追憶の夜想曲

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 908
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186360

作品紹介・あらすじ

豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司(みこしばれいじ)

御子柴は、夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。
対する検事は因縁の相手、岬恭平。岬は以前担当した裁判で惨敗した経験から、
弁護人が御子柴に代わったということを聞き、衝撃を受ける。

御子柴は、なぜ主婦の弁護を希望したのか? そして第二審の行方は?

感想・レビュー・書評

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  • 御子柴シリーズ、第二弾。

    最初、御子柴がどうしてこのお金にもならない弁護を引き受けたのか不思議だったんですよね。
    それがわかったとき、一瞬頭が真っ白になりました。
    そして今回も”贖罪”ということを深く考えさせられました。

    「ママの代わりをしてくれるんでしょ?」と突然訪ねて来た倫子。
    仕方なしに倫子の目線に合わせて諭す御子柴。
    偏屈で子供の相手が苦手な人間が、その無邪気さに翻弄される展開が好きです。
    この二人のやりとりが、唯一心が和む場面でした。

    あぁ、真実ってなんて残酷なんでしょうか…。
    そうじゃなきゃいいな…と願っていたことが現実に…。
    亜季子がひたすらに守りたかったもの、
    それが白日のもとに晒される。
    美雪が受けた計り知れない深い傷を思うと、胸が締め付けられます。

    最後にもう一度倫子の目線に腰を落とした御子柴が、
    「生きている限り人は罪を犯す。
    それでもみんな生きることを許される。
    それは償う機会を与えられているということだ。」
    そう幼い心に訴える姿が胸を打つ。

    「奈落から手を伸ばしている者を生涯かけて救い続ける。」
    その誓いとともに差し伸べた手が、果たしてこの母娘の救いとなったのか…。
    この母娘のこれからがとても気になります。
    「またね!センセイ」
    その言葉のとおり、倫子が成長してすべてを理解できた日に、また会えるといいなと思います。

  • 法廷対決にワクワクし、ページを繰るのももどかしく、そして、最後のどんでん返しに、読後は唖然。
    中山ミステリーの醍醐味を、存分に味わった。
    さらに、シリアスな流れの中で、健気な倫子のキャラクターにホッとし、岬洋介の話題がちょっと出てくる場面ではニヤリと。
    それにしても、弁護士御子柴の続編はあるのだろうか。

    • 杜のうさこさん
      hongoh-遊民さん、こんばんは~♪

      そうなんです。忘れられない主人公になりました!
      どんでん返し、大好きです♪
      ありがとうござ...
      hongoh-遊民さん、こんばんは~♪

      そうなんです。忘れられない主人公になりました!
      どんでん返し、大好きです♪
      ありがとうございました!
      次は、この御子柴さんを読みたいです。

      実は新作の『ハーメルンの誘拐魔』読み始めたら、
      これもシリーズものなんですね。
      積読にして、前の作品から読もうか悩んでます。
      でも読みたいんですよね~(笑)
      2016/04/16
  • こんなにも過去に犯した罪の関係者が良くも繋がるというか、現れるというか。。読み進めて行くうちに、御子柴がドンドン人間らしく感じて時に可愛くも感じてしまいます。凛子との、やり取りは御子柴の変わり行く姿が読み取れます。あんな法廷で世間を揺るがす犯罪者だった事を暴かれた御子柴の、この先は大丈夫なのかなぁ。償うことで人は生きていける……重い言葉です。真実は一つ。その真実で傷つく者が居ても真実に光を……。誰かを守る時に果たして真実を捻じ曲げてまで守り通せるのか……考えてしまいました。

  • 面白くて一気読み。
    高額報酬でしか動かない"悪辣弁護士"の御子柴は、なぜこの事件に手を出したのか? 
    単純に思えた事件が、二転三転していく。
    ハイレベルな応酬の法廷シーンから、目が離せない。
    健気な倫子が愛らしく、御子柴が珍しく振り回される姿も、おかしかった。
    途中で真相が見えてくるが、それでもなお、最後までひきつけられるものがあった。
    オチの驚き、というミステリとしての魅力だけでなく、人間性を描いているからだと思う。
    前作を踏まえた続編なので、『贖罪の奏鳴曲』を先に読むべき。

