僕の光輝く世界

著者 :
  • 講談社
3.51
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本棚登録 : 139
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188463

作品紹介・あらすじ

とある事件で視力を失った少年・光輝。彼は、聴覚・触覚・嗅覚情報などをもとに脳が作り出すイメージにより、目が見えていなくとも、本人にはまるで視覚があるように感じられる形質を獲得する。それは、アントン症候群と呼ばれる、極めて珍しい症例だった。
 そんな、光輝の前に訪れる奇妙な謎――消失する少女、突如変貌する世界、そして幽霊殺人事件……。彼は自らの想像力を駆使し、事件に立ち向かう。
謎を解き、恋をし、少年は成長する。傑作青春ミステリー、ここに誕生!

感想・レビュー・書評

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  • アントン症候群という失明しているのに本人には脳が作り出した映像が見えているという男の子の物語。
    ともすれば悲壮感に苛まれてしまいがちな内容も障害を能力ととらえて
    前向きにユーモアたっぷりで描いているのはさすが。

    ミステリー作家の立場からの
    謎解きと読者の謎解き両方を味わったりさらにそれがトリックだったりと
    ホントに盛り沢山な内容。
    ミステリーがミステリーを生むというか
    些細なことも全ての伏線に繋がっていて
    じっくりと読まなくては勿体ないと思うほど。

    最終章はこれでもかといった具合に
    様々な仕掛けで楽しませてもらった。
    読後の達成感が半端なく良かった。

  • 失明したあと、工業高校は中退した?読み飛ばしたようで、気になって気持ち悪い
    うんでも、おもしろい。

  • 不思議な話。主人公のぶれない感じが好き。

  • 読後感がさわやかな青春探偵小説。もちろん大人も楽しめます。始終ピュアな少年目線なのですが、成長とともに人間のイヤな面とかも感じるようになり、でも彼なりにうまく折り合いをつけて行くところが微笑ましい。彼が大人になったときにどんな風に事件を解決するのか楽しみです。彼の見える風景が奇天烈になっているのか、もっとリアルになっているのか読んでみたいです。

  •  「僕らが見ている世界は、ありのままの現実じゃない。脳によって編集され、見たいものだけを見せられている。」 
     誰かに橋から落とされたものの、意識にも記憶にも異常はないと思われていた光輝。病室で仮面の男に襲われる。光輝を橋から突き落としたのは誰なのか?仮面の男の正体は?事件の真相とともに、実は光輝が視力を失っていたことが判明。
     「アントン症候群」って、本当にある病名なのかな?

  • 読書記録です。まだの人は読まないでね。

    アニメーションで観るべき内容を、文章で読むのは疲れる…
    現実味のない内容のなかで「2枚の板と2本のロープをこどもたちに渡して、床に触れずに向こうへ渡れ」という実験の話のくだりだけ、妙に納得しました。
    与えられた条件を全部使わなきゃいけないと思い込まず、最小限で乗り切る方法を考え付く力、発想力の貧しさを指摘するところはすかっとしました。

  • 失明しているのにあたかも見えてるかのような錯覚に陥る症状「アントン症候群」の患者・高根沢光輝が不可思議な謎を解いていく青春ミステリー。三つの短編と一つの中編が収録されています。
    「アントン症候群」という目の付け所と、「主人公が見ている世界は虚構が混じっている」という特性を巧く活かしているところが良かったです。ちょっとしたミステリー談義や、作家の現実と苦悩のような小ネタも楽しめました。
    ベストは【世界は夏の朝に終わる】。喋り方、化粧や体臭などで分かりそうな気もしますが、主人公が残酷な一言を浴びせられてからの反転は素直に驚きました。
    中編の【幽霊はわらべ歌をささやく】は作中作の暗号の出来は良かったものの、犯人が犯した致命的なミスには拍子抜けしてしまいました。

  • 第二話に出てきた親切な女性が何者なのか気になる。作者の別作品とか?

  • 脳が処理する視覚。「見える」ということ。堂々と叙述トリックを出来る設定。これで終わりだとスッキリしない。まだ続くのかな?7.25

  • 光輝く世界、という題名に反して、現実世界の美しくない部分も描き出しているところが印象的で、魅力的な一冊だと思う。

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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