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Amazon.co.jp ・本 (178ページ) / ISBN・EAN: 9784062188197
作品紹介・あらすじ
「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原をともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?
失踪した男の行方を、当の男本人が追う──。
読むものを混乱と肩すかしに陥れるカルト作家の真骨頂。古栗ワールド全開の小説集。
「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原とともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?
みんなの感想まとめ
失踪した男の行方を追う物語は、予測不可能な展開と独特の文体で読者を引き込みます。思いつきのように進むストーリーは、驚きや混乱をもたらし、まるで女子のトークを聞いているかのような感覚を与えます。特に『T...
感想・レビュー・書評
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大変賛否ありそうな本。多分ソローキンの某作を下敷きにされていると思うのだが、漂って充満するのは紛い物な筒井康隆の匂い。筒井を読めばいいじゃんって人もいるであろうし、いいぞもっとやれとよだれを垂らす人もいるだろうし、金払ったんだから殴らせろと怒る読者もいるだろう
「Tシャツ」という作品が入っている。この作品を読めたというだけで僕は満足している。
読めばきっと、まち子という名前が脳裏に焼き付けられる
僕はこの本を読む。僕はこの本を捲る。僕は文字を追いかける。僕は喉が渇く。僕は立つ。僕は冷蔵庫へ向かう。僕は冷蔵庫を開ける。僕は中を覗く。僕はビールを探す。僕は酒がないと気付く。僕はソファーへ戻る。僕はこの本を読む。僕はこの本を捲る。僕は文字を追いかける。僕は喉が渇く。僕は立つ。僕は冷蔵庫へ向かう。僕は冷凍室を開ける。僕は氷を出す。僕は棚からTHERMOSカップを出す。僕は氷を入れる。僕はチューハイを作る事にする。僕はウィルキンソンで割る。僕はレモンを切ろうとする。僕は包丁を出す。僕はレモンを半分にする。僕は絞る。僕はご満悦になる。僕はコップを持ってソファーへ戻る。すると声をかけられる
レモン、明日使うんだけど という本だ(謎)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ポストモダンと悪ふざけは区別がつかない。
いや、ポストモダンって悪ふざけなのかもしれない。
「第三の警官」(http://booklog.jp/item/1/4560071888)「V」(http://booklog.jp/item/1/4105372076)(トカゲがでないほうね)も悪ふざけだし・・・。
電子書籍の千円分の無料チケットがあったので、名前がひっかかってた木下古栗(ふるくり)の最新刊を読んだわけだが、これがプロットもなにもなく、ころがるだけの即興詩のような勢いで、ぎりぎりセーフなところに位置する「危ない」小説で、面白い、面白くないという次元でなく、あれ?なんでこんなの読んでいるんだろう、しかもスマホで、指先をスライドさせながら?、と電車の中でふと降り過ごして、まあ、次の駅で降りればいいや、と思うと、その駅のホームが改札を出なきゃ、反対側のホームに行けず、駅員に「木下古栗を読んでて降りそこないました」と正直には言わず、「すみません、ちょっと・・・・」とごにょぎょとごまかすと、駅員は興味なさそうに改札を通してくれて、え?地上にでなきゃいけないの、と階段を上ると、あーこの風景観たことある、車でよく通る場所だと、パッと東京の地図がつながった気がして、ちょっとうれしくなったのも、古栗さんのおかげ、と思う1月の東京。
どこにつながるかわからない不安になる古栗の小説がきっとポストモダンとつながっているような気がする。
もしかいしら、すごい作家なのかもしれない、と眉に唾をつけながら思う。 -
じわじわ名前を聞いていながらも、なかなか手に取る機会がなかったので、この際、勢いで読んでみた。それにしてもタイトル上手すぎ。どんなシチュエーションなのかわくわくしてしまう。
表題作を含む中編3編。それぞれの書き出しから速球ぎみの変化球なので、「おっ?」と読み進むと、ストーリー構成とかまるで考えてなくて、単に思いつきだけで進行させてるんじゃないかと思うくらいに、進行が一筋縄ではいかない。「ええっ、そこ行きますかあっ?」という進行の転換が、なにしろ素っ頓狂で素晴らしい。ぽんぽん話題が飛ぶ女子のトークを聞いている感じというか、ジャンピングロジックで、メインの話題がどんどんすり替わっていく。
