- 講談社 (2014年6月3日発売)
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感想 : 33件
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Amazon.co.jp ・本 (226ページ) / ISBN・EAN: 9784062188326
作品紹介・あらすじ
2010年、芸名と自身がレズビアンであることをカミングアウトし、2013年には東京ディズニーリゾートで、初の同性カップルによる結婚式を挙げ話題になった、元タカラジェンヌの著者による渾身の書き下ろし作品。実父から性虐待を受けていたという事実を初めて明らかにすることで、この世の中がだれにとっても生きやすいものになるための一助に、本書がなればと願っています。
2010年、芸名と自身がレズビアンであることをカミングアウトし、2013年には東京ディズニーリゾートで、初の同性カップルによる結婚式を挙げ話題になった、元タカラジェンヌの著者による渾身の書き下ろし作品。本書を書いた動機を知っていただくために、まずは「まえがき」をお読みください。
――私は実の父から性虐待を受けて育った。
そのことをこうして告白するには、長い時間が必要だった。
記憶が意識から切り離され、自分の被害を思い出せなかった時間……。つらすぎる記憶に、恐れ、とまどい、逃げ回り、葛藤した時間……。
それでも私は、私が受けたすさまじい暴力を「なかったこと」にはできなかった。
自分の被害体験を思い出し、性虐待について学んでいくにつれ、近親者による性虐待は、私が想像するよりもずっと多いということを知った。けれど世間は、それを「なかったこと」にしたいのか、その実態にふたをしたままにしている。そんな現状を知ればしるほど、「暴力」と「否認」はとても密接な関係にあると実感するようになった。
私は、今の日本に生きる、レズビアンの女性だ。
そして、実父による性虐待から生きのび、立ち上がろうとするサバイバーだ。
どちらも、今の社会では生きづらい存在なのだろう。だけど私は、私でいることをやめられない。私は、私自身を「なかったこと」にはできない。
LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランズジェンダー)の人や、性虐待の被害を受けている人が、何に苦しんでいるのか、何が不安なのか、書くべきことはたくさんあるような気がする。でも私は、レズビアンの代表でも、サバイバーの代表でもない。私にできることは、私の体験を私の言葉で伝えることだけだ。
この本には、幼い日にお風呂場で奪われた「私の生きる力」を取り戻すために書いたものという側面があるだろう。本を書くことが、私の回復のプロセスのたいせつな一部になるのかもしれない。けれども、それだけでなく、もし私のこの告白が、生きづらさを抱えるだれかの胸に届いたとしたら、それは著者としてとてもうれしいことだ。そんな祈りを込めて、私が生きてきたこれまでのことを書いてみたい。――
この世の中がだれにとっても生きやすいものになるための一助に、本書がなればと願っています。
みんなの感想まとめ
実父からの性虐待という衝撃的な体験を告白した著者の作品は、痛みと葛藤の中で自らの過去を受け入れ、立ち上がろうとする姿が描かれています。著者は、自身の経験を通じて、性虐待がどれほど周囲に隠されやすく、ま...
