コルトM1851残月

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186674

作品紹介・あらすじ

江戸の裏世界で存在感を増す男、残月の異名を持つ郎次は、さらなる力を得んと欲するが──。壮絶なアクションと重厚なドラマの融合が好評の「機龍警察」シリーズで文学賞を立て続けに手にしている著者が、月村印エンターテインメントのもうひとつの柱として力を入れている、時代小説。時代小説なのに「コルト」という拳銃をメインアイテムとし、著者ならではのユニークかつ読みごたえたっぷりの娯楽小説を完成させた。

感想・レビュー・書評

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  • 続編かと思いきや全く違う物語で面白い

  • 再読、でした

  • なんだろう、悲しくて、カッコよくて、不思議な感覚。時代劇ではあるが、現代劇のような迫力とスピード感。
    面白かった。

  • 嘉永6(1853)年の江戸を舞台に、コルトM1851を手にした商人が大暴れするという「なんじゃそりゃあ?」な話なんだが、これが滅法おもしろい。主人公の“残月”こと郎次のキャラクターが際立っていて、活劇ファンなら歓喜すること請け合いだ。
    読みながら思ったのは、昔熱中した大藪春彦さんの小説の数々。内に秘めた怒りや憎悪を隠し、ストイックに自分を鍛えていつか成功する日を思う。郎次の過去や現在の境遇などがそれらの作品に重なり、より深い読後感となった。
    ……まあ、“人殺し小説”ではあるんだけどね(^_^;)。

  • 江戸時代末期を舞台にしたノワール。時代劇にコルトというワンアイデアが面白く、その取り合わせの妙も手伝ってぐいぐいと引き込まれる。拳銃というオーバーパワーな武器を取り入れたわりにはパワーバランスが絶妙で、無敵ではあるが弾丸の装填に時間が掛かる、残弾数が心許ないという感じで上手い具合に枷をはめているのが印象深かった。また船上や夜の森、襖のある室内など、戦いのシチュエーションもよく練られており、刀と銃の距離感や間合いの緊迫感は凄まじいものがあった。文章もハードボイルドらしい切り詰めて書かれた乾いた文体で、無駄な説明を省きつつも読みやすい仕上がりになっているため人を選ばない。ただ構成面は良し悪しな部分があり、元脚本家らしい山あり谷ありの筋書きで、キャラもよく立ってはいるものの、反面、展開があまりに映像を意識しすぎていてドラマチック過ぎるきらいがあり、綺麗に整頓されすぎてる印象も受ける。序盤から執拗に張った伏線である積荷、銃弾の補充ネタは、勘のいい読者なら銃もろとも敵の手に渡るのは簡単に想像がつくだろう。確かにそれは面白い展開であり、こちらが想像した面白さは全て提供してくれるのだが、意表をつかれることはなく、コルト以外の驚きや目新しさがなかったのは痛い。最後は女が裏切るかと思ったが、それだとホラーになってしまうため、ハードボイルドらしいすっぱりとした幕切れにしたのは好感が持てる。ただ王道的エンタメとしては十分であり、あくまで「欲を言えば」の部分でしか無いことを付け加えておく。

  • 題名通りの幕末ウエスタン。組織を裏切った主人公と組織の幹部の元情婦が組織と戦う。ウエスタン物はこんなベタな展開が一番。

  • 江戸のにコルト!綺麗にハマっていて違和感無く楽しめちゃった。(*_*)

    最後の最後まで弾数を気にして、数えてて欲しかったかな。

  • ヨーロッパ映画を見ているような 湿った感じのストーリー 
    ラストは救われないが それが救いとなっているのかも・・・ 

  • 無理心中の生き残りの残月,拾ってくれた儀平に忠誠を尽くすがその関係は謀に満ちた汚いものだった.コルト拳銃が存在感を放つ.

  • 舞台は江戸時代だけど拳銃を持つ男が主役のピカレスクハードボイルド.殺伐とした江戸の裏社会の雰囲気がよく出ている.松田優作のアクションのような銃撃戦も出て来る.ハードボイルドは一匹狼と言いながら大抵,子供か女または老人が一人味方につくのだが本書は美女.

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著者プロフィール

1963年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。12年『機龍警察 自爆条項』で第33回日本SF大賞、13年『機龍警察 暗黒市場』で第34回吉川英治文学新人賞、15年『コルトM1851残月』で第17回大藪春彦賞、『土漠の花』で第68回日本推理作家協会賞、19年『欺す衆生』で第10回山田風太郎賞を受賞。近著に『暗鬼夜行』『奈落で踊れ』『白日』『非弁護人』『機龍警察 白骨街道』などがある。

「2021年 『ビタートラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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