峠越え

著者 :
  • 講談社
3.56
  • (10)
  • (28)
  • (27)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 148
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187633

作品紹介・あらすじ

最注目作家・伊東潤×戦国の覇者・徳川家康

吉川英治文学新人賞、山田風太郎賞、歴史時代作家クラブ賞。
次々と主要文学賞を制圧する著者が、ついに上洛を果たす!
過酷な乱世を勝ち抜いた天下人、その「生きる力」に迫る。

この世には、凡人にしか越えられない山がある――。
信長でも秀吉でもなく、家康こそが天下人たりえた理由とは?
大胆不敵の大仕掛け、当代無双の歴史長編!

幼き頃、師より「凡庸」の烙印を押された男は、いかにして戦国の世を勝ち抜き、のちに天下を覆すことになったのか。
本能寺の変。信長、死す――。家康の人生最悪の危機は、最大の転機でもあった。

山岡荘八『徳川家康』、隆慶一郎『影武者徳川家康』、司馬遼太郎『覇王の家』。
名だたる傑作のいずれとも異なる、真実の姿を活写する!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 家康が妙に人間臭く描かれていて良い。信長や秀吉と比べ、いまいちパッとしないが、これこそ己の凡庸を知る家康の処世術だったのかも。それでも三河武士の誇りは忘れない。何とも人間臭い家康。德川家の結束の深さもうなづける。

  • 2017.05.20
    徳川家康のファンになるほどの本だった。信長暗殺がこのような視線で描かれてるとは•••。それも斬新だった。どうしてもあの時代は秀吉に向くけど、もう一度、家康の本を読んでみたくなった。

  • 家康の本能寺の変前後舞台に過去のピンチを回想しつつ、物語のクライマックスの伊賀越えに臨む家康。回想シーンで展開される駆け引きはもちろん、伊賀越えの迫真の展開は、ぐいぐい引き込まれ度高し。明智謀反の展開のくだりはちょっと強引さも感じたけど、そんなことはどうでもいいのだ!ってどかどか読み進めるが吉。

  • 本能寺の変についての解釈が面白い。先日放送されたTV番組、世界ふしぎ発見でも紹介された説に基づくもの。耐えに耐えてきた家康がここぞという所で大番狂わせを起こしたのが良い。だけど時系列飛び飛びで分かりにくいし文体は薄っぺらいし、肝心の伊賀越えも短い描写であまり魅力を感じなかった。

  • 自分の中での徳川家康の3大危機

    「三方ケ原の戦い」「長男信康成敗」「伊賀越え」



    この3つ、すべてが網羅された1冊で、言うことなし、自分にとって感無量の一冊。



    その3つともに伊東さんのオリジナルな視点が入っていて

    歴史好きにはたまらない。

    こういう新たな可能性を感じさせてくれるだけで最高の夢想になる。



    特に歴史最大のミステリーの1つ「本能寺の変」についても

    家康の間接的な犯行説がここでは使われていて

    それもまたおもしろい。



    最後の決死の伊賀越えの描写は、画が浮かぶようで

    すごい迫力。



    伊東さんの作品、誰か映画化してくれないだろうか、といつも以上に

    思いました。

  • 織田信長と同盟関係にある徳川家康は、自分が凡庸であることを受け入れているからこそ、強い信長の顔色を伺いながらも次々と立たされる窮地を乗り越えていく。

    信長・秀吉の人物像は、読書やテレビの情報でなんとなく知っていたけど、家康のことはよく知らなかった。
    知らないけど平凡そうな家康にあまり興味もなかったんだけど、この作品を読んでかなり好きになった。

    「鳴くまで待とうホトトギス」に表されているように、忍耐の人だということがよくわかる。
    師に「凡庸であることを知っている者は強い」と教えられた家康は、自分がたいした器ではないことを常に肝に命じている。
    その謙虚さと我慢で天下を取ったことは意味深いと思う。
    傲慢でオラオラなだけではダメなんだろうと思う。

    信長に翻弄される家康が可哀想で親近感が湧いた。

    いついつ・どこどこで・誰々が・どう戦って・その結果こうなった、という解説の部分が半分以上あって、歴史に疎い私のはその部分が歴史の教科書みたいで読みにくかった。
    ただの解説ではなく、もっと物語風にしてもらえたらもっと楽しめたのに、残念。

  • 家康の伊賀越えまでの内容でした。家康と光秀は繋がっておらず、穴山梅雪は家康に殺されるという、通説を外した内容で面白かったです。
    本能寺の変前後について、後世のボクらはダイナミックな裏話を期待してしまいますが、本当の歴史は、本書のように、その場その場の判断の積み重ねでしかないのだとも感じました。
    もっと悪どい家康像があっても良いと思うし、そう意味では、現代に通ずる通説や家康像を綿密に作り上げた徳川幕府はすごいとも感じました。

  • 最後の伊賀越えのところで読むのをやめてしまった。
    おもしろくない。
    家康像は好きだし、なるほどこれが天下を盗る秘訣か?
    この書き方には納得がいったけど・・・

  • 作者なりの「本能寺の変の真相」が知りたくて手にとったが、本書のテーマは、本能寺の変後の徳川家康の決死の逃避行。家康主従の息遣いまで伝わってきそうな真に迫った文体で、まるでアクション映画を観ている様。「先が知りたい、でも読み終えるのが惜しい」そんな良質の小説に久々に出会えました。

  • 家康の立場から史実と想像で解釈した本能寺の変は、真相とは思えないけど面白い。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/13269171.html

全34件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。外資系企業に長らく勤務後、文筆業に転じる。『国を蹴った男』で吉川英治文学新人賞、『黒南風の海‐‐加藤清正「文禄・慶弔の役」異聞』で第1回本屋が選ぶ時代小説大賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で歴史時代作家クラブ賞(作品賞)、『巨鯨の海』で山田風太郎賞と第1回高校生直木賞、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞を受賞。『城を噛ませた男』『国を蹴った男』『巨鯨の海』『王になろうとした男』『天下人の茶』で5度、直木賞候補に。著書に『武田家滅亡』『天地雷動』など多数。

「2019年 『家康謀殺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

峠越えのその他の作品

峠越え (講談社文庫) Kindle版 峠越え (講談社文庫) 伊東潤

伊東潤の作品

ツイートする