図書館の魔女 烏の伝言

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 611
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (666ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188692

作品紹介・あらすじ

霧深いなか、道案内の剛力たちに守られながら、ニザマの地方官僚の姫君ユシャッバとその近衛兵の一行が尾根を渡っていた。陰謀渦巻く当地で追われた一行は、山を下った先にある港町を目指していた。
剛力集団の中には、鳥飼のエゴンがいた。顔に大きな傷を持つエゴンは言葉をうまく使えないが、鳥たちとは、障害なく意思疎通がとれているようだ。そんな彼の様子を興味深く見ていたのは、他ならぬユシャッバだった――。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い、面白いけど長い…。
    最終盤でマツリカ登場。それまでの流れがやや冗長に感じますが、最後に全てが繋がる様は気持ち良いです。気長に読める人にはオススメです!

  • 山を弁える剛力衆。港街の暗渠を走る鼠たち。
    誰が何を追っているのか。
    山の中を逃げるように移動する一行。
    街で追い詰められて、排水に流され。
    圧迫感と閉塞感でジリジリする。
    誰が味方で誰が敵方なのか。
    罠なのか、先手が打てているのか。
    最初から散りばめられている伏線が後半で生きてくるのに大興奮!
    夢中で読んでいて、気づいたら乗り越してた。

    山を弁える、街の暗渠を巧みに使う彼らにも心踊るけれど、何と言っても、洞察力の鋭いエゴン。
    烏さえ可愛くみえてくる。
    知識が人を救うのを何度も魅せる今回。
    だからこそこの言葉がしみる。
    「救護院で文字を教えていたのが何のためだったのか、何のためになるのか、それを初めて知ったのだった。
    それは仲間を守るためだったのだ。」

  • すごい!ちょーおもしろかった~~~!大満足っ!

    図書館の魔女の続編ってことで、
    キリヒトたちのその後についてわくわくで読み始めたら
    一向に彼らの名前がでてこない。
    マツリカのきいたら絶対怒りそうな噂話だけ。
    なので最初は肩すかしだーとか思ってたんだが、
    だんだん剛力たちのひととなりがわかってきて
    村ひとつ焼き討ちにあってたりとか、
    目的地にたどり着いたはいいが、なにやら雲行きが怪しくて・・・っとなってからは、彼らが無事この街から逃れることができるのが、どきどきして、鼠たちに出会ってあたりからはもう最後まで一気読み。ページをめくるのをやめられず、
    気づいたら午前2時だった。
    いやあ、ほんっとにおもしろかった。

    隻腕のカロイは最初ちらっと思ったが、
    笛を子どもたちに作ってやってるところで、あっと思いさらに馬のおもちゃを治してやってるところで確信に至る。しっかし、あの笛がこどもたちの為のこどもたちにしかきこえない音をだすものだと分かった時は感動だった。なんかヒュイの仲間を守るための抵抗っぷりとか
    あのあたりは涙なしでは読めない。
    うう、ほんっと本文にも書いてあったが、
    もっとも虐げられたものたちこそが、もっとも弱いものを守り、矜持を捨てないでいた姿に、うわああっとなる。
    んでもって本大事のマツリカも健在で、
    ハルカゼが笑いに肩を震わせているのもみられて楽しかった。

    にしても終わってみると
    たった1人の男の蓄財のために村1つ焼かれ、街ひとつ死で覆われたのかと思うとなんじゃそりゃ~~っと怒りしか湧いてこない。
    ほんとうに「どうして」の悲痛さに、ぐわあああっとなる。

    山の村の方はなにか貴重な薬草かなにかに関する陰謀的ななにかが別にあるのかと思っていたのだが、
    まさかお宝隠すだけのとばっちりだったとは・・・・
    ありえん、ゆるせん。

    三つ首さんとこの耳目はなんか怖すぎなんですけど~!
    うわあなんか事故かなんかで死んでほしい。
    じゃないとそのうちキリヒトと対決とかありえそうで
    こわいー。
    っつーかあんだけ人々に苦しみを与え続けた男が
    一刀のもと死なせてもらえるなんて・・・・。
    それこそ、裏切りものとかじゃなくて口封じ的な意味の方が強いんじゃないかと勘ぐってしまう。

    さてさて、剛力や子どもたちとの縁がこれから先なにかのときにマツリカの力になるといいなあっと思いつつ、
    次はキリヒトのその後のお話であってくれ、と願うのみ。

    山の弁、かっこいいなあ。

  • 最初、登場人物紹介を見て彼らが出ていないことにショックを受けた 笑
    前作『図書館の魔女』から続けて読んだので、キリヒトやマツリカ、衛兵たちに愛着が湧いてたので。

    けど、そんなことすぐ忘れて今回の登場人物たちに惹かれて、物語にのめり込んでしまった。

    本当に登場人物たちが魅力的なんだよねー。
    感情移入してドキドキして泣いたり、笑ったりしながら読んだ。

    私も剛力に担いで貰いたいなぁって思ったり(♡︎´艸`)


    そして、今作も伏線が回収されていくのが気持ち良かった〜✨
    ネタバレになるのが嫌だからあんまり書かないけど、前作に引き続き出てる人もいて、そこがたまらんっ!


