三軒茶屋星座館

著者 :
  • 講談社
3.62
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本棚登録 : 596
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187183

感想・レビュー・書評

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  • 「星座の神話を違う視点で知りたい」という方におすすめの作品です。

    三軒茶屋の古いテナントにあるプラネタリウム、過去のある主人公、「超現代語訳」のギリシャ神話、とインパクトのある内容となっています。
    ただ、読みやすく、最後まで一気に読めました。
    星座の話がテーマですが、もう一つ「親子の形」もテーマだと感じました。
    続編も出版されているので、機会があったら読んでみたいです。

  • こんなプラネタリウムに行ってみたい、そう思えるほど魅力的な物語でした。

    主人公の和真のもとに、兄の創馬と娘の月子が突然押しかけてくるところから物語が進んで行きます。
    今までアメリカにいたのになぜ突然やってきたのか?母親は誰なのか?疑問に思いつつも、3人での共同生活が始まり、和真をお父さんと呼ぶ月子に振り回せる日々。
    また、星座の物語であるギリシャ神話と似た境遇の登場人物が次々と客としてお店に現れ、和真が神話を語りながら、彼らの抱える悩みに付き合っていきます。

    星座の物語を口語的に、というかとてもチャラく説明するのが新鮮で、かつ分かりやすくて、全然プラネタリウムの解説ぽくはないけど、それが逆に物語にあっていておもしろいです。

    今回5章に分かれていたのですが、特に好きなのは4章の水瓶座の話。ここでは和真の過去の話が描かれていて、ただチャラい口調の金髪ではなく、彼の辛い経験も垣間見れたので、登場人物として1番好きになりました。

    謎のままで終わっている事がいくつかあるので、続編が楽しみです♪

  • 階上の床が抜けたために二階分の高さとなった物件をうまく使った、三軒茶屋の星座館。たった12席に集うお客様のために、金髪のオーナー和真が独特の若者言葉で語るギリシャ神話には本当に惹かれます。飛び込んできた弟の創馬と一人娘月子を中心に常連さんとともに語られる連作。少しずつ語られるそれぞれの背景は決して綺麗なものばかりではないけれど、優しい物語を夢中になって読みました。現在の三茶はもはやお洒落な観光地のようですが、この本は私が知っている何年も前の三茶の街並みが想像でき、ノスタルジックな想いに浸りました。

  • 再読

  • 1つ1つの章に含まれている星座の話が、まるで漫談のように書かれていて軽快で面白い!その話がストーリーと照らし合わされているのもいいなーとも感じられます。
    また、若い作家さんならではの現代的な(世相を写すようなと言ったらいいのかな?)表現もあり読みやすかったと思う。

  • 星座の紹介、というかギリシャ神話の紹介がぶっ飛んでいるけど、それがそれでなんとも味があるというか不思議なものだ。
    話自体は、あるプラネタリウムを中心とした人間模様を扱っているもので、変な人も多いけど、ちょっとホッコリするような話が多かったと思う。
    あ、でも、三軒茶屋はあんまり関係ない。

  • 身近な駅が舞台だったので購入したけど、推進力のない話だった。いろいろ盛り込んであるけど、入りきれなかった。

  • プラネタリウム兼バー、なんていいなぁ。
    常連になりたい。
    マスターのところに転がり込んで来た弟とその娘、他周囲の人間達のトラブルと、星座の話が絡まるという設定も面白い。
    ただ、これ絡まってるかな…?無理やりじゃないかな…?と思ってしまったのと、マスターが荒い口調で神話を語るのが、新鮮ではあるものの私には受け付け難く…残念。
    さらっと読めるので、上記の辺りも楽しめる人には面白いかと。

  • ちょっと変わった親子と星座のお話。
    星座の神話がモチーフになってストーリーが進んで行くが、ところどころで差し込まれる神話が現代風にアレンジされていてとても面白い。
    登場人物たちも個性的な面々ばかりですいすい読んでしまった。
    個人的に和真の裏がある雰囲気がすごく好き。

  • 三軒茶屋のとある古いビルの最上階にある、プラネタリウムが設置されたバー
    舞台はそのお店、登場人物はそのオーナー。
    小野オーナーのところに転がり込んできた大学教授の弟とその娘(小学生)。

    ビルのほかの階にも、すこしずつ変わったお店が。
    そして、店の客もそれぞれ個性が立っている。
    舞台は三茶という新しい町、キャロットタワーも建っている。
    でも、下を歩くと古い町も残っている。
    古い釣堀。そんなの、昔はあったよね。
    そんな、不思議な町の不思議なお店で進んでいく、すこし不思議な物語に引き込まれる。
    すでに、もうシリーズとして何巻か出版されているようです。
    この町の、そしてこのお店とひとたちの物語。
    次の作品も続けて読んでいきたい。

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著者プロフィール

作家。1976年東京都生まれ。慶応義塾大学経済学部卒。東京三菱銀行退行後、バーテンダー、香水プランナーなどを経て、小説「シャンペイン・キャデラック」で三田文學新人賞を受賞しデビュー。主な著書に「オワ婚」(2012年/幻冬舎)、「三軒茶屋星座館」シリーズ(講談社)など。映画やドラマの脚本も多数手掛ける。

「2021年 『恋侍 ー中目黒世直し編ー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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