なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白

著者 : 東小雪
  • 講談社 (2014年6月3日発売)
3.50
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  • 23レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188326

作品紹介

2010年、芸名と自身がレズビアンであることをカミングアウトし、2013年には東京ディズニーリゾートで、初の同性カップルによる結婚式を挙げ話題になった、元タカラジェンヌの著者による渾身の書き下ろし作品。本書を書いた動機を知っていただくために、まずは「まえがき」をお読みください。

――私は実の父から性虐待を受けて育った。
そのことをこうして告白するには、長い時間が必要だった。
記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間……。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間……。
それでも私は、私が受けたすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。
自分の被害体験を思い出し、性虐待について学んでいくにつれ、近親者による性虐待は、私が想像するよりもずっと多いということを知った。けれど世間は、それを「なかったこと」にしたいのか、その実態にふたをしたままにしている。そんな現状を知ればしるほど、「暴力」と「否認」はとても密接な関係にあると実感するようになった。
私は、今の日本に生きる、レズビアンの女性だ。
そして、実父による性虐待から生きのび、立ち上がろうとするサバイバーだ。
どちらも、今の社会では生きづらい存在なのだろう。だけど私は、私でいることをやめられない。私は、私自身を「なかったこと」にはできない。
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランズジェンダー)の人や、性虐待の被害を受けている人が、何に苦しんでいるのか、何が不安なのか、書くべきことはたくさんあるような気がする。でも私は、レズビアンの代表でも、サバイバーの代表でもない。私にできることは、私の体験を私の言葉で伝えることだけだ。
この本には、幼い日にお風呂場で奪われた「私の生きる力」を取り戻すために書いたものという側面があるだろう。本を書くことが、私の回復のプロセスのたいせつな一部になるのかもしれない。けれども、それだけでなく、もし私のこの告白が、生きづらさを抱えるだれかの胸に届いたとしたら、それは著者としてとてもうれしいことだ。そんな祈りを込めて、私が生きてきたこれまでのことを書いてみたい。――

この世の中がだれにとっても生きやすいものになるための一助に、本書がなればと願っています。

なかったことにしたくない 実父から性虐待を受けた私の告白の感想・レビュー・書評

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  • ~内容~
    私は実の父から性虐待を受けて育った。
    そのことをこうして告白するには、
    長い時間が必要だった。
    記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間……。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間……。
    それでも私は、私が受けたすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。
    自分の被害体験を思い出し、性虐待について学んでいくにつれ、近親者による性虐待は、私が想像するよりもずっと多いということを知った。けれど世間は、それを「なかったこと」にしたいのか、その実態にふたをしたままにしている。そんな現状を知ればしるほど、「暴力」と「否認」はとても密接な関係にあると実感するようになった。

    この本には、幼い日にお風呂場で奪われた「私の生きる力」を取り戻すために書いたものという側面があるだろう。本を書くことが、私の回復のプロセスのたいせつな一部になるのかもしれない。けれども、それだけでなくもし私のこの告白が、生きづらさを抱えるだれかの胸に届いたとしたら、それは著者としてとてもうれしいことだ。そんな祈りを込めて、私が生きてきたこれまでのことを書いてみたい。

    ~*~*~
    この本は、東さんの正直な気持ちが綴ってあり
    好感が持てた
    どちらかというと辿ってきた道のり、幼少時代、
    宝塚時代 薬漬けでODしていた時代
    セクシャルマイノリティについてなど 広く書いてある

    性虐待に焦点をあてた本なのかと思っていた私には
    正直にいえば 物足りなかった

    5章からなるうちの4章のみ

    もしも 当事者であれば お風呂場というのは
    思い当たるふしがあるだろうし
    否認したい気持ちや自分に対して思う気持ちなどは
    ・・・共感が出来るのではないかと思う。

    だからこそ、書く方は大変だと思うけど
    もう少し踏み込んだ領域
    記憶が挙がってきたときのぶれ 気持ちの揺れ幅
    辿ってきた恢復への道・・・が読みたかった


    カウンセラーの元 母親に事実を告げた場面
    「さもありなん」と父の虐待を認めたはずなのに

    帰りの電車から、母親のFBの書き込みを見た時の
    ショック
    「・・・疲れました。いつか笑って、今日のできごとを
    話せる日が来ますように」
    母は 私の苦しみを
    まったく苦しみを理解していなかった
    私の性虐待は、笑って話せるようなことではないの。
    私の苦しみ、私の地獄そのものなの。

