日本橋本石町やさぐれ長屋

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  • 講談社 (2014年2月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (234ページ) / ISBN・EAN: 9784062188098

作品紹介・あらすじ

日本橋本石町にある弥三郎店の住人は事情をかかえた人たちばかりだ。気になる相手ができたと思えば出戻りだったり、旦那が勤め先から帰ってこなかったり、あげくの果てには店立ての噂が持ち上がる!


日本橋本石町に弥三郎店と呼ばれる長屋があった。事情を抱えた住人ばかりが住んでいて――。

「時の鐘」真面目一徹、そろそろ嫁をと周囲から勧められる鉄五郎。そんな鉄五郎に気になる相手が現れたのだが、若くして出戻ったおやすという莨屋の女だった。

「みそはぎ」おすぎは、老いた母親の面倒をみている。ある日、勤め先の井筒屋に見慣れぬ男が来るようになった。

「青物茹でて、お魚焼いて」おときの旦那は錺職人。次第に泊まり込みの日数が長くなり、しまいにはひと月にもなった。

「嫁が君」おやすはずっと旦那が家にいるおひさのことが羨ましい。ある日、この旦那が寄せ場からきた人物だと噂になる。

「葺屋町の旦那」おすがのかつての奉公先の倅が、弥三郎店にやってきた。どうやらこの倅、わけありのようで。

「店立て騒動」弥三郎店が店立てに?! 住人は緊急事態にてんやわんやの大騒ぎ。どうにかこの事態をとめられないか。長屋の住人が一致団結して行ったことは。

みんなの感想まとめ

様々な事情を抱えた住人たちが集う長屋の物語は、江戸時代の庶民の生活を描きながら、人情味あふれるドラマを展開します。お節介や助け合いが織りなす関係は、時に煩わしくもありながら、いざという時には頼りになる...

感想・レビュー・書評

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  • 日本橋本石町にある、通称「やさぐれ長屋」には、様々な事情を抱えた住人が集まっている。

    お節介をやいたり、やかれたり、助けられたり、助けたり。
    貧乏だけど、人情味溢れる物語。

    もっと、読みたかった。

  • 読んでみたら既読だったが、遠い昔のことなので新しい気持ちで読めた。

    長屋の店子たちのあれこれ。
    融通の利かない鉄五郎と出戻り娘のおやす。初対面の印象はあまり良くないのだが、そこから次第に相手が気になってきて…という、まるで恋愛マンガのような展開。

    母親の介護で自分の生活すらままならないおすぎ。同じように老いた母親と共に暮らす喜助は何故かおすぎに言い寄ってくる。
    現代にも通じる介護問題にストーカー事件を混ぜたようなハラハラする展開。

    余所の女の素へ転がり込んだきり帰って来ない夫に腹を立て、こうなりゃ自分もと折しも言い寄って来た男と新たな人生を楽しもうとしたおとき。
    これまた現代にもありそうな虐待事件に繋がりそうな展開。

    など、様々な人生ドラマや人間関係を描いた六編。
    先に書いたように緊張感ある話もあるが、結果的にはホッとするので安心して読める。
    近すぎる長屋の住人たちとの関係は時に煩わしく厭になることもあるが、いざという時はやはりありがたい。
    第四話のネズミが出た話では私もおやす同様ゾッとした。罠に掛けたところでそのネズミを始末するなんて恐ろしくて出来ない。

    どんな噂があろうが実際に付き合ってみなければその人のことなど分からない。逆にどんな人でも魔が差すことはある。やり方を間違えてとんでもないことになることもある。
    それでも日頃の付き合いがあれば助けてくれる。おせっかいでもありがたい。まさしく遠くの親戚より近くの他人。

    最終話の長屋取り壊しの噂のオチは意外だった。しかし大団円。宇江佐さんらしいスパイスもありながら、楽しく読めた。

  • 時代小説ってホッコリするよなぁーと気楽に読めました。
    江戸時代の庶民の生活に入り込めて楽しいです。

    さて、「弥三郎店」という裏長屋に住む人々たちのお話。
    「店」とは江戸時代では「借家」という意味で、物語で「店子」と言われているのは入居者ということ。この話は江戸版『めぞん一刻』といったところですかね。もっと他にいい例があると思うけど。

    鉄五郎が言う「おきゃあがれ」とか、おやすの「はばかり様」とか江戸の言葉がまた楽しい。こういう所で使うんだーと勉強になりました。
    それにしても女性の名前がみんなひらがなだし、全部同じに見える( ; ; )
    これは男尊女卑なところがあるけど、女性の名前に漢字を使うことを歓迎しなかったり、ひらがなしか使えないといった理由があるみたいですね。はー、江戸文化の学び直しになりました。

  •  「~~長屋」というタイトルの本はたいてい面白いですねw。宇江佐真理さん、先日読んだ「夜鳴きめし屋」(2012.3)はとても良かったです。今回読んだ「日本橋本石町 やさぐれ長屋」(2014.2)もとても面白かったです。時の鐘、みそはぎ、青物茹でてお魚焼いて、嫁が君、葺屋町の旦那、店立て騒動の連作6話。鉄五郎・おやす夫婦、六助・おひさ夫婦、この二組が話を盛り上げています。
     日本橋本石町に弥三郎店、通称やさぐれ長屋があります。時の鐘、みそはぎ、青物茹でてお魚焼いて、嫁が君、葺屋町(ふきやちょう)の旦那、店立て騒動の連作6話。味わい深い物語です。大工の鉄五郎と美人妻おやす、駕籠かきの六助とおひさの二組の夫婦が長屋をよくまとめています。また、新しい家主になった藤江夫人が素晴らしいです。宇江佐真理「日本橋本石町(ほんこくちょう) やさぐれ長屋」、2014.2発行、再読。

