許す力 大人の流儀4

著者 :
  • 講談社
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感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062188975

作品紹介・あらすじ

累計110万部突破!
国民的ベストセラーシリーズの最新刊、いよいよ発売。

あなたはその人をゆるすことができますか――。

忘れられない。許せない。
私も同じだ。
人はみな、許せないことを抱えながら生きて行く。
だが、許すことで始まる人生もある。
本物の大人になる、そのための必読書。

目次より
第一章 許せないならそれでいい
第二章 こんなはずじゃなかった、それが人生
第三章 いつ死んでもいい
第四章 やがて去っていく者たちへ

感想・レビュー・書評

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  • 2014年初版。とにかく著者の言葉には力があります。決して優等生ではない著者、今のご時世では憚れる「おんな・子ども」の連発。でも、誰もが許してしまうのではないのか。元旦の石川での地震、著者が存命であれば、どのように思うのでしょうか。報道や第三者をどのように表現するのか。当事者でなければ、他人事。そのとおりだと私も思います。阪神・淡路大震災と熊本地震の被災者も、その日が来るたび思います。歯切れの良い文章、好きです。

  • 「許せない自分だけがダメな人ではなく、皆それをかかえて生きていることを知ることである。」

    「いつか許せば、それはそれで生きる力になるのだろうが、許せないものも人のこころの中で何かしらの力になっている気がする。」

    許せないやつがいるけども、、、そんな俺は俺なんだ。
    てか!

  • 2022.11.3

    いろんな事に興味をもつことで人生に深みが出てくる。
    人間なんだし許せないことを許す必要はない。大切なのは許せないものをわざわざ目の前に引っ張り出して凝視しないこと。
    自分の胸のうちに留めることで漢の色気が醸し出されるのかなと感じた。伊集院さんの他の本も読んでみたい。

  • 毎回、カッコいいです。大人の男とは、純粋で真っ直ぐで明るい(悲しくても)ということでしょうか。いつもながら、愛犬や奥様、お母様とのお話はいいですね。「これは許せないなぁ、と呟きポケットに入れる」これが大人の流儀なんですね。

  • 人が人を許すこと、「許すとは高き姿勢や夾竹桃」だそうな。
    許すという行為はなぜか少し上から目線のニュアンスがあるというのはわかる気がする。。。

  • オイラはいくつになったら大人の男になれるんだろう。大人にも、男にもなっていないな。今年、伊集院静の本に出会ったおかげで自分がどんな男になりたいのか見えてきた。あらゆる面でスケールが違うけれど……。正しいことばかり言ってるとも思わないし、ダメな人だと思うこともしばしばだ。でも、強くてやさしい。決して頭でっかちなことを言わない。ぶれない軸がある、いや間違っていても俺は俺って言うだろう。時々出てくる「それがどうした」っていう言葉が好きだ。まずは胸張っていこう、オイラ。

  • タイトルに反して⁉︎許さなくてもいいではないか…というあたりに共感を覚えました。

  • 許すことで起きる活力。確かにあるかもしれません。しかし、哀しみの中にあると、なかなか許そうと思えないのも確か。だから、許せなくてもいい、許せないことを抱えながら、しかしそのことをわざわざ引っ張り出して凝視せず、胸の中に置いて懸命に生きた方が良い、というのは、前向きになれる言葉だと思いました。許すことも許さないことも生きる力になる。そのとおりかもしれませんね。

  • この人あんまり好きじゃない、と思いつつこのシリーズだけは読み続けてしまうのは何故でしょう。
    それはやはり響く言葉があるからなのかなぁ。
    許すということは確かに心がけだけでは出来ることではありません。許さないけど続けていく、関係を断ち切らないというのも大切なことなのかもしれないと本書を読んで考えました。

    (引用)
    忘れることができないのは承知で、大人は若者に告げなくてはならぬことがあるのだ。

    人はさまざまな事情を抱えて、それでも平然と生きている

    大切なのは、許せないものをわざわざ目の前に引っ張り出して凝視しないことである。

    じーんと心に染みていく言葉です。
    特に響いたのは
    (引用)
    風景には残酷な面がある。かわらない景色というものは、時には残酷な面を持っている。
    と言うところ。私はこれと全く真逆のことを、変わらない風景を目にして感じたことがあります。
    何が起きても変わらない景色があるというのは慰めになると。
    人によって、あるいは人の心情によって風景は優しくも残酷になる。自然が人間に対して感情を持たずにそこにあるからそうなるのでしょうね。
    そしてこの真逆の感想を持ってして、私はやはり著者とは合わないんだろうなぁと思います。(笑)

  • 許せないのなら、私は許さなくていいのではないかと思う。
    今日の午後、あらたに許せないものと出逢っても、これは私には許せないナ、
    とつぶやきポケットに入れてしまえばいいのではないか。
    大切なのは、許せないものをわざわざ目の前に引っ張りだして凝視しないことである。
    許せない自分だけがダメな人ではなく、皆それをかかえて生きていることを知ることである。
    ーーー以上抜粋ーーー
     
    長年心の中で、とりたてて考えず漫然と行っていたことを、
    きちんと言葉に置き換えてもらったような気がする。
    私の思いを肯定されたようで嬉しかった。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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