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- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062188876
感想・レビュー・書評
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離婚して母親と二人暮らしだった40歳手前の明日香。
その母がガンで亡くなり、遺品整理をしていたら、林悦生という明日香の見知らぬ人物へ宛てた母の手紙を見つける。
投函されることのなかったこの手紙を宛名の男に渡そうと思い立った明日香は、この男の捜索を始める。
先日、宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証」というとても濃厚な作品を読んだばかりなので、その後に読んだものはどうしても薄味に感じてしまう。
主人公の明日香が謎の男の情報に出会うごとにこの男の正体が少しずつ見えてくるんだけど、その姿や生い立ちの描写が断片的すぎて、彼の生き様に厚みを感じられなかった。
もう少し彼のことを書いて教えてくれないと、心に響かない。
響くだけの材料に乏しい。
男と明日香の母との出会いもあっさりまとめられていたし、登場人物たちの心の重りみたいなものがいまひとつ見えづらかった。
結果、明日香が必死に男を探すだけの物語という印象で終わってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示