スペードの3

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1628
レビュー : 267
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188500

感想・レビュー・書評

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  • こういう女たちの世界は好きじゃない。
    みんなが敵に見えてくるし
    見えるもの聞こえるものの裏をかきたくなる。

    描写が的確だからこそ
    嫌な気持ちになってしまうお話。

  •  ネタバレだからね。

     最初に出てきた場面が,最後にも出てくる…というのは浅井リョウの常套手段とも言えるかな。この小説も,ファン(美知代)の視線から描いた第1章(スペードの3)と宝塚(とは出てこないが発想としてはそう読める)の男役(つかさ)の視線から描いた第3章(ダイヤのエース)とが,けっこう絡み合っている。じゃあ,第2章はというと,第1章に出てきた脇役のむつ美が主人公としてクローズアップされて物語は進んで行く。
     小説が苦手なわたしは,このタイトルが何を意味しているのかよく分からなかった。

     ま,女性のなんというか微妙な心が表されていて,女性同士って本当の友達なんているんだろうか…と不安になってくる。男は単純だなと思ってしまった。

  • 朝井リョウ作品を読むのは初。女の子や女性の心理を男性作家が上手く書くのは他にも多数あるのでその辺りは触れずにいたい。作品として述べるなら、あの何とも言葉にし難い微妙な関係性や空気を作品として仕立て上げられており、じわじわと薄気味悪いモヤが襲ってくるような気持ちになる。
    ミスリードを誘ってくる連続短編って辻村深月ですか?という感じもしつつ、比喩表現や、モノへの感性がおもしろい。サービスサポートというカタカナ社名会社の業務は全て漢字であり、カタカナで表記される仕事の全ては漢字二文字の本社だ、なんて。
    ちなみに31ページは人物誤植なのかな?つかさ様がコピー取ってることになってるけど笑

  • 朝井リョウさんは"何者"のときと同じように、人間の心理描写が細かすぎるのはさすがだなと思った。
    物語は美知代、むつ美、つかさの3人の物語で構成されていた。私は短編?があまり好きでないので残念...
    読みやすい作品だけれど、何となくいい気持ちで読めない作品...なぜなら、美知代みたいな人間、クラスにいたな〜と思いつつも、自分も美知代のことわからんこともない節々があったな、とも。つかさの円に対する感情も痛々しいほどわかる。
    作品としては、どうせなら美知代だけの物語にして欲しかったな、なんて。

  • 苦手な物語でした。しかーし、小学生のころのあの嫌な感じ、でも流れに乗るしかないあのモヤモヤする感じの描写が上手いっ!
    この本は苦手ですが朝井さんはすごいのは変わりない。

  •  「スペードの3」には惹き込まれたが、クラスでの女王的存在などは、まるで辻村深月の 『太陽の坐る場所』みたい。そして、名前でミスリードするなんて、まさに辻村深月の得意技じゃないか。これ、ほんとに朝井リョウ?

     愛季の登場で美知代の立場を危うくなっていくところ、後年ファミリアにむつ美が「アキ」として現れて、またもや美知代の王国を揺さぶるところ、ドキドキした。でも、むつ美がなぜそこまで美知代に悪意を持つのかわからなかった。誰にも相手にされず、嫌われて蔑まれてきたむつ美を、(偽善的な目的とはいえ)優しく受け入れてきたのは美知代だったのに。

     「ハートの2」でむつ美が主人公に変わったので、これで謎が解けるのだと思ったら、全然だった。小学校の修学旅行の夜に何があったのか、トランプのカードの意味や、あそこでむつ美が美知代に「革命なんて起きないよ」と言った意図も不明。そして、むつ美が小学校を卒業してからどのようにして自分を変えていったのか、そこも明らかにならなかった。まだ呼び方を変えてもらっただけで、かろうじて数人の友達ができただけ。消化不良。

     「ダイヤのエース」ではいきなり、スターのつかさの話になってしまう。恵まれた環境で育った優等生のつかさが、同期の円を「ずるい」と思う気持ち。無力感、不公平感などは共感できる。
     でも、つかさの話を持ってくるぐらいなら、美知代とむつ美、愛季の話をきちんと描ききって欲しかった。

  • アキ、ね

  • 女性3人の光と影

    第1章 スペードの3
    第2章 ハートの2
    第3章 ダイヤのエース

    頑張っても報われない女とその役をかっさらっていく女。

    そんな関係を舞台女優・香北つかさのファンクラブ代表の美智代と新人クラブ員・アキ。

    同じ事務所に所属する香北つかさと沖乃原円。

    人生って不公平にできているようで、皆そんなに相手を気にしないで行くことこそが、ストレスのたまらない生き方である事のように思えてくる。

    朝井さんの作品は、そんな学生時代の淡くて脆い関係性のニュアンスが漂っているのが、この作品にも表れていると思う。

  • 51:朝井さんはやっぱり「ドロドロ」をすくい上げて描写するのがお上手だと思う。「学級委員」という呼び名にちょっと得意気な子と、そう呼んでる子と、それをメタ視点でハラハラしつつ見ている読者、という構図をちゃんと計算されて書かれてるように感じました。
    その「ドロドロ」の描写がすごかっただけに、ラストはちょっと消化不良な感じが……。

  • なんでこんなに嫉妬深かったりねちねちしてたりする人ばっかり出てくるんだろう。アキ、執念深すぎ!こわっ!最後は前向きに終わってよかった。でもやっぱ、朝井リョウは小説じゃなくてラジオとエッセイが好きだな。

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著者プロフィール

朝井 リョウ(あさい りょう)
1989年、岐阜県生まれの小説家。本名は佐々井遼。早稲田大学文化構想学部卒業。
大学在学中の2009年、『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー、後年映画化された。
大学では堀江敏幸のゼミに所属し、卒論で『星やどりの声』を執筆。2013年『何者』で第148回直木賞を受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
その他代表作に『少女は卒業しない』、映画化された『何者』がある。

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