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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062188043
感想・レビュー・書評
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小説を書く上の極意と掟の書。本書の極意と掟を読み込んだところで、身につくわけではないが、筒井康隆さんのような小説家に近づく手がかりにはなる。小説に限らず、言葉を使って表現する全ての人が読んでも損はしない。文学、哲学、科学などの知識が豊富で、幅広い分野の一般常識が頭の中にあるのだろう。本棚に置いておきたい本の一つ。
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“これは、作家としての遺言”
『時をかける少女』『家族八景』等で知られる日本屈指の文豪、筒井康隆が送る正しき文の書き方作法。小説とはいかにして成り立つのか。自身の経験談も含め、多岐に渡る項目に分けて丁寧に語られる珠玉の指南書。
・凄み
凄みがあってこその小説。それは、読み手と相容れないかもしれないという不安感が与えてくれるもの。不条理感をくすぐるような独特の感覚。作者自身から滲み出る唯一無二のその凄みを存分に示すこと。
・語尾
「です、ます」なのか、あるいは「である、だろう」。文章を構築する上で、全く同じ語尾を繰り返さないことは重要。ここを疎かにしてしまえば、その文は一挙に陳腐な、子供の作文の様になってしまう。
・羅列
名詞の羅列は状況を表現するポピュラーで効果的な描写法でありながら、一方で実験的な側面にも用いられる。人名の羅列のみで一篇の作品を書いたこともある筆者だから分かる、その苦労。取扱注意。
以上の他にも「表題」「視点」「諧謔」など、読んでいると当然のようで、でも目から鱗の創作技術も。場合によっては実際の文章を引き合いに出して説明してくれるという、実に分かりやすい説明。最後を締めくくる愚痴交じりの作家としての不幸も面白い。全ての作者と読者、読んで損なし。
そんな一冊。 -
唸ったり頷いたり呻いたりしながら読んでました。物書きをする人ももちろんですが、小説好きの人と筒井御大のファンの人はとても面白く読めそうです。小説ってすごい……、文章だけでこんなにも色んな表現を試した人がたくさんいたんだ……、と無知に打ちのめされながらも圧倒されました。読みたい本がまたたくさん増えてしまった。もっと色々読んで勉強せねばなぁ。
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二字熟語をキーワードに、筒井康隆氏が作家としての自身の心構えと掟を説く。本書を読むと彼が読書家で勉強家かが分かる。そして心から小説を愛し、作者として時には読者として作品へ遊び心や技法をふんだんに散りばめ、実験と試行錯誤を繰り返す様が伺える。
小説作品で見せる彼とはまた違う一面が見られる著書である。 -
小説にまつわるエッセイだが、学ぶことが多い一冊。
決してノウハウ本のように「こう書かねばならない」とは語られないので、型にはまらない自由さを教えられる。
私自身、小説とはかくも自由であったのか、と気が楽になった。
相性はあるだろうが、小説を書きたい人間にそっとお勧めしたい一冊。 -
筒井康隆さん。大変に失礼ですが、「おお、まだこの人、生きてるんだよな!」と、本屋さんで思いました。
何しろ、30年くらい前か、僕が筒井康隆さんをよく読んでいたころ。その頃にもうベテラン作家の雰囲気がありましたから。
「富豪刑事」「家族八景」「七瀬ふたたび」「霊長類南へ」「大いなる助走」「農協月へゆく」「ウィークエンド・シャッフル」「俗物図鑑」…
エグイけど、とにかく面白い。そんな印象。
1934年生まれの、79歳なんですね。久しぶりに新刊を読みました。気軽に楽しみました。
気軽に読める、エッセイみたいなものです。
題名の通り、「小説の書き方」という体裁を取ってはいます。
でも、受け取り側としては、「小説の愉しみ方」と捉えて問題ないエッセイ集です。
「序言」「凄味」「色気」「破綻」「表題」「会話」…などなど2文字の小題について、筒井康隆さんが思い浮かぶことを、「例えばこの人のこんな小説だと、こういう感じだよね」と、書き綴っています。
一章一章はとっても短くて、読み易い。
何かと合間合間に、ちょこちょこ読んでも大丈夫。
肩の凝らない楽しみ方ができる、コンセプト・エッセイ集だと言って良いと思います。
で、博学というか、よく小説読んでますよね。そりゃ。79歳、さすがです。面白かった。
何しろ、夏目漱石さんも池波正太郎さんも「悪の教典」もプルーストさんも川上弘美さんも。
