12月14日に登録
-
- あまなつ
- 2013年12月11日に登録
-
- 国中千鶴
- 2013年11月19日に登録
-
- 月
- 2018年4月13日に登録
-
- balsalancer
- 2014年6月11日に登録
-
- かるみん
- 2014年5月8日に登録
-
- dysm3636
- 2014年4月15日に登録
-
- arai0422
- 2014年4月14日に登録
-
- aokaeru
- 2014年4月9日に登録
-
- bibliokobo
- 2014年2月25日に登録
-
- kyoujikarino
- 2014年1月18日に登録
-
- たかちん
- 2014年1月15日に登録