クリオネのしっぽ

著者 :
  • 講談社
3.33
  • (3)
  • (5)
  • (13)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188487

作品紹介・あらすじ

『バッテリー』のあさのあつこ氏が絶賛の青春小説。

中2の6月、美羽は、学校というところは友だちをつくったり、楽しく過ごすための場所ではなく、「公共塾」だと考えることにした――。

いじめの首謀者である水泳部の先輩に逆らい、暴力を振るったことで、浮いた存在になってしまった美羽は、転校してきたオールドファッションなヤンキー娘・幸栄に対し、「かかわりたくない」と強く意識しながらも、まるで空気を読まずにからんでくる幸栄との接点が、どんどん増えていく自分に気がつく。

夫から「お姫様扱い」されながらも、浮気され、家を出て行かれた母親が徐々に自立していく過程や、病弱な弟の世話に明け暮れるクラスメート・唯のむき出しの本心に触れながら、美羽自身も、自分だけの世界にとどまらず、世界と自分とのつながりに目を向けはじめ、そここそが輝いていることに気がついていく。

中学2年生特有の、あのもやもやとした時期を切り取った、どこかドライで、どこかリアルな青春小説。

『バッテリー』のあさのあつこ氏が絶賛!(以下、推薦文)
ここには、少女たちの生身がある。
彼女たちは脆くも美しくも繊細でもない。
それぞれの現実を確かに生き抜いている。それだけだ。
それだけなのに、美羽の唯の幸栄の存在が
荒々しく迫ってくる。想いがゆっくりと染みてくる。
こんなにも静かで激しい物語に初めて触れた。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 今時の子はこんな感じなのだろうか。古めかしく感じた。でも2014年の本よねー。

    基本は美羽目線の口語文体なのだが、例えで寅さんが出てきたと思ったら、急に「マジ無理」とか言い出すので混乱した。サッチはビーバップの不良娘という感じだし。。
    美羽自身の感情や台詞と、地の文の視点が分かれていた方がよかったんじゃないかなー。

    キーワードの「クリオネ」と「しっぽ」もピンと来なかった。ちょっとしたエピソードはあったけれど、なぜ彼女たちが揃ってクリオネにそんなに思い入れがあるのか?

    しっぽはスナフキンの歌だしね…。なぜ絡めたのか…?
    美羽の意外性?私も西欧の児童文学を読み漁る子だったから、魅力とか言いたいことはわかるよなんとなく。でもその会話レベルはさすがに小学生だ。

    美羽の大人子どもな感じ、自我と周りの世界との関わりに戸惑う様子は、中学生らしくてとてもよかったです。

  • 少し前に読了。長崎さんは二冊目かなぁ。
    会話のテンポはけっこう好き。なのだけど、展開というか、人情味というかがどうしてもクサいなぁと思ってしまう。テンポに乗せられて、描写が深まる前に流れていってしまうからかしら。
    サッチの造形を古めかしいととるかどうか。

  • うむ。
    さっと読めるし、中身も面白かったと思う。

  • 中1の時のある事件以来、中2の今もクラスで浮いた状態の酒井美羽。
    教師たちを信頼することは出来ないし、友達だと思っていた子たちとは今は話もしない。まわりからは危険人物と見られているが、本当は静かに過ごしたいだけだ。唯一の友達の唯ちゃんはおっとりとマイペースの女の子。美羽の今の状態でも、態度は何も変わらない。
    そんな状況で、しかも変な時期に、同じクラスに転入してきた小宮山幸栄(サッチ)。どうやら、近隣の中学で暴力事件をおこして、むこうの学校にいられなくなったから転入してきたらしい。そして、そういう喧嘩上等みたいなタイプに、美羽は目をつけられやすいのだ。


    帯に、あさのあつこさんが「ここには、少女たちの生身がある。」と書いている。坪田譲治文学賞受賞。

  •  家族や友だち関係について考えさせられました。

  •  中2の1学期、美羽のクラス幸栄が転校してきた。近くの北中で、事件をおこし転校することになった危険人物らしい。美羽も、1年の時の水泳部での事件以来、危険人物扱いされていて、唯だけが事件の前後で態度を変えずに接してくれていた。

  • 坪田譲治文学賞受賞作品。

    周りになじめず、クラスから「浮いた」存在である少女たちの友情物語。
    問題児扱いされる美雨と、転校してきた不良少女のサッチーと、全然タイプの違う地味めな唯ちゃん。私は中学生のときこんなふうに孤高に生きられなかったなぁ。ちょっと羨ましい。

    「みんな小さい生き物はしっぽに弓を持っている」
    弓とは、誇り、希望、夢などの象徴。

  • 手にとって読みたいと思う子どもが少ないであろう表紙、装丁が残念でならない。
    人との距離の取り方って難しい。今の中学生はどうなんだろう。無理して何となくあてられた役を演じていたりしているのだろうか。
    人は見かけとは違う。言葉にはできない心のなかで考えていること、行動のうらにある行動を起こす理由になったこと。ああ、そんなふうに感じていたんだあ、そうなことがあったんだあ、と少しずつわかりあえていく友だちがいるといい。すべてわからなくていいし、みんななかよしでなくていいから。

  • 危険人物扱いに慣れ、静かな学校生活を送る美羽。そこに、近隣の中学から不良少女サッチが転入してくる。
    関わりたくないのに何故か気に入られているようで…

    不器用に他人との距離を近づけていく美羽、宝塚っぽい容姿のためか、凛としたかっこいい少女の印象が強い。また、繊細で感受性豊な子でもあることが魅力。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。1986年『A day』(アリス館)でデビュー。2000年『トゥインクル』(小峰書房)で第40回児童文学者協会賞受賞。2015年『クリオネのしっぽ』(講談社)で第30回坪田譲治文学賞受賞。作品に『あらしのよるのばんごはん』『いちばん星、みっけ! ミナモとキースケのたからさがし』(ともにポプラ社)『蒼とイルカと彫刻家』(佼成出版社)『レイナが島にやってきた!』(理論社)など多数。現在、鹿児島県の沖永良部島に在住。

「2021年 『さよならのたからばこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長崎夏海の作品

ツイートする
×