    今後も続いていく終わり方だったので、今から続きが楽しみすぎるな〜!
    早く続きが読みたいー!

  • あの絶賛小説の続編。前作の主人公クラスが今回は脇によってるか登場しないか(それでも重要な役割をもつのだけど)っていうことで、不安を覚えたのだけど、読んでみてそんなもんはぶっ飛んだ。

    舞台は九龍城的港町。山を熟知した剛力(シェルパみたいなもん)連中と、精鋭兵士たる近衛兵連中と、下水道に住みつくストリートチルドレン連中が手を組んで、腐れ外道の宦官官僚一派がつけ狙うお姫様を守り抜く話

    こんな魅力的な設定に、スパイは暗躍するは、謎かけ伏線は張り巡るわ、苦み走ったおっさんどもの渋い会話は差しはさまれるわ、終盤直前にシリーズの主役が満を持して登場してわがまま三昧するわ…

    文章自体もキャラ設定も物語の走り方も情報量の密度も…こってりしずぎ、ラーメン出汁で言うたら箸がタツって感じ。
    もうちょいユルめてもいいんじゃないかと思いつつ、この濃厚こってりぎっとり感がクセになって、中毒気味になってしまった。声を大にして続巻希望!できれば次はキリヒト達を登場させてほしいぞ!

    シリーズもんだけど、この1冊で十分成立している。でもところどころ前作が分かってると良いところもあるし(姐さんが犬を怖がるとか)、何よりこってりに慣れておくためにも、前作「図書館の魔女」から読むことをお勧めしておきます。

  • うおおおおお面白かったーーーー!!!
    一日で読んでやったぜ!自分を褒めたい!
    前作の清潔?で高貴?な場所から一転、荒っぽい男たちと下水道の汚げな空気。この会話に使われてる言葉がまた、雰囲気が出てるんだ!
    前作は最上位の人々の話で、今作は最下位の人々の話。子どもたちが見てきた地獄に心が痛みます。
    カロイが隻腕とあって、まさか彼?彼?とうずうずしてたらやはり彼で嬉しくてたまらない。そして現れたいつもの面子!もーう彼女らが現れてからは頼もしいわ楽しいわで!
    謎解きもすごかったですね。
    最後の、金が見つかったところが泣けて泣けて仕方なかった。
    新しい強敵も現れたようで続編出す気まんまんすね!楽しみだなあ。

  • 途中まできて
    ああ、これは彼の物語でもあるんだな
    と、思い、
    その辺りから
    ようやく物語に引き込まれた
    そういう意味では
    前作を読んでおいた方がいい
    舞台もわかるし

    山の民の剛力たちが
    前作の近衛兵のように
    徐々に個性を表してきて
    魅力的

    今作を読んで
    「図書館の魔女」という本の魅力は
    茉莉花にあったんだと実感

    私は本を読みながら
    いつのまにか映像が浮かんでいるが
    この本は
    出だしはともかく後々まで
    描写がこまかすぎて
    映像化の邪魔になる
    文字が邪魔に感じるようになる
    前作よりさらにそれを感じた
    読者の勝手な想像は許されない
    というより
    想像すら許されない感じなのは苦痛
    それをおしても
    面白いのではあるが…

  • 本編がかわいらしい少年少女の話だったので、冒頭で急に烏とオジサンが出てきてびっくり。なんだ、これ。登場人物ムサイおじさんばっかりじゃないか。…が、読み始めて手が止まらない自分。おじさん達にはオジサンなりの流儀があって、それに誇りをもって生きている。その生きざまのなんて美しいことだろう。マツリカは最後の方しか出ないが、今後の物語につながるような終わり方だった。続編を求ム。

  • タイトルに図書館とあると つい手にとってしまった
    そして 高田大介 ファンになりました 

    発想が ちょっと違う感じ 意外な印象から 引き込まれた 話は少し長いのに 飽きさせない裏切らない 緻密に組み立てられている 
    物語は 続きそうなんですけど 次が 出てないですね

  • 相変わらず言葉、単語、言い回しが私にとってはむつかしく・・・ 
    序盤はなかなか入り込めない雰囲気満載! なのに読み終わってみるとおもしろかったと言わざるをえないストーリ(笑)

    今回は魔女一行は序盤全く登場せず。
    新キャラばかりで進められていくわけですが、こちらのキャラクターがまたよかった♪
    終盤も終盤、マツリカさまが登場してからは一気に謎解き謎明かし。
    答えを言うのではなく、それはなぜ?どうして?
    答えを導く問いを繰り返すあの話し方に、あぁそういえばマツリカさまはこうだった、と思い出し自然と笑顔になりました^^
    今回は仲間を思う気持ちの熱さに何度も涙しました。胸を打つ熱い気持ちはワンピースを読んだ後ような感覚でした(笑)

    読むのにも読もう!と腰を上げるまでにも時間のかかる作品ですが、、 次回作も期待してます^^
    今回登場したメンツ全部ひっさげて、また深くなったストーリーを熱望!(笑)

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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