『IT業界 心の闇』は、心の闇どころの話じゃない、闇鍋ぎみの驚愕の進行と結末でびっくりするのだが、個人的には『Tシャツ』が好み。ふらりと来日した怪しいアメリカ人と周囲の人々の交流が、哀愁とハートウォーミング感を漂わせるかと思えば、なんだこれ。まち子さんの数ページにわたるご乱行っぷりが素晴らしく、なんか宇宙の真理に力ずくで持っていく感じもワンダホーである。表題作の『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』は、意外と技巧的で、「これがメタフィクションというやつか」というのが、わりと素直にわかる(自分がつい最近つかんだだけかもしれないけど)。タイトルの台詞が効いてくるタイミングと、意外な社会正義感に持っていくところが、「へ?」と思いつつ、なんとなく納得するような気もするし。
この「へ?」という展開で引っぱられる感じは、よく考えたら、円城塔さんの『後藤さんのこと』を読んでる感じに似ている。たぶん、小説には、メインストーリーや伏線といった道具立てを楽しむものと、文体を楽しむものがあるんだと思う。テキスタイルでいえば、織り出される模様の美しさを楽しむか、織りの技巧そのものを楽しむかの区別みたいな。この本は明らかに後者。筒井康隆さんの『ダンシング・ヴァニティ』や、松田青子さんの『スタッキング可能』がお好きなかたは、楽しめるんじゃないかと思う。作品に振り回されて、最後に「なんじゃこりゃあ」と半笑いでつぶやきたいかたには、熱烈におすすめいたします。 -
デイリーポータル某でオススメされてるのを見て読んでみたが。。。読んでいて苦痛を感じるのは自分の感性が鈍いからなのか?どうしてもストーリーや文章の整合性を追ってしまう。このような常識を破壊する意図を持って書かれた、かつてのパンクロック的な小説なのだろうか?理解するためにネットで解説を読みたいと思ったが、常識的に理解しようと思う事自体が著者の意図に反する事なんだろう。
正直自分には合わず、この本の著者の作品を読む事は二度とないと思うが、文学の懐の深さを感じられた意味では良い読書体験だった。 -
「Tシャツ」がすごかった!ト書きみたいな文体で、これ小説というよりコントの脚本?と思って読んでいたら、まち子のくだり…。舞城の「真夜中のブラブラ蜂」の主人公はひたすらまっすぐ突き進んであの場所に到達したけど、命を持て余して動き続けているところは、まち子や長岡夫人も変わらないと思う。ただ、あのふたりは右往左往してばかりでいっこうに前に進めない…この感じはまったく他人事ではなかった。表題作、最高に面白かったときのごっつうええ感じ、ダウンタウンを思い出して、ちょっとさびしくなったよ(喪失感)。そして、米原の死にざまが意外にも清々しくてなぜか読後感が爽やかなのだが。
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考えるな、感じろの世界。頭を空っぽにして読むのが正解なのだと思う。文章の意味を考え出したら先へ進めなくなる。自分の感性にははまらず読み進めるのが困難だったが唯一無二と言っていいほど尖った実験的な文章、文学的価値のある一冊ではないか。
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表題作を含む3篇の短編小説集。「金を払うから〜〜」は自らが消息不明になったとして同僚とともに自らを探しにいくというシュールな展開。「Tシャツ」はTシャツそのものにはストーリーに何も影響を与えないが、様々なシーンに現れるTシャツが気になってしまう不思議な魅力。
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やばい…この人はやばい……小説を読んで「やばい」しか感想がない、ってなかなかないことだけど、しかしやばい。
前から「頭のおかしそうな人いるな」と思って気にはなっていたのですが、やっと読みました。結果、樋口毅宏からかっこよさを抜いたかんじというか。舞城王太郎からさわやかさを抜いたかんじというか。会田誠の再来というか(まだ生きてます)。
まちがいなく馬鹿なんだけど、これこそが文学かも。とかいって違うかも。ただ、すごいくだらないことを書いてるのに上品なかんじがするのが見どころかなと思う。
友達が「こんなの書いた」と言ってもしこれを持ってきたなら「うん、いつか大物になる気がする!でもちょっと、店におけるかどうかは…店長にきいてみないと…ちょっと場所がないかも…ちょっと今忙しいから…」って逃げたくなるような、でも友情を誇りたいような、捨てたいような、でも次の日なんか気になってゴミ箱から拾っちゃうような作品。
いや、面白かったです。 -