    似たような体験がある方には心が揺さぶられるのではないかと思った

    私は、あとがきの心情が とてもよかった

  • TVで見る小雪さんはキラキラしていて、さすが元タカラジェンヌだなという印象でしたが、その裏でこんなにも壮絶な過去があったのか(今も戦っている)と衝撃的でした。周りのバックアップもあったとおもいますが、やはり小雪さんにはどんな困難があっても、それをバネにして行動に変える芯の強さがある女性だと感じました。

  • 以前、東小雪さんとひろこさんの同性結婚までを描いたマンガを読んだことがあったので読んでみました。

    東さんが宝塚歌劇団時代の厳しい練習や生活を描いた章とひろ子さんと結婚するまで、そして父親と母親との家族との関係を描いています。

    つらい経験を乗り切るのは本当に大変なパワーが必要だと思います。
    でもこの本で自分自身の体験を訴えることで多くの人が力をもらったのではないでしょうか。

  • とても内容にボリュームがあって、それでもやっぱり「なかったことにしたくない」が全てを語る。

  • 音楽学校に関する記述は衝撃的。予科生のとき被害者でも、本科になれば皆、加害者になってしまうのか…。

  • 元タカラジェンヌでLGBT活動家の東小雪さんの本
    「なかったことにしたくない」を読みました。

    こんな本があるよ、とヅカ友が教えてくれました。

    実父からの性的虐待と
    自身のLGBT(レズ・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダーの総称)をカミングアウト。

    ショッキングな内容です。

    幼いころから 著者に生理が訪れるまで
    子供を守ってくれるべきはずの実父から受けた性的虐待。

    彼女自身も、彼女の母や祖母も
    それを、無かった事にして生きてきたのです。

    自分が一番安心できるはずの家庭で行われ、
    他の家族も誰も助けてくれず
    一番安全なはずの家庭でこのような事が行われてたなんて…
    気の毒でなりません。

    自分の居場所がなくなる、両親から見捨てられたくない
    さまざまな思いが 助けてと声をあげることを諦めさせ
    著者は、辛い過去を封印してしまったのでした。

    大人になってから 
    カウンセリングを受けてその過去への重い扉を開き
    苦しいけれど 忌まわしい思い出と向き合って
    ようやく乗り越えることができたのです。


    以前 テレビで、つらい体験を封印したら、乗り越えることはできない。
    苦しみと向き合って 受け入れて初めて乗り越えられる、
    というようなことを言ってました。

    彼女が、事実を本にまとめることで 
    ようやく自分の過去を受け入れ乗り越えられたのだと、思いました。

    これからの人生は、自分らしく生き、幸せになって欲しいです!

  • 人から薦められて読了。自分が知らない苦しみやしんどい世界があるのだと教えてもらった。サブタイトルにある性虐待以外も苦しみがあり、壮絶で綴るのはきついと思うのだけど、誠実に向き合う覚悟を感じる。性に関する3つの物差しはなるほどと。この渦の中のいろいろな場所にいるのか。

  • 元タカラジェンヌやディズニーランドでの同性結婚式を挙げた事で有名なレスビアンの東小雪さんの著書。幸せそうな東さんがまさか、実父からの性的虐待や宝塚での苦悩などが語られるとは思ってもいなかったため、衝撃を隠せなかったというのが本音である。私自身も実父から虐待(暴言と暴力など)を受けてたため、読み進めるうちにフラッシュバックをしてしまいきつかったが目を背ける事は出来なかった。いつも思うがもっと、セクシュアルマイノリティに対して理解が深まればと思う。

  • いろいろ大変…
    頑張って、って思うけど
    頑張れる人だとも思う
    前にみたディズニーで式挙げてたレズビアンカップルこの人だったんだね‼︎
    綺麗で素敵だった✨

  • 三葛館一般 916||HI

    レズビアンである著者が実の父親から受けた性虐待の告白。
    自分の家庭や家族のこと、宝塚歌劇団に入団していたころのこと、薬物依存、そして父から受けた辛い出来事。性虐待の告白をするまでには長い時間が必要であったと著者は書いています。さまざまな葛藤を超えた勇気ある一冊です。
                                  (ゆず)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=79241

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