  • 市井を切り取り、これほど濃密に書くことのできる作家さんをほかに知らない。多くの人がそうであるように、先生の新刊が読めないことが悲しい。

  • 2015/04/06
    面白かった。
    いつもですが、世の中を...というか、1番普段の普通の生活というかをよく表してるなぁと思う。
    身に覚えがあったり年をとるにつけて発生する問題だったり。
    あと、表紙がよい。

  • 弥三郎店に住まうそれぞれの家族のお話。
    ちょっとほろっとしたり、危なっかしかったり、
    胸キュンしたりの安心な宇江佐ワールドでした。

  • そのうちNHKでドラマ化されそうですな。
    安定の面白さ。

  • おっとっと、やさぐれちまう所だったぜ

    人は身勝手自分勝手知りたがり
    な、部分が密に感じる1冊

  • 2024年2月12日
    男と女の棲み分けがはっきりしてたのだな。この時代は。
    今はムッとしてしまう。
    人との関わりが強くて、本音で生き生きと暮らしている。
    お節介で働き者で、気が強くて洒落っ気たっぷり。
    こんな長屋いいなと思う。

  • 日本橋本石町にある、通称”やさぐれ長屋”には、
    様々な事情を抱えた住人が集まっている。
    一本気な職人、早々に出戻った若い娘…。
    お互い、お節介をやきながらも助け合う
    長屋の人々の毎日を描く。

  • 弥三郎長屋、通称「やさぐれ長屋」に住まう人々の貧しくも人間味あふれた温かい生活を描く人情市井短編集。宇江佐さんの本領発揮、一番得意な土俵で堂々の横綱相撲を読ませてくれる。

    基本的に善人しかいないこの長屋、ちょっとしたつまづきや行き違いややりすぎでゴタゴタすることはあっても、日々の生活を一生懸命に良くなるようにと生きる姿勢が美しい。

    今となっては、こんな密接なご近所関係は遠い夢。何しろ家族ですら個人主義な世の中、それが悪いことではないのだが。ちょっと人恋しさを感じた時や孤独に疲れた時に読んでみるといい。懐に掌を入れたような優しい温かさが癒してくれると思うよ。

  • 弥三郎長屋、通称やさぐれ長屋の住人たちにおきる様々な出来事を描いた連作短編集。付かず離れずの距離感で付き合う人々かちょっと羨ましいかな。
    作者らしいいい人過ぎない描き方が心地よい。

  • 「やさぐれ長屋」とあだ名される長屋が舞台の短編連作。現代にも通じる人生の悩み…最後は希望が持てる明るい終わりで爽やかな読了感。

  • 「みそはぎ」は泣けた。母親の本能の愛。

  • 古典?時代もの?てのも良いなぁ・・と思う。

    こちらは?お侍さんや戦のお話でなく、江戸の長屋で暮らす町人達のお話(=´∀`)人(´∀`=)


    登場人物の把握に少し戸惑いましたが、おもろかったです♪(´ε` )

  • 台風19号、日本上陸で、三連休の最後の日なのに、出掛けずに、読書の日と決め、読んでしまったが、やはり、宇江佐真理の作品は、情があって、いいね!

    又、やさぐれ長屋の住人たちが、今の世知辛い時代に無い物を、皆、持っている。
    助け合いの、又、お節介焼きの、おしゃべり好きの、、、皆、生活の苦しいのに、隣近所に、気を配る心の優しさ!
    口が悪いのに、人の苦労が、解る住人達、、、

    うまいね!
    宇江佐真理の小説は、、、
    住人達の連作物語、、、2012年4月から2013年7月の小説現在に掲載されていた物の中から6話が、書かれており、その主人公の女性の名前に、皆、「お」の付く名前を付けているのに、どれも違った雰囲気を醸し出す作者は、読んでいて、ついつい引き込まれて、読み終えてしまう。

    「嫁が君」はネズミの事とは、知らなかった。
    江戸時代でも、やはり、ネズミは、苦手だったのだろうな~と、感じるのと、この時代から、やはり、ネズミは、賢かった事を、祖母からでも聞いたことがあるが、、、ネズミのネと言う言葉だけでも、反応するから、と、なるほど、「嫁が君とは、、、考えた言い方なんだと、思った。

  • 長屋暮らしの店子たちに焦点をあてた連作短編集。

    店子たちの暮らしに起こる出来事は、今の私たちが思い悩むことと、それほど大きな違いがない。その共感できることに一緒に思いをめぐらしたり、ため息ついたり、思い出して憤ったり。
    寄り添い型の時代小説。

  • 裏店の人情話だけじゃなく、近すぎて住みにくいことも多いよね。

  • さすが宇江佐さん。安定の作品。
    長屋の生活が手に取るようわかり、人々の慎ましくもいじらしい生活にほっこりする。良い本でした

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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