舞台

著者 :
  • 講談社
3.08
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本棚登録 : 1975
レビュー : 277
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187084

作品紹介・あらすじ

「生きているだけで恥ずかしい――。」自意識過剰な青年の、馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文になってしまう。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――?
思い切り笑い、最後にはきっと泣いてしまう。圧倒的な面白さで読ませる、西加奈子の新境地長編小説!

感想・レビュー・書評

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  • 私もカフェで仕事してる人とかインスタに海や空の写真ばかり載せてる人を見ると、しゃらくさい奴!自分なら恥ずかしくて絶対出来ないよ。と心の中で思うのですが、実際には私が自意識過剰なだけで、周りの目を気にせずに思いのまま行動している人の方がよほど人生を楽しんでますよね。
    自分を省みてもっと寛容になろうと思えた一冊でした。

  • とても騒がしい。
    何度、落ち着け、と思ったことか。
    誰しも多少人の目は気になるし、理想の自分は少なからず持っているものだけど、それはありのままの自分を受け入れた後で目指すものだなと思った。

  • 全く共感できない主人公が、最後にはとても愛おしい存在になっていました。人を許せず自分自身をも許せず、何もかも父親のせいにして、しかし父親の財産に縋っている。ダメな29歳の青年を、実際一番ダメだと思っているのは自分自身で、精神を揺るがせながらニューヨークの街をさ迷っている。躁鬱の中を苦しむ姿は滑稽であり切なくもあります。極限で気づいた父への想いや人の優しさ、そして愚かな自分の御し方を、これから少しずつ自分の骨身にして行けば良い。愚かな男の大きな葛藤に、最後は涙が溢れました。

  • 自意識はいつも冷静さを狂わせる。本作の主人公・葉太はそんな自意識に振り回されてばかりいるのだが、これを他人事とは笑えないほどに彼に既視感を覚えずにはいられない。それはこれほどに大袈裟ではなくとも誰の中にも葉太は存在するからだ。自分に与えられた人生という舞台をどう生きるか…。一読する価値あり。

  • なんだろう、誰だって自意識の塊みたいな自分の言動を発見して内心赤面、みたいな体験はあるんだろうけど、ここまで極端な設定だとむしろどう触っていいのか戸惑う。

  • 西加奈子に特有のスピード感。200ページに満たず、1日で完読できる。
    まず、表紙が最高。
    そして、「地球の歩き方」がきいている。
    西加奈子の熱のこもった文章と、「地球の歩き方」の冷たく無機質な情報を伝えるための文章。
    自意識を題材にして、ここまでまとめてくるとは大御所の域ですね。
    "なんとかdinner"のオチは嫌です。

    文庫本も買ってスピード感に流されず、ゆっくり読みたいです。

  • 「生きているだけで恥ずかしい」
    そんな超自意識過剰な主人公、葉太がニューヨークへと一人旅に出かけます。

    旅行初日にバッグを盗まれた葉太は、そんな時でも、他人の目を気にして「大丈夫な自分」を演じてしまいます。

    次第に「演じている自分」に苦しめられ、追い詰められる葉太。

    そんな葉太が、ニューヨークで見た景色とは…。
    そして旅の最後に出会う「自分」とは…。

    本当の自分って何なんだろう?
    ふと、そんなことを考えさせられる1冊です。

    図書館スタッフ(学園前):トゥーティッキ

  • 西加奈子初めて読んだ。今風で面白いね。NY行ってみたくなった。葉太いろいろ気にし過ぎだけど、少なからず誰しもにあるあるな感情。

  • 自意識過剰で苦しいんだけど恥と思う気持ちがとまらなくて動けなくて
    はー脱がす手伝いが出来ればいいと何度思ったか。自分自身の問題は、自分しか解決できないのだけれど。

  • うーん。これが29歳の男子が葛藤することなのだろうか。なぜ29歳という設定にしたのだろうか。誰しも他者からどう見られるかは大なり小なり気になるものだとは思うし、既視感があったことも確かだけれど…。世の中には、物事には、正解か間違いか、つまり白か黒かきっぱり分かるものは少ない。しかし、今の世の中を見ると、どれだけ最速で「正解」を決められるかという風潮が強い。そのことに対するアンチテーゼなのかなぁ。うーん…うーん…。まだティーンエイジャーという設定なら、もう少し共感できたのかなぁ。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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