ミッキーは谷中で六時三十分

著者 :
  • 講談社
3.03
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本棚登録 : 130
感想 : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187442

作品紹介・あらすじ

フリーライターで独身の柴田耕平は、ふと入ってみた喫茶店で店主から突然、独身の娘のおまけつきで喫茶店をやらないかと誘われる。娘のナオミに連れられ、今度は母親が食堂を開いている谷中へ。ある家族を巡った疾走感あふれる一日の物語。(「ミッキーは谷中で六時三十分」)

髪が長く中性的な雰囲気の翻訳家・西野晴彦は、女物の服を好み、いつもタリーズでコーヒーを飲む。編集者と打ち合わせするときも、建て替えの相談のあとも、母が亡くなった日も、彼は同じようにショートサイズのコーヒーを飲んだ。(「タリーズで座っていよう」)

才気あふれるカメラマン、女優でもあるラジオ・パーソナリティ、奇妙な人々が集まる喫茶店のウェイトレス。高円寺の美しい三人の「ゆかり」と、五十代の作家が織り成す不思議な出会い。(「三人ゆかり高円寺」)

料理人の麻紀子と翻訳家のミルカは、偶然喫茶店で出会った作家の久保寺と編集者の津村と連れ添って、カレ-ライスを食べに「下りの各駅で六つ目」の駅へ。ウルトラマンが見守るその場所で交わされるのは、懐かしい漫画やアニメの話。やがて三人と別れた麻紀子は、ひとり三軒茶屋へ……。(「酔いざめの三軒茶屋」)

谷中、高円寺、祖師ヶ谷大蔵、三軒茶屋、経堂、下北沢、吉祥寺、渋谷……東京の街を舞台に、記憶と言葉、男と女を描いた魅惑の7篇。どの短篇も太陽が南中して影が一切ない日なたのように研ぎ澄まされた文章と構造を持っています。著者は2014年に作家生活40周年を迎えます。今こそ片岡義男を読むべき時であることを印象づける、鮮やかに研ぎ澄まされた作品集です。

感想・レビュー・書評

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  • 前にも書いた気がするけど、昔すごく片岡義男の短編が好きで、本棚の片隅が赤くなるくらい(角川文庫の背表紙が赤かった)読んでいたのと、あとやっぱりこのタイトルに惹かれて読んだんだけど。(なんかかっこよくないですか?)
    うーん、なんかおもしろくないといえばおもしろくないような。不思議な小説だった。ほんとにただの喫茶店でのどうでもいいおしゃべりをきいているような。あらすじとか登場人物とかどうでもよくて読んだらすぐ忘れているような。
    現実感、生活感がないというか。そこがいいところでもあるんだけど。
    でもときどきちょっとした描写がすごく好きなこととかあったりもして。うまくいえないけど、ふっと、好きに、自由に生きていいんだなあっていうようなことを感じるような。それが、登場人物の生き方とかライフスタイルに対してそう思うのか、雰囲気なのか、なんなのかよくわからないんだけど。
    昔、好きだったとき、このなんだか自由な感じにあこがれていたような気がする。

  • 2016.12.23 「ミッキーは谷中で六時三十分」を読む。
    クリスマス企画「恋愛っぽい話をする」

    〜あらすじ〜
    ライターである主人公がひょんなことからバーの共同経営を持ちかけられ、バー店主の娘に挨拶をしに行くことに。ビリヤード台でキューを構えていたその娘と共に舞台は谷中へと移り、あれよあれよ、母親とも会うことになって…。


    「これは恋愛なの!?」
    「片岡義男って何歳…?」
    「女の人が格好良すぎる。男に都合良すぎ!」
    女性参加者が圧倒的多数だった今回の読書会では、男女の視点/視線の違いから携帯の操作の仕方まで参加者の意見は終始鋭く、会は司会者の全く予期せぬ方向に加速していく。

    所謂、恋バナよりも参加者の年齢層の違いから見えてくる「どこからが恋愛」という価値観の違いに一同仰天。


    参加者の一言
    「もっと甘々の恋愛小説を語りたいです」

  • 片岡さんの本の登場人物のような生き方に憧れて久しい。
    もう無理だと悟った。登場人物が全員、自分より年下だったという衝撃的な事実に気づいたからだ。

    でも、カッコいいな。

  • 高校生の時に読んだ片岡義男は 当時の風潮によって何かに追い立てられるように義務感で読んでいたような気がする。
    おしゃれなタイトルにひかれ赤い背表紙の角川文庫を 何冊も何冊も読んだ。
    そこで繰り出される男と女のトレンディでリッチでアーバンな物語は、実は全くよくわからなくて。
    今思えば一種ハードボイルドのような面持ちで接すれば良かったのかなあ。
    今作もそのテイストはそのままに21世紀にスライドさせたような。
    しっかりと感覚が蘇ってくる。読んだはしから忘れていくのも昔のまま。
    会話セリフが現実では全くありえない喋り方をしている。かつてもどうにも居心地が悪かったが、声に出して読むと、改めて本当に精巧に作られた作り物のように現実感がない。街並みや人物造型はリアルなのにこの会話の非現実感からふわふわとした夢のようなイメージへとつながっていると気づいた。微妙に外すことは非常に困難だと思うのだけれど。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00531012

  • タイトル作を含む、全7編。

    全てに「コーヒー」が登場する。

    相変わらずの片岡ワールドである。

  • 年齢を感じさせないですが、もう、七十歳何ですね。

  • こんなふうに自在に街や人生を楽しめたらすてき!

  • 7つの短編の中で、個人的には「吉祥寺ではコーヒーを飲まない」が一番好みです。書籍名以外は、小田急線沿線の街が多く出てくるし、チンチン電車の「世田谷線」までも!やっぱり都会的で洗練された物語は楽しめる

  • p46
    大学へいけ、と両親に言われた。なにをしに大学へ?という問いに答えはなかった。では大学へいかないのなら、自分はなにをするのか。

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著者プロフィール

1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始める。74年「白い波の荒野へ」で小説家としてデビュー。翌年発表した「スローなブギにしてくれ」で野性時代新人賞受賞。近著に『いつも来る女の人』『彼らを書く』『窓の外を見てください』『片岡義男COMIC SHOW』(共著)など。

「2021年 『言葉の人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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