角栄のお庭番 朝賀昭

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 48
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187503

作品紹介・あらすじ

「オヤジの成功、失敗体験をひっくるめた、その生きざまを語ることに、この国難を打ち破るヒントが詰まっているのではないか。国家の舵取りが難しい時代に、少しでも世のため人のためにつながる政治が実現してほしい。それがオヤジの再評価にもなると信じたい」。
23年間、角栄の傍らにいて、その生涯にわたって「最後の秘書」の文字を背中に刻み続けてきた男が初めて語る、毀誉褒貶激しい「天才政治家」と、それを取り巻いた人々の実録。

感想・レビュー・書評

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  •  借りていた本を図書館のブックポストに入れに行ったら、コロナによる営業自粛期間を終えて通常営業を再開していた。嬉しくなっていつもは通らない政治のコーナーも適当にぶらぶらしてみたら、偶然目に入った。そういえば朝賀昭氏のこと、ほとんど知らないなぁ(というか、知ろうとしたことなかったなぁ)と思って、読んでみることにした。そろそろ、ずっと知らされてこなかったからほとんど何にも知らないんだよね、の域を少し出てみたい欲が芽生えたというのもあり。

     著者である中澤雄大という人が、朝賀氏について書いた本だと思って読み始めたら、全然違った。語り手は朝賀氏本人で、内容は予想通り、田中角栄がどんなに素晴らしかったかをとにかく褒め称えるというものだった。素晴らしい系の話はだいたい聞いたことがあった。けれど、田中角栄の唯一ないしは最大の失敗点は後継者を育てなかったことだ、と述べていたのが印象に残った。本人がどれだけ政治的に優秀な人材だったとしても、どれだけ素晴らしい政策を持っていたとしても、自分の意志を継ぐ人を育てておかなければ、その政策は道半ばで頓挫することになる。小沢さんが後継者だったのだろうと思っていたけれど、実際は似て非なる存在だったらしい。

     あとはとにかく「少女敦子」がツボ過ぎた。文字面の破壊力がすごい。読んでいたカフェでつい場所を弁えずニヤついてしまって、恥ずかしくなってとっとと家に帰る羽目になった。

     田中角栄自身が、過去にバセドー病を患っていたこと。敦子氏が骨盤骨折と足の複雑骨折をしていたこと。朝賀氏と敦子氏の間には、思っていたよりずっと深い絆があったこと。無垢だった「少女敦子」が大人になるまでに経験したことは、やっぱりメンタル的に大ダメージだっただろうなと改めて思った。

     しかし、政治的なこともプライベートのこともこんなに開けっ広げにいろいろ書いているのに、敦子氏の家族に関することは一切出てこなくて、まあ書くような内容も読み手の興味もそこにはないというのが第一にあるのだろうけれど、敦子氏が断固としてストップしていた可能性もあるなという気もした。完全に信頼できる人間が限りなくゼロに近い状況で育って、いろんな防衛策を身につけて、必死に生きてきたんだろうなと想像すると、なかなか辛い。

     少し知るともっと知りたくなる。知ったところで今更どうなる話でもないのだけれど、どっちにしてもわたしの人生は今後どうにかなる予定もないから、暇だし、いろいろ読んでみようと思う。この本においては、田中角栄は人情味に溢れた素晴らしい人で、あっちこっちに家族を作ったけれど全員をきちんと愛していて、金銭問題なんかそもそもなかった。了解。では今度は敵側?の視点の本も読んでみようと思って、さっそく立花隆氏の本を予約した。どんなもんかな。

  • 2016/02/27-03/11
    ①安っぽい正義感の生贄となった誠の政治家
    ②稀有な政治家を支えた民衆と嫉妬感でこき下ろした多くのエセジャーナリストとの闘い
    ③国民のために何もしない赤貧の政治家と国民の生活レベルを上げた富裕の政治家 あなたはどちらの政治家が好きですか

  • 田中角栄元首相が没してから、早20年。田中角栄にまつわる書籍は数あれど、それぞれ立場が違えば、田中角栄や同時代を生きた他の政治家の印象も違うよう。
    本書は自身をお庭番と称す元・秘書=朝賀昭氏からの話をまとめたもの。長年、秘書として角栄に仕えた秘書には、角栄のみならず越山会の女王と称された佐藤昭氏や田中眞紀子氏、他の首相経験者たちはどのように写っていたのかが描かれている。
    ただし、著者の筆力が・・・。ということで★3つ。辛いですか?

  • 田中角栄を堪能できる本。声が聞こえて来そうだ。

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著者プロフィール

朝賀昭(あさか・あきら)
昭和18年(1943)年、東京都港区生まれ。都立日比谷高時代に田中角栄の知己を得て、中央大法学部を卒業した昭和41年春に正式に秘書となる。経理担当の佐藤昭子氏を支え、「田中軍団」秘書会を統括。
現在は政治サロン「政経調査会」会長。細野豪志・元民主党幹事長の後援会幹事長も務める。趣味のゴルフの腕前はハンデ10(新沼津カントリークラブ)。

中澤雄大(なかざわ・ゆうだい)
昭和42(1967)年、新潟県長岡市生まれ。平成2(1990年)年、毎日新聞社入社。西部報道部などを経て、政治部で首相官邸、自民党、民主党、外務省などを担当。「戦後六〇年 天皇皇后両陛下 サイパン慰霊へ」などを特報。現在は学芸部で論壇、書評を担当。
共著に『〈3・11後〉忘却に抗して』(現代書館)、『にっぽん60年前』『閉山 三井三池124年』(以上、毎日新聞社)、『外交の真意、国民への説明責任 密約問題の取材を振り返って』(日本新聞協会)など。

「2015年 『角栄の「遺言」 「田中軍団」最後の秘書 朝賀昭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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