感想・レビュー・書評
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メディア露出した女性同士のカップルの先駆け的な存在ということで筆者を知り、この本にたどりついた。
実父からの性虐待、タカラヅカの内情など、いろいろな意味で衝撃が大きい内容だった。
正直、セクシュアル・マイノリティの問題など、さほどのことではないと感じられるくらい……。
性虐待をうけた被害者がその記憶に蓋をすることがあるというのは知っていたが、その加害者と「仲の良い親子」であり続けることができる(そして、それは自覚的に演じているのではない)というのは、かなりの驚きだった。
ただでさえ周りには気づかれにくいタイプの虐待が、こうしてさらに隠蔽されてしまうことがあるとは……。
しかしそれでも、自分を完全にだますことはできず、拒食症や自傷行為などのかたちとなって表れてしまうのには、血を吐いてでも健全な道に戻ろうとする人間の本能のようなものを感じた。
壮絶な人生。
著者はそれを受け止め、さらに自分の体験を何らかのかたちで社会に還元しようという覚悟が見える。
それが、少しでも著者の傷を癒すことにつながるよう祈る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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2014/06/25
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先日、急に思い出して読みたくなった本を探しに、大阪府立男女共同参画・青少年センターの情報ライブラリーへ行ったので、ついでに東小雪の本をチェッ...先日、急に思い出して読みたくなった本を探しに、大阪府立男女共同参画・青少年センターの情報ライブラリーへ行ったので、ついでに東小雪の本をチェックしたら、「レズビアン的結婚生活」「ふたりのママから、きみたちへ」の2冊がありました(この本は無し)。次回行く時に、どちらかを借りようかと思っている。。。2014/07/14 -
この2冊は私も未読ですがディズニーランドで結婚式を挙げたことが話題になっていましたね
少しだけあらすじを読んで
最初はふたりして、ウ...この2冊は私も未読ですがディズニーランドで結婚式を挙げたことが話題になっていましたね
少しだけあらすじを読んで
最初はふたりして、ウェディングドレスでは
・・・という感じだったのに
本社からの回答で ジェンダーフリー
うぉーと思いました。
私も機会があれば読んでみたいです
2014/07/24
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実父からの性的虐待の部分で読むのが辛くなりましたが、最後は幸せになられたので救われました
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客観的には明らかな性虐待被害がありながら、カウンセラーに巡り会うまで主観的には自分の性虐待被害を認識していなかったというところが、精神へのダメージの大きさが計り知れる。性被害そのものだけでなく、気付いていながらすぐそばのキッチンで何事もないように料理している母と祖母がいること、普段は優しい父、がより一層おぞましい。セクシャルマイノリティや宝塚の話が入ってこないほど。
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Amazonのレビューを見ると、「彼女が『父親から性的虐待を受けた』というのは真実ではないのでは?」という記述があります。
でも私は「あった」と思います。母が嘘をついているのです。
私も…。あ、性的虐待はありません。でも父が酒を飲んで豹変するのが本当にとてもいやでした。
母も、ずっと、そう思っていたはず。
なのに、父が亡くなった今、「お父さんは酒飲んで迷惑かけることはなかった」と言いはります。
そのことに私はとても傷ついた。
その当時、酒乱の父を夫とする母を、とてもかわいそうに思っていたから。なのに今、そのことを「なかったことにしようとする」母。
もしかしたら、夫婦というのは、まわりではわからない絆で結ばれているのかもしれません。
「夫が娘に長年にわたって性的虐待を行っている」それを黙認せざるを得ない何かが。
宝塚の異常さや父の性的虐待。
公にしてくださってありがとうございました。
世界中の子ども達がこんな思いをしないように、きっかけを作ってくださったと思います。 -
被害者である自分と、加害者である自分。どちらも、できることなら記憶から消し去って、永遠に忘れてしまいたくなるような記憶だ。けれど、東さんはそれを許さない。決して忘れない、なかったことにはしないという、著者の強い決意のこもった一冊。すさまじい告白だった。
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TVで見る小雪さんはキラキラしていて、さすが元タカラジェンヌだなという印象でしたが、その裏でこんなにも壮絶な過去があったのか(今も戦っている)と衝撃的でした。周りのバックアップもあったとおもいますが、やはり小雪さんにはどんな困難があっても、それをバネにして行動に変える芯の強さがある女性だと感じました。
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性被害とレズビアンであることを結びつけたいのだろうとは思うが、うまく表現できていないように感じる。
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⬛️性虐待を受けた子供の「性的虐待順応症候群」と呼ばれる五つの心理的反応。