カフカもガルシア=マルケスも村上春樹も、何故か映画監督のジャック・リヴェットもウディ・アレンも。
大江健三郎、ヘミングウェイ、宮本輝、町田康、ハメット、チャンドラーから阿部和重まで。
ごった煮、一律横並び。
「色んな小説あるよね、面白いよね、アレのあそこンところがね。それに比べてこっちでは…」
という、エッセイ。
くらくら目がくらむくらい、読んでみたくなるし、楽しくなってきます。
そして、ソコはソレ、筒井康隆さん。いちばん多く触れられている小説家は、ご本人さんですね。にやにやしちゃいます。自作解説。
「まだまだ読んでない本、読みたい本がいっぱいあるなあ」と、わくわくさせてくれる本。
丸谷才一さんの「快楽としてのミステリー」もそうでしたが、こんな味わいも、読書の愉しみだなあ、と。
するするするっと読了しました。
文章、ケレン、遊び。強烈さと真摯さ。傲慢な身振りと、垣間見える謙虚さ。肩の力の抜け具合。
79歳、まだまだ書いてほしいですね。 -
図書館で借りたが、購入しようと思う
知らないジャンルへの読書案内にもなりそう -
小説を書く上での極意をテーマ別に記したエッセイ。同時に小説をより深く楽しく読むことができる書。国内外の作家の代表例の幅広さと引用に懐の深さを感じる。単なるノウハウではなく文学評論の趣もある永遠の良書となるだろう。
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こだわりを捨てた後の達観。その境地から見られる小説の技巧は、さながらきっちりと整理された大工道具のよう。
にもかかわらず、筒井康隆が中原昌也の小説までちゃんと読んでいることに感動。また、いかなる文豪の作品であれ、これは頂けないと言い切っているのも痛快。 -
もの書きではないので得たものは少なかったけど「迫力」という言葉は印象に残った。創作をするときに必要なものだと思った。
小説に必要な項目がたくさん書いてあるので小説家が読むと勉強になるんだろうなと思った。 -
である調。エッセイぽい。 読み辛すぎ
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小説のみならず、クリエイティブな仕事(研究職も含まれるかもしれませんが)に携わる人は必読の良書と思いました。
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途中で返却
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創作に興味がない人でも楽しめるエッセイだと思いましたねぇ…というか、筒井氏自身、そのように読んでほしい、といったようなことを書いていましたね。文章創作だとか、そういったハウツー本として読んでくれるな、と。
ヽ(・ω・)/ズコー
自分は筒井氏の著作にはあまり感銘は受けなかったのですが(!)、エッセイならまた小説と違った楽しめるだろうと今回これを読んだわけですけれども、いやはや、奇天烈な小説を書く割りには意外と常識人だな…との思いを抱きましたかねぇ…社畜死ね!!
ヽ(・ω・)/ズコー
映画やら小説やらと色々と造詣の深い筒井氏…このエッセイの中にも数々の作品が出てき、色々引用しながらお話を進めていきますねぇ…。
というわけで、小説というのには色気というか、凄み、これがあるものが面白いのだ、というような結論でしたかねぇ…。どの人にも小説は書けるし、書いてほしいみたいなメッセージもありました。僕も書くか…そんな風に思ってさようなら…。
ヽ(・ω・)/ズコー -
プロの作家および作家志望のために書いたと序言にあるが、様々な技法が開示されているので、小説の読み方指南にもなる。全てを自家薬籠中のものにできたなら、批評家にもなれよう。
第一項が「凄味」。
自作を世に問うほどのものであれば、当然そこには「凄味」があるはずだよねという指摘には、おー、なるほどと膝を打った。
頂けないのは「反復」の項。自著の「ダンシング・ヴァニティ」を延々と解説する。
音楽のリフレイン技法を小説にというその着想に、この項のはじめの部分では脱帽したが、読んだことのない「ダンシング・ヴァニティ」のあちらこちらをつまみ出して事細かに四十ページほども解説されてもなー。
この項が他と同じく十ページ程度に圧縮されてたなら、星五つ、なんだけど。 -
エッセイ
創作論 -
日本には筒井康隆という本当の巨匠がいる。この人を正当に評価しない日本の文壇はある意味で終わっている。既存前衛の向こう側へ既にこの人は行っている。ここまでやられて解説されると後は肩の力を抜くしか無いだろう。筒井先生ありがとう。
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