御命授天纏佐左目谷行

著者 :
  • 講談社
3.24
  • (3)
  • (8)
  • (23)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 168
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188180

作品紹介・あらすじ

摩訶不思議な「異界ツアー」へようこそ! 斬新な言語感覚が弾けるユーモラスで不思議な「現代版・御伽草紙」を、画・ヒグチユウコとの夢のコラボレーションで贈る一冊。
太平の世。猫の君子たる夜見闇(よみやみ)君の屋敷に居候する「私」は、主君の命を受け、御蚕の繭玉・終日(ひねもす)君のお供として佐左目谷君を訪ねる旅に出る――。動物植物昆虫にこの世あの世が入り乱れる珍妙な道中を、リズミカルな擬古文調でユーモラスに描き、読者を摩訶不思議な世界へと誘い込む表題作ほか、「行方」「かげろう草紙」の全3篇を収録。詩集『びるま』で中原中也賞を受賞、2012年には小説『螺法四千年記』で第34回野間文芸新人賞を受賞した注目作家、日和聡子による最新小説集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図書館で、タイトルが読めず気になる。
    手に取ったら、装丁がヒグチユウコさんじゃないですか!借りる!!
    というわけで、あらすじも評判も作者さんも全く知らないまま読んだ一冊。

    三編の短編集ですが、どれも独特の文体、表現の仕方にくらくらしながら怪しい世界へ連れていかれます。そもそも登場人物が人間でなかったり。

    猫の夜見闇(よみやみ)君の屋敷に居候する私は、主君の命を受け、蚕の繭、終日(ひねもす)君のお供として佐左目谷君を訪ねる旅に出る。無事に彼ら(?)は辿りつけるのか。

    最初は不思議なこと、分からないことばかりで、迷子になってしまう。途中で慣れて道を見つけて、あ、こっちだとずんずん行ったら道が途中でなくなった、というような終わり。
    呆気にとられるもそれが余韻を残して良い気分。
    これもお正月に読んで良かった一冊。

  • 日和さん2冊目、火の旅とは打って変わりのっけからPOPな擬古文炸裂!読みにくい筈がどんどんページが進み面白くて仕方なし…全くもってえらい人が出て来たものである。
    三つのお話の繋がりは冥府か?書くことを赦された作家のみが奏でられるリズムがなんとも心地よい。
    夜見闇君のお使いを微笑ましくも全うする猫君は我が道を進んだ、影に誘われた少女は闇に堕ちた、そして魍魎の如きに摘まれた草双紙売りは全弾装填ロシアンルーレット状態の八方塞がりに顔色を無くす。
    曖昧な日本語を縦横無尽に操りこんなシュールな紡ぐ作家を紹介してくれた小川洋子さんに感謝です

  • 装丁がとても素敵な不思議な物語。
    難しい漢字がずらっと並べられているかと思えば、急に横文字が飛び込んで来たり、とてもユニーク。
    上品な蚕、不思議な海辺の漁師小屋、縁日の草双紙屋が出会ったお面屋。
    空想の世界に心を飛ばすのは楽しい

  • 独特な世界観。

    言い回しが近代の作品みたいで斬新。

    梨木さんの『家守綺譚』と長野さんの『あめふらし』とかを連想させる。

  • 結論があいまいで、う~ん・・・と、なんだか鬱憤がたまるが、独特の世界が面白かった。あと、1文が長いのにすらすら読めるのが不思議

  • 装丁がステキすぎてジャケ買い。ヒグチユウコさんの装画で、本作りのルポを書いていた名久井直子さんの装丁。カバーを取った中身がまた素敵。お話は短編が3つ納められていて、どれも摩訶不思議な内容でした。

