逆境エブリデイ

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 123
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188159

作品紹介・あらすじ

〈働く〉ということは競争だ。
 でも〈生きる〉ということは競争か?

震災が起こり、友が収監され、自分も訴訟に敗れ……。
その頃、まぐまぐ創業者の「僕」は何をしていたのか?

――本気の「ポーカーツアー」で世界を転戦していた!

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 僕がポーカーを始めたのは40歳のころ。
 リーマンショックによる自社への投資計画の中止に遭い、先に着手していた設備投資に引き充てるための資金繰りにぐるんぐるんに振り回されていた時期だった。
 そのころ必要だった金は8億円。一斉に中止された投資の総額が15億円。
 もともとパソコン一台からスタートした《ビジネス》がここまでシッチャカメッチャカになったところに元役員からの執拗な訴訟も重なって、前厄の沼に肩まで浸かった日々が続いていた。
 インターネットで無料サービスを提供することで〈誰からも奪うことなく〉発展してきたはずの〈ビジネス〉は、リアルな環境の劇的な変化に対してはあまりに脆く、その脆さはそのまま僕自身の弱点を如実に投影した姿でもあった。
 幸い、8億円はなんとか借入と増資で調達したものの、その時期のぬかるんだ長い経験から得た前向きな能力は特になく、逆に〈会社〉というものが人間に突きつけるいくつもの不自由に直面した結果、無邪気な努力をもう一度はじめることさえ戸惑うようになっていた。
 モノの値段が下がり、地震が起き、日本中からあらゆる労働がケムリのように消え失せていくこの時代、人間が生きていくということはこの先どこまで変わるのか。
 我慢をすることや不良品を出さないことの値打ちが坂道を転がるように下がる中、これから先、俺は何を頑張ればいいんだよ。

 そんな絶望とヤケクソだけを燃料に、僕は友人に勧められるまま、放蕩で貯まったマイルで旅に出た。
(本書「まえがき」より)

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総移動距離96,000キロメートル!
ドイツ、インド、スペイン、韓国、イタリア、フランス、カンボジア、アメリカ縦断、そして横断一人旅。
まぐまぐ創業者大川弘一がフルスピードで駆け抜けた400日間全記録。
旅を愛する人や起業を志す若者へ、決してオススメできない逆境ツアーはこちらです。

感想・レビュー・書評

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  • 「競争相手のほぼいない市場で成功、からの裏切りによる転落を味わった著者は、会社の役員から「戦い方が正直過ぎて丸わかりだ。ズルする奴にどうやってでも勝つ方法を考えて、勝てるようになればいい。最近好きなポーカーはどうか」と勧められる。
    【できるだけアウェイで戦う】というルールのみを自分に課し、アメリカへ。外国を旅しながらポーカーの武者修行が始まる」

    大学中退。会社の評価額300億超。8億の借入。5千万の和解金。最初の20ページ程で、すでに波乱万丈ドラマチック過ぎる人生だ。そこいらの小説よりもフィクションみたい(笑)

    逆境で戦うと決めた著者の唯一の悩みが「旅を終える頃にはとてつもなく強い人になっているに違いない。急にモテたりしたらどうしよう」で驚いた。いやもう十分に強いんじゃない!?(笑)心配するとこもっと他にあるやろ!?(笑)

    自分の成功を自慢するでもなく、裏切りに悲劇のヒロインを気取るでもない。それらは前置きとして簡単に説明され、メインは車で旅をしながら各地のカジノへ行き、挑んだポーカーの勝敗(駆け引き)である。

    その場その場でのルールを説明してくれるので、ポーカーを知らなくても問題なし。「ほんとに来るんかいな」「今それいらんやろ」などの関西弁が親しみやすくて好き。

    アメリカ、韓国、スイス、スペイン、インド。色々な国で勝負し、勝てば「これで食っていけるんじゃないかな。困っちゃうな。どうしようかな」と喜び、負ければ「失恋後のOLのように」泣き戻り、初日にキャンピングカーのシャワーが壊れ、キッチンスペースでベーコンを焼けば7秒で火災報知器がけたたましく鳴り響く。そんな逆境な日々を全力でどんどん走っていく様が愉快痛快な一冊。

  • リズムがとてもいい

  • メルマガサービス「まぐまぐ」をたちあげた筆者がビジネスに困窮したのちハマったポーカー。
    ビジネスの世界での駆け引きに生かすため、世界のカジノでトーナメントに出場する。