    • hongoh-遊民さん
      KOROPPYさんのレビューによると、前作以上に面白そう。『贖罪の奏鳴曲』を読み終わったばかり、『追憶・・・』もさっそく!
      KOROPPYさんのレビューによると、前作以上に面白そう。『贖罪の奏鳴曲』を読み終わったばかり、『追憶・・・』もさっそく!
      2014/03/14
    • KOROPPYさん
      絶好のタイミングですね!
      続編もぜひぜひ^^
      絶好のタイミングですね!
      続編もぜひぜひ^^
      2014/03/14
  • 初読みの作家でしたけど、凄く面白かった!
    こんな業の深い弁護士像をよくまあ作りましたねぇ。実際にはあり得ない設定でしかもみんな繋がっていましたか!
    どんでん返しの帝王とも言われる作者、ほかの作品も是非とも読みたいものです♪

  • 作者の作風を「露悪的社会派ミステリー」と名付けたミステリ評論家がいるそうだ。なるほど、うまいこと言うなあ。「切り裂きジャック」とか「カエル男」とか本作もその系列。こういうのが嫌いな人も結構いるだろうが、私はOK。楽しんで読んだ。

    いわゆる「イヤミス」とは違うと思う。一見社会派的な題材や、「人の心の闇」的なものも、ここではエンターテインメントとして消化されていて、読後感が重くない。心の負担にならない感じだ。野次馬根性や下世話な好奇心をやたら深刻な雰囲気でくるみ、いかにも「人間」を描いたような顔をしているミステリは苦手。うまく言えないが、どこか軽さがあるのがいい。

    本筋にあまり関係ない場面があったり、全体にちょっと違和感があったのだが、これは「贖罪の奏鳴曲」に続く作品だということを読後に知った。そうだったのか。しかも「贖罪~」には、お気に入りのキャラクターである古手川がでてくるとか。これは読まなくちゃ。

    これまた今更だが、作者がいいトシの男性であることを知って驚いた。どういうわけか、若い女性だと思ってた。いや、別に根拠はないんだけど。だからどうだってもんでもないんだけど。

  • まずは、中山七里氏の文庫最新刊「いつまでもショパン」の帯に私のレビューを掲載してくれたブクログと宝島社に感謝。
    サイン本はまだ届いておりませんが、とりあえずお礼を述べておきます。

    さて、この最新作。
    作品の冒頭からおどろおどろしい描写で始まるが、それは過去の記憶。
    弁護士御子柴礼司が、身勝手な女の男殺しの第二審の弁護を買って出るという内容。 
    被告人の自白からは、一審の求刑を覆すに至る新たな事実が見つかるようには思えないのだが。
    御子柴が敢えて弁護しようとしたその意図は? 
    弁護に勝利する可能性はあるのか?
    淡々と進む裁判の中で、御子柴自身の過去をも絡めた驚くべき事実が最後に明らかになる。
    なかなかに面白い作品だった。
    冒頭の残虐シーンを読んだ時には、あまりの地生臭さに辟易したが、そういうシーンはその場面だけ。
    タイトルからは、彼お得意の音楽ものかとも思っていたのだが、しっかりとした法廷ものだった。
    私のあまり好まない中山七里氏独特の時代がかった台詞や言い回しも殆どなかったし、文章の腕をあげたなあ、と思える作品だった。
    彼の今後が楽しみになって来た。

  • 御子柴弁護士シリーズ2作目。

    御子柴氏を理解できないでいるが、
    裁判で彼が巻き返すのは気持ちがいい。

    グイグイ引き込まれる、
    決して気持ちのいい終わり方ではないけれど、
    御子柴氏の今後を読みたいと思う。

    彼の正義・贖罪、
    何よりも彼の人としての喜び、
    生きて行く力の根源は何なのだろう。

    興味深い。

  • やっぱり御子柴礼司シリーズは面白い。どんでん返しが必ずある。うまいなあ、中山千里さんは。

  • 市立中央図書館より。
    --
    「いつまでもショパン」の直後に読んだせいか、夜想曲(ノクターン)といふタイトル中の言葉に、ショパンが連想されたが、確かにノクターン第2番が追憶の中に登場する。事件そのものに大きく関わるエピソードではないが、被告人の過去を想像させるには重要な1シーンである。
    プロローグの残虐なシーン、そして弁護士として登場した御子柴の行動について淡々と語られる物語。
    ここまでのどんでん返しが隠されてゐるとは想像しにくい物語運びは、中山の職人芸かとも。
    もちろんネタバレではありませんよ(*^_^*)。

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著者プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

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