純粋異性批判 女は理性を有するのか?

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 84
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186841

作品紹介・あらすじ

「仕事と私とどっちが大事なの!」「浮気するなら私にわからないようにして!」……男には決して理解できない女の論理は、一体どこから生まれるのか?カントの『純粋理性批判』の構成に倣いつつ、「女という不可解」を徹底解剖する大胆不敵な女性論にして最良のカント入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 2013.12.19 日経新聞広告で見つける。

  • タイトルから想起される「バカな女どもをこき下ろす本」ではありません。
    でも、内容をツマミ読み/飛ばし読みすると、本書はそうとも読めてしまう本です(^^;)。
    著者さんは頭が良くて意地が悪い方ですね。最高です。筒井康隆さんと似たニオイがします。
       
    僕たちが、いかに「理性」と「批判」の字義について、なんとな~くしか理解しないまま、日々あこがれたり退けたりしてきたかを、著者は本書冒頭で嘲笑います。
    ぼくらの国家のリーダーは「批判を気にせず頑張りたい、」とかデンデンしちゃう不勉強な人ですが、彼のように恥ずかしい思いをしたくない僕たちは、この際ちゃんと言葉の意味を押さえておきたいところです。
       
    「理性はカンペキな善悪判定機能では無い。その高機能ゆえに発生させる計算ミスや勘違い、都合のいい答えをワザと出力してしまう」と警鐘を鳴らしたカント。
    本書はカントの見解を発展させ、
    「理性とはオトコ的な善悪判定機能に過ぎない」と仮定し、「なぜならオンナはとても僕たちと同じ理性を持っているとは考えられないから」と実証します。
    つまり、
    あらゆる体験に「わあーかわいい」「わあーすごーい」としか感じず、信じてもいない神の前で嬉々として一生の誓いを立て(そして平気で忘れ)、「もっと私に幸福を/快楽を!」と全身全霊で叫び続けるとてつもなくヘンなイキモノに、我々と同じ理性が備わっているハズがないって言うんです。
    ↑こういう(めっちゃノリノリで書いてる)部分だけ読むと(とっても痛快なんだけど)本書はただの暴言集(^^;)。
        
    「どんな女も、妻となり母となった瞬間に(つまり男を愛したとたん)、どう考えても同じホモ=サピエンスとは信じられない行動様式/思考様式をとる。単細胞生物かと思うほど単純で、甲殻類ではないかと思うほど硬く、猛禽類かと思うほど恐ろしい。」
    「あらゆる女はまともな理性を有してはいるが、それはあまりにも、感性的要因からの作用に弱く、いとも簡単になぎ倒される」
       
    ・・・中島先生、名文です(震)。
       
    ことほどさように、ひどく楽しげに、サディスティックに書かれているCrazyなオンナ描写が、とにかくヒドイしイジワルなんだけど、
    あくまで、理性が男性原理の産物であると証明するうえで、比較対象として明確にみせるためのデフォルメ表現。。。ってだけじゃないなコリャ(^^;)。庇いようのない悪意。
       
    結論として「女性は生物として完璧であるがゆえに理性を必要としない」「男性は生物として不完全であるから理性を持ち、不安定に苛まれているために哲学を習得する」という論に至ります。
    男性は、そのままでは耐えられないので、完全な女性に翻弄され、赦され、ほぐされることで生きていける。
    そのことに向けての感謝で、閉じられます。
    喜怒哀楽すべてが総動員される激しい読書体験でした。笑えて笑えて仕方なかった(^^)

  •  経験によらずに絶対確実な知識を得る能力が理性で、永遠の魂や世界の全体や神の存在を証明する越権行為に出る特異な性質をもつ。カテゴリーの適用範囲を誤ったり大前提に誤謬の原因を忍ばせたり相手の不合理を突いたら相手からも不合理を突かれたり完全な一者の実在性を無条件者と同一化したりする。正しい理性使用の限界を定める理性批判もまた、理性による。

    『こうして、「純粋理性批判」には表と裏の二重の意味があることがわかる。表の意味は、可能な経験を超えて神や魂や自由をとらえたという仮象に陥る理性の自己批判である。そして、裏の意味は、じつは理性とはヨーロッパ男性理性であるのに、普遍的理性であるかのような仮象に陥っている理性の自己批判である。』210頁

  • 政治的なあれはさておいて、端的におもしろいと思えない。

  • むむむ。参考にします。

  • うーん、思ったほど女性は理性を有するのかという問いには答えてないよー

  •  『私が哲学を始めた20歳のころから還暦を過ぎたいまに至るまで、なぜ女は「哲学的理性」の片鱗も有していないのか(中略)という問いに押しつぶされてきた。』という非道な文言から始まりますが、内実は平易なカントの解説書。
     実際の女に対する非難という意味では、ステロタイプを勝手に想定して愚痴を言うスタイルなので、キレのある批判では全くないので期待なさらぬよう(そんなものあっても困りますが)。それどころか、著者の繰り出す女への悪口にいい気になって乗っかっていると、後半で「西洋哲学は女性と同様非西洋男性もまともに扱っていませんよ」としっぺ返しをされる、とも読めます。

  • いい意味でも悪い意味でもカント的。カント哲学が根本的に男性中心主義的な代物であることにはもう少しいろんな人々から糾弾されてほしいものである。それが本書でよく暴かれていると言える。

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著者プロフィール

1946年生まれ。
東京大学法学部卒業。同大学院哲学専攻修士課程修了。ウィーン大学で哲学博士号取得。電気通信大学教授を経て、現在は「哲学塾カント」を主宰。専攻は時間論、自我論。
著書に『哲学の教科書』『「時間」を哲学する』『ウィーン愛憎』『「私」の秘密』『「純粋理性批判」を噛み砕く』『哲学塾授業』『差別感情の哲学』『不在の哲学』ほか多数。

「2018年 『カントの「悪」論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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