LIFE

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 72
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188296

作品紹介・あらすじ

猫木豊、31歳。脳内で「365日毎日“だらだら且ぶらぶら”できる国の王」として暮らす、ダメ男。ある日、パートナーの宝田から妊娠を告げられ、“だらだら且ぶらぶら”に未練を残しつつ、現実の生活と向き合い始める。しかし出産後、こどもの先天的障害が判明し、宝田は動揺を隠せない。いっぽう猫木は、ダメ男のくせにそんな宝田への不満を隠せない――。二人は互いに見当違いの三くだり半をつきつけ合うのだった
 本作は「命の誕生」を前に若い男女が直面する〈人生の苦難と歓び〉を描く感動作です。た・だ・し、本作は、いわゆるふつうの感動作ではありません。感傷からは遠い、思わず声を出して笑ってしまうユニーク且ユーモラスな文体こそが、読後の感動を引き出しているからです。とにかく面白い小説です。文学の世界に誕生した、この新しい才能に、ぜひご注目ください!
(※他に、「東京五輪」「西暦二〇一一」を収録。装丁/100%ORANGE)

感想・レビュー・書評

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  • 短編小説三作がおさめられた本です。ひとつ目は父性の誕生、二つ目はあこがれ、三つ目は故郷を表しているように思います。
    文学的な表現は美しいと思います。想像力が掻き立てられ、一つ目はふわりとした気分になるし、二つ目はすーんと冷えた恐ろしさを感じるし、最後の作品は人のルーツを思い起こさせるような内容。
    説明が少ないので難しいかも。

  • 猫木宝田カップルのまさかの続編!
    しかし猫木、大学時代からダメ度が各段にアップしていた。相変わらずのちぐはぐ感。「廃車」は好きで何回も読んだなー。「西暦2011」はロマン。

  • 芥川賞候補作ということで手に取った。主人公がいきなり国王になりきって王国民として演説する妄想から始まる。それに比べ、実世界ではバイトも一人前にできず、なのに子供をつくってしまうダメ男。男の女との会話のやりとりのそっけなさは読者の苛立ちを煽る漢字。確かに人間上手くいかないと主人公のような態度で人と接していちいち相手の言動に不満を感じるものだが、それにしてもこんな会話のやり様でなんで家庭を築くところまで行ったのか、説明不足をこの作品に感じる。女もどこか真剣な面を覗かせるような瞬間もあるがそれでもバカっぽい。最終局面で赤ちゃんがダウン症で生まれてしまい、それに対して二人は途方に暮れる。主人公の妄想内でも誕生の瞬間に合わせて徐々に自分の退位と息子への王位継承の描写があるのだが、その妄想と実世界のダウン症の赤ちゃんの誕生のリンクのさせ方が弱い。自覚のない自立、あるいは父性の目覚めのようなものを淡々とダメ男なりの言い回し、方法で描いたのだろうが、それにしても熱量のない覚めた自覚というのは読んでも面白くない。

  • う〜ん、何というか…
    面白くもなく、感動的でもなく、教訓的でもなく、腹が立つ訳でもなく。
    多分3日後には全て忘れてそうな内容だというのが読後感。

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著者プロフィール

1982 年生まれ。小説家、臨床家。大東文化大学中退、宇都宮大学卒業、一橋大学大学院言語社会研究科修了。東洋鍼灸専門学校卒業( 鍼灸あん摩マッサージ指圧科) 中国・北京中医薬大学短期研修、都内の治療院数ヶ所での勤務・研修を経て2018 年より豊泉堂を開院。小説家としては2008 年「廃車」で文学界新人賞受賞、2009 年「よもぎ学園高等学校蹴球部」で第141 回芥川賞候補、2013 年「LIFE」で第
150 回芥川賞候補、2016 年「ホモサピエンスの瞬間」で第154 回芥川賞候補。『LIFE』( 講談社) では野間文芸新人賞を受賞。著書に、『本を気持ちよく読めるからだになるための本』(晶文社)、『カルチャーセンター』『そこまでして覚えるようなコトバだっただろうか?』(書誌侃侃房)など。

「2024年 『背中は語っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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