儒学殺人事件 堀田正俊と徳川綱吉

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 49
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062189330

作品紹介・あらすじ

徳川三百年にあって江戸城内での刃傷沙汰は7件起こっています。いちばん有名なのは、浅野内匠頭が吉良上野介を松の廊下で傷つけた事件ですが、そのほかにも6件あるわけです。最高位の大老が殺害された例もあります。
「大老暗殺」といえば幕末の井伊直弼のケースが思い浮かびますが、あれは桜田「門外」であって「殿中」ではないのでここではカウントされません。では江戸城という国家権力を象徴する場所で殺害事件は、いつ、なぜ起こったのか、殺された大老とは誰なのか……。
 事件発生は貞享元年(1684)8月28日。殺された大老は堀田正俊(下総佐倉藩主)。下手人は、なんと若年寄の稲葉正休でした。
「発狂」「乱心」の結果とされたこの異様な事件は、さまざまな憶測を呼びました。たとえばその場で稲葉正休を討ち果たしてしまったことに対して、水戸光圀は「粗忽である」と難詰、生かしておいて原因を究明すべきだったと断じたと『徳川実紀』にあります(じつは、殺害後の正休は無抵抗であり確信犯的行動だったようです)。
 そんなしだいで、当時から事件の背景には時の将軍綱吉の意向があるとの噂も絶えませんでした。たしかに正俊在世中の綱吉は比較的抑制した権力行使の態度がみられますが、世に言う元禄時代、綱吉のやりたい放題の政治(側用人政治)は正俊暗殺以後に始まるといえます。
 さまざまな状況証拠から推して、大老暗殺の黒幕が将軍であったことはほぼ間違いありません。しかし、なぜ将軍は大老を消そうと考えるにまで至ったのか、双方はどこまで「政治、国家観」「統治者像」を同じうし、どこから超え難い溝が生ずるようになったのか……。本書は思想をめぐって発生した知られざる殿中暗殺事件を追うことで、近世日本における「期待される政治家像」の形成を論じます。異色の思想史ドラマとなるはずです。

感想・レビュー・書評

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  • 徳川綱吉の関与で大老の堀田正俊が暗殺

  • 東2法経図・開架 210.52A/O24j//K

  • 冒頭にあるように徳川の将軍の認知度は家康、家光、綱吉、吉宗、慶喜位で大老についてもほとんど知らない.堀田正俊についても全く知らなかったが、本書で認識を新たにした.綱吉の評判はあまり良くないが、その参謀であった正俊の存在を明らかにしている好著だ.将軍に物が言える立場であることが、江戸城で殺されることになる要因の一つではあろうが、著者はよく調べている、「朝鮮通信使との交流」は面白かった.

  • サントリー学芸賞受賞

  • 電子書籍で初めて読んだ本。
    井伊大老以外に江戸幕府で、それも城内で殺害された大老が居たとは知らなかった。
    あの生類憐みの令で有名な綱吉将軍が背後で暗殺を指示したのではないか、スリリングだが一方で本格的な儒学の本でもある。
    学術的にも厚みのある作品だと思った。

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著者プロフィール

小川 和也(おがわ・かずや)

慶應義塾大学法学部卒業。起業家、著作家、研究者、ラジオ番組ナビゲーターとして、ばらばらの点をつなげて未来をつくる活動をしている。
起業家として独創的な事業を生み出し続け、2017年、世界的に権威のあるマーケティングアワード「DMA国際エコー賞」を受賞。
人間とテクノロジーの未来を説いた著書『デジタルは人間を奪うのか』(講談社現代新書)は高等学校現代文教科書をはじめとした多くの教材や入試問題に採用され、テクノロジー教育を担っている。
北海道大学客員教授として人工知能の研究を行い、FMラジオ放送局のJ-WAVEで番組ナビゲーターとして未来を生きる鍵を声で伝えている。
実業と学術を往来し、多様な表現方法を駆使しながら、未来のグランドデザインを描いている。

グランドデザイン株式会社 代表取締役社長
北海道大学客員教授
J−WAVE『FUTURISM』ナビゲーター

「2019年 『未来のためのあたたかい思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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