  • 先ず「螺法四千年記」から読もう。。。

    講談社のPR
    「摩訶不思議な「異界ツアー」へようこそ! 斬新な言語感覚が弾けるユーモラスで不思議な「現代版・御伽草紙」を、画・ヒグチユウコとの夢のコラボレーションで贈る一冊。
    太平の世。猫の君子たる夜見闇(よみやみ)君の屋敷に居候する「私」は、主君の命を受け、御蚕の繭玉・終日(ひねもす)君のお供として佐左目谷君を訪ねる旅に出る――。動物植物昆虫にこの世あの世が入り乱れる珍妙な道中を、リズミカルな擬古文調でユーモラスに描き、読者を摩訶不思議な世界へと誘い込む表題作ほか、「行方」「かげろう草紙」の全3篇を収録。詩集『びるま』で中原中也賞を受賞、2012年には小説『螺法四千年記』で第34回野間文芸新人賞を受賞した注目作家、日和聡子による最新小説集。」

  • 3つの短編からなる1冊。古文調が多用され、どれも奇想天外な物語。

    現実味がない展開にわくわくする。
    異世界にトリップした気分になれる。

    装画はヒグチユウコによるものである。装画のシュールレアリスムと内容の世界観が合致していて、この本にしてこの装画といった感じ。

    これまで読書に実利的な意義を求めていたが、そうでない本にはそれなりの魅力があると、この本を読んで思った。


  • 猫の君子・夜見闇君(よみやみくん)の家に居候している「私」は、夜見闇君に頼まれて御蚕の繭玉・終日君(ひねもすくん)を友人の佐左目谷君(ささめがやつくん)のところへ送り届けることになる。

    夜見闇君は猫、終日君は蚕と明記されているが、「私」が何者なのかはわからない(たぶん猫?)終盤で「縞國夜須土岐(しまくにのやすとき)」と名乗るけれど、何か神様の名前的なものなのか、縞模様の猫的なことなのか結局わからなかった。まあそういうことは追及しなくてもいいのだろう。

    擬古文調、独特の擬音語や擬態語が面白く、ふわふわした異世界感はあったけれど、全体的に文体がどうもそこはかとない関西弁が混じるせいか、主人公の自問自答ぶりなども含め、町田康風なのが気になった。ラストは明らかに三途の川で奪衣婆なのだけど、そういう「すじがき」にあまり意味を求めず、ただ成り行きを楽しむだけのほうが良いのかもしれない。深読みしたいタイプの私は若干モヤモヤ。

    表題作より、ほかの収録作品のほうが面白かった。というか、わかりやすかった。「行方」は影を追って海辺の漁師小屋に辿り着いた少女がそこで自分自身のことを書いたと思われる本をみつける。夢の中風の不条理展開で細かい説明はされないが、これはこれで夢なら仕方ないとわりきれるというか、死んでると気づかずに死ぬ前に辿り着く場所はこんな感じだろうなとか、それなりに自分で納得のいく解答をこじつけることもできる。

    「かげろう草紙」は、縁日の境内で自作の草双紙を売っている深谷弥(みたにや)という男が、草紙を全部買ってくれた御面屋の男の払ったお金が枯葉であることに気づき追いかけるも、御面屋で悪夢に囚われる。となりの輪投げ屋で歌われる閻浮提、須弥山などの仏教的なワードから、これもまた日常のすぐそばに隣接する死後の世界との境界越えの話と思われる。世界観に馴染んでしまえばかなり好みのジャンル。そしてヒグチユウコの表紙絵と挿画がとても良い。

    ※収録
    御命授天纏佐左目谷行/行方/かげろう草紙

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

日和 聡子(ひわ・さとこ)詩人、作家。 1974年、島根県生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業。2002年、『びるま』(私家版、のち青土社)で第7回中原中也賞受賞。2012年『螺法四千年記』で第34回野間文芸新人賞を受賞。他の著書に『御命授天纏佐左目谷行』などがある。

「2015年 『[現代版]絵本 御伽草子 うらしま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

日和聡子の作品

御命授天纏佐左目谷行を本棚に登録しているひと

ツイートする