<世界史>の哲学 東洋篇

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  • 講談社
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本棚登録 : 126
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (714ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187565

作品紹介・あらすじ

12世紀頃に、知性をもつ宇宙人が地球にやってきて、その後の人類の運命について予想したならば、中国こそが近代化を主導すると断定したであろう。なぜなら、当時、経済・政治・軍事、あらゆる点においてもっとも発展した地域であったから。にもかかわらず、数百年後の世界を見れば、主導権を握ったのは、中国ではなく、ヨーロッパとアメリカを中心とした西洋となってしまった。どうしてなのか。その原因を中国社会の特異性、インドのカースト社会、仏教と一神教との相違など、精緻な思想で読み解く。イエスの誕生を根底に置いた西洋文明の成長を描いた「古代篇」「中世篇」に続く第三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 歴史
    哲学

  • 「「贈与」キーにした文明論」評者:藤井省三(東大大学院教授)北海道新聞
    http://www5.hokkaido-np.co.jp/books/new/4.html

    講談社のPR
    http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2187566

  • 僕の場合、この本を読むにあたって「否定・抑圧されたものの回復」という視点を持って読み進めてみました。そういう読み方をしても読むに耐えうる作品です。

    一つ気になったのがノーム・チョムスキーの考えとの比較をした場合です。

    中国の皇帝が天命または民衆の合意によって承認されているという視点、特に毛沢東についての記述で彼は文字とかスローガンを使うのが非常に巧みだったとあります。それを読んで毛沢東はプロパガンダ・システムだったのではないかという疑問を抱きます。マニュファクチュアリング・コンセント(合意の捏造)という視点をチョムスキーは言っています。中国は文字(漢字)により統一され平原で伝達もスムーズにいくという地形だとあります。中国が天命によって皇帝という格差の体系(僕は格差とは否定・抑圧されたものがあると思っています)が承認されているという神話が結局、合意の捏造でしかないのではないかということです。

    そういった視点が大澤さんの視点から比較的欠落しているような印象を持ちました。大澤さんともあろう人がその視点を考えなかったわけではないと思いますが、マニュファクチュアリングコンセントを正当化することになってしまわないようにそのあたり明確にしておいた方がいいのではないかと思いました。

    なかなかボリュームがあり読みごたえがありました。一読してみる価値はありますので皆さんどうぞ読んでみてください。

  • んーーー。何ナノ、このどうでもいい話の連続。

    インド文明と中国文明の対比は、少しおもしろかったけど。
    キリスト教と仏教の対比はバカバカしかった。
    曼荼羅の話もくだらなかった。

    すごく分厚い本だけど、中身は薄っぺらい。

  • 中国とインドを非西洋社会と位置付け、その性質成り立ちを社会科学的に解明しようとする。
    根本的疑問として、ジャレド・ダイアモンド同様の西洋がなぜ先に近代化し世界に価値観を拡散することになったかである。
    中国は儒教をベースに、天を戴いた天子がその権威を名誉として広大な範囲に贈与して治める。そのツールは法家の思想だったり、贈与の経路としては科挙による官僚制、朝貢がある。天の意向にあった天子とは、堯などの過去の理想的な天子でありその点では一神教と似るし、特に天子とキリストは現世界に現れた神の代理としてのポジションが被ることになる。しかし中国は易姓革命により現実の天子は覆されてきた。
    インドは中国とは異なるシステムで中国からの影響は皆無である。ジャーティー/ヴァルナにより贈与はあくまで小集団間に分断され、各集団は通婚できないなど大きな集団は形成されにくい。実際にインド亜大陸が統一されたのはイギリスによってである。

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著者プロフィール

大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。千葉大学助教授、京都大学教授を歴任。思想誌『THINKING「O」』主宰。2007年『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、2015年『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞をそれぞれ受賞。ほかの著書に『不可能性の時代』『〈自由〉の条件』『社会は絶えず夢を見ている』『夢よりも深い覚醒へ』『可能なる革命』『日本史のなぞ』など多数。共著に『ふしぎなキリスト教』『おどろきの中国』『げんきな日本論』などがある。



「2021年 『〈世界史〉の哲学 近代篇2 資本主義の父殺し』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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