全国の書店員を苦笑させた「本屋大将」作家・木下古栗、その新刊。
今作も全く人間性を感じさせない淡々とした描写を駆使して、IT社会に潜む闇、薄れ行く人々の繋がり、そして消費税増税という現代日本が直面する社会問題に、ギンギンに研ぎ澄まされた言葉のナイフでズカズカと斬り込んでくる。しかし斬り込むだけ斬り込んで切りっぱなしなので、こちらの傷口はもう、膿んで爛れてグッチャグチャである。
前作から2年半、待った甲斐があったというもの。と言うか、早く全集とか出してくれ。消費税10%でも買うから(多分)。 -
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饒舌でめくるめく作品世界の毛布を纏える文体かと思えば、ジャン=リュック・ゴダールの編み出した「ジャンプカット」の手法を取り入れたかのような『Tシャツ』まで。読者は著者が描く物語の眩しすぎるほど荒々しく輝く断片を両の目に叩きつけられるように提示され、軽い盲状態に陥るかのよう。しかし目が慣れてきた後に眼前に広がる作品世界に驚きと喜びを持って受け入れるのだ。
著者の持ち味である不条理な設定と現実の世界とは、もうあまり差異がないように思えてくる。木下古栗が作り出した世界の裂け目はすぐそこにあり、もはや我々読者は裂け目から向こう側へ移住している。救いようのない茫漠たる荒野が広がっていようとも、この本のこんな一文が乾いた希望を持たせてくれる。
「どう生きたって結局は苦しいことしか残らない世の中、たとえ束の間の夢であれ、こんなに気持ちのいいことがある。これがあればどうにか絶望をごまかしごまかし、余生を全うできそうだ。」
まだまだ木下古栗とは切っても切れそうにない生活が続きそうだ。 -
でたらめな文章がノンストップで押し寄せてくる体験だった。なんだったんだこれは。熱がある日に見る悪夢のような文章を浴び続けて、時に「なんでだよ」とゲラゲラ笑ってしまう。真面目に物語を読もうとするのはおすすめしない。かといって誰におすすめできるのかといえば、そうおすすめするような本でもない。俺たちが空回りをさせられる本だった。
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終わりはいいけどすごい時間かかった
IT業界 心の闇、Tシャツ、金を払うから素手で殴らせてくれないか? -
広島に初雪降ったそうですw
ってな事で、木下古栗の『金を払うから素手で殴らせてくれないか?』
■ IT業界 心の闇
■ Tシャツ
■金を払うから素手で殴らせてくれないか?
の三部作短編集。
どの作品も金を払わないけど殴らせてくれって言いたくなる様な話じゃった…。
わしには合わんかったw
2015年69冊目 -
「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。
失踪した男をその本人が探しに行く、社長の浮気相手になりすまして謝罪する、新しい挑戦を求めて国内外をかけまわる……
人を食ったようなストーリーに独特な言葉遣い、意外というより突飛な結末。呆気にとられて笑わずにはいられない。筒井康隆ファンにも刺さりそう。 -
これが文学的な価値があるものかどうか自分にはよく分からないけど、笑っちゃう。たまにはこういう読書も必要
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わかろうとしなくてよい、という意味で、大変読みやすい。
考えさせられる読書に疲れた時におすすめしたい。
脈絡がないので文章に改行がなく、ページにみっちりと文字が並ぶ。強烈な内容の割に、読み終わったあとに何も残らない。私は一体何を読んだのだろう?
執筆にあたり推敲はあったのかと疑わしいし(もちろん推敲されてると思います。思いつくまま吐き出してるかのような書き方、という意味で)、それなりに下品な単語やぶっきらぼうな展開で構成されているので、苦手な部類に入りそうだけども素直に受け入れられたのは、作品の良さなのか私の懐がふかくなったのか笑
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Twitter文学賞受賞作ってことで。中編×3編収載。最後に表題作なんだけど、最初の2編はあまりピンとこず。①は、結局男っていうどんでん返しがなんだか受け入れ難かったし、②は、最後の怒涛の繰り返し部分は圧巻とはいえ、意図的に読みづらく書かれた文体から受けるネガティブ印象の方が個人的には勝った。でも、①と②の良いとこどりみたいな表題作は秀逸だった。あ、ひょっとしたら①、②は、だんだんと慣れさせるための策略だったか?としたらまんまと引っかかっちゃいました。
著者プロフィール
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