①性的虐待の事実を秘密にしようとする。
②自分は無力で状況を変えることはできないと思っている。
③加害者を含めたまわりの大人の期待・要請に合わせよう、順応しようとする。
④暴行を受けたことを認めたがらない。または事実関係が矛盾した証言をする。
⑤暴行されたと認めたあとでその事実を取り消す。 -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:916||H
資料ID:95141020 -
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以前、東小雪さんとひろこさんの同性結婚までを描いたマンガを読んだことがあったので読んでみました。
東さんが宝塚歌劇団時代の厳しい練習や生活を描いた章とひろ子さんと結婚するまで、そして父親と母親との家族との関係を描いています。
つらい経験を乗り切るのは本当に大変なパワーが必要だと思います。
でもこの本で自分自身の体験を訴えることで多くの人が力をもらったのではないでしょうか。 -
とても内容にボリュームがあって、それでもやっぱり「なかったことにしたくない」が全てを語る。
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音楽学校に関する記述は衝撃的。予科生のとき被害者でも、本科になれば皆、加害者になってしまうのか…。
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人から薦められて読了。自分が知らない苦しみやしんどい世界があるのだと教えてもらった。サブタイトルにある性虐待以外も苦しみがあり、壮絶で綴るのはきついと思うのだけど、誠実に向き合う覚悟を感じる。性に関する3つの物差しはなるほどと。この渦の中のいろいろな場所にいるのか。
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いろいろ大変…
頑張って、って思うけど
頑張れる人だとも思う
前にみたディズニーで式挙げてたレズビアンカップルこの人だったんだね‼︎
綺麗で素敵だった✨ -
三葛館一般 916||HI
レズビアンである著者が実の父親から受けた性虐待の告白。
自分の家庭や家族のこと、宝塚歌劇団に入団していたころのこと、薬物依存、そして父から受けた辛い出来事。性虐待の告白をするまでには長い時間が必要であったと著者は書いています。さまざまな葛藤を超えた勇気ある一冊です。
(ゆず)
和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=79241 -
『ふたりのママから、きみたちへ』や、『レズビアン的結婚生活』の著者のひとり・東小雪さんが書いた本。前の2冊を読んだときに、東さんというのは、なんでこんなうっとうしい感じになるんやろと思った部分があるけど、その裏には心を病み、オーバードーズを繰り返すほどの苦しみがあったことを知る。
サブタイトルに書かれている実の父からの性虐待のことも、かつて属したタカラヅカの中にある暴力のことも、そして自身がレズビアンであることも、そのいずれも「なかったことにしたくない」という東さんの強い思いが感じられる。
タカラヅカ時代、予科生がどんなことをされるのか、どんなことを求められるのかを読むと、これは暴力でありハラスメントなのだと率直に思う。けれど、それはくりかえされてきた。予科生の睡眠時間は一、二時間。ほとんどの子は生理が止まってしまうというが、それさえも誇りに思うような、ヘンな思考に陥ってしまう。タカラヅカは、こんな暴力を「清く正しく美しく」と言っているのだろうか。
▼宝塚音楽学校─そこは予科生が本科生に自分の考えを述べることがいっさい禁じられた、徹底した上意下達の世界だった。
それを象徴するのが通称「予科語」だ。予科生は本科生に対して、原則七つの言葉しか発することを許されない。
「おはようございます」
「おつかれさまでした」
「すみませんでした」
「失礼します」
「はい」
「いいえ」
「ありがとうございます」
ただ、「いいえ」はあまり使うと反抗的と見なされたから、実質六つの言葉しか許されなかったと言ってもいい。
このなかでもっとも頻繁に使われるのが「すみませんでした」だ。そもそも寮内で予科生が本科生と会話をするのは、基本的に「失敗:をして本科生から「ご指導」をいただくときなのだから、よく使われるのも当然だった。(pp.40-41)
この本では、まず予科生として「被害者の私」の話が書かれているが、先輩たちにされたのと同じことを自分が後輩たちにまたくりかえしていたこと、後輩を泣かせて服従させる"指導"の快感があったことを書いた「加害者の私」の部分が圧巻だった。
カバー写真は鬼海弘雄によるもの。前に伊丹市美(※)で写真を見て、ぐっと印象に残ってる写真家。
(12/25了)
※鬼海弘雄写真展 PERSONA
http://artmuseum-itami.jp/exhibition/past_exhibition/2012_exhibition/1204/ -
犬畜生にも劣る父親なのに、あなたはそれでも、死んだ父親に聞く。
お父さん、あなたは末期ガンの病床で、何を思いながら死んでいったのですか?
お父さん、私のこと、本当にどう思っていたのですか?
お父さん、拒食症になってしまった小学生の私を見て、どう思いますか?
このページで、私は慟哭しました。
あなたの血を吐く苦しみが、今もなお、あなたを、そこに留めている気がします。
どうか、小雪さん幸せになって下さい。
もう、あなたは、苦しんではいけません。
私は、毎日、あなたの幸せを祈ります。
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東小雪の作品