    作者はあぶく銭のようにお金を増やしたのちあっという間に失った自分やお金に対してちょっとドライに構えている風でもあり、「働くこと」について持論を語ったりしている。とはいえ、そこでポーカーしちゃうのって結局お金への感覚が…

    トーナメントには修行感があって、それぞれの試合のドキドキ感なども伝わってきて面白い。「深夜特急」の香港編がずっと続くような感じ。

    だけど、いい歳して高速道路で無駄にスピードを出してしまったり、奥さんも子供もいるのにカジノを優先していたり、頭は良さそうだけどあんまり品のない人だなぁと。本を読むぶんには面白かったけど、人としてはあんまり好きになれないだろうなー。

  • 2014.02.13 成毛氏のツイートで見つける。

  • 堀江貴文メルマガ 2016/08/22でオススメされてた、まぐまぐ創業者の話。訴訟、訴訟に疲れた心を引きずって、「できるだけアウェイで戦う」というルールのみを己に課し、世界各地へポーカー旅。調子に乗って突っ込んで負けてとほほとなったり、粘りに粘って賞金を手に入れたり、カンボジアの田舎道をボロいバイクで疾走したり。最後の、つづく、に期待したいところ。/「ズルじゃなくて、ズルする奴を非難して負けるくらいなら、ズルする奴にどうやってでも勝つ方法を真剣に考えて勝つほうがずっといいとおもうんです。特に僕らみたいなベンチャーは」p.22/仕事もモノも選びまくれる世の中で、なんとなくそれらを選んできた<普通の人>が、ある日突然<働き手>として選ばれなくなった時、人はどこまで時間を遡れば、そんな未来から逃れられるのか p.61/誰にも邪魔されない永遠を感じ、恍惚の対価を求められることもなく延命も終演も完璧な因果となって訪れる。ここまで残った俺たちは、ほかの誰よりもその時間を味わうことが許された者なんだ。p.221/どこの国で今何をしていようと、生きているうちに自由に気づき、生きているうちに明日生きる場所を選べたら。少しだけ離れた場所にある別の生き方に気がついて、なんとなく続けてきたことをやめることができたなら。この世界はなんと美しく、なんて輝いて見えるんだ。p253/

  • お間白くやませてもらいました。
    井川さんの 『溶ける』と通じるものがあるのかとも思ったんですが 違いましたね。

  • まぐまぐのコイチさんが書いているが、ビジネス書ではなく、ポーカー放浪記とでもいう一冊。
    語り口がユニークで一気読みしてしまいました。

  • 著者は、メルマガのまぐまぐの創設者。あれよあれよという間に上場して、裁判され、お金ということを考えた結果、旅にでてポーカーをすることに(詳しくは本書を読んでください)。世界各地を巡り、ポーカーをしながら、人生を、お金を、その関係を考える。ポーカーに詳しくなくても、ちゃんと解説しているので、大丈夫。流れるような文体で気軽に読め、仕事とお金を考えられる良書。

  • ☆14年2月21日のゲスト紹介本☆

    メールマガジン「まぐまぐ」を設立した起業家であり、名うてのポーカープレイヤーでもある著者が、
    自身の会社の元幹部に訴訟を起こされ、およそ5000万円という大金を支払うこととなり、失意のなかで心機一転を期して世界各国ポーカーの旅にでるところからこのお話は始まる。

    何度も音読をして推敲を重ねたという文章は心地良いリズムで読みやすく、またたっぷりのユーモアもあって非常にキャッチーな印象を受ける。

    ところが視点を変えて読んでみると、
    著者一流の起業家マインド、経営者マインドが話のそこここから学び取れる内容になっていることにも気づく。

    キャッチーで軽いように見えて、その実様々な意図と計算が織り込まれた、意外に深い一冊です。


    紹介者:辻山さん
    Written by:Tatsumi

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著者プロフィール

大川弘一
1970年8月12日生まれ、慶應義塾志木高校卒、慶應義塾大学商学部中退。
大学を中退後、酒販コンサルチェーンKLCに在籍し、1995年に独立。
1997年に株式会社まぐまぐを設立後、無料メルマガと有料メルマガの配信事業を行い、現在のユーザー数は1300万人を超える。
1999年に設立した子会社は、設立から364日の日本最短記録でナスダックジャパンに上場したが、その際手にした資産も日本最短記録で見失う。
APPT5韓国大会27位、APTカンボジア大会14位。

「2014年 『逆境エブリデイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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