著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 37
感想 : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062189675

作品紹介・あらすじ

森で育った虎は幼いころに母親を亡くし、独り野生児として生き抜いていた。食料を求めて里に出没するようになり、とうとう村人に捕まってしまう。なぶり殺しにされかけたところを四郎という少年に助けられる。そう、それが天草四郎と虎の出会いだった。同じころ、島原と天草の切支丹に対する迫害は苛烈を極め、四郎の父・甚兵衛らを中心に公儀への反抗が企てられつつあった。他方、知恵伊豆と呼ばれる、老中・松平信綱は、三代将軍・家光の治世に不安を抱いていた。江戸に幕府が開かれて三十有余年、天下は徳川家の下に治まっているが、それは表面的なものであって本当に治まっているとは言い切れない。信綱の心の中に潜む闇を、将軍家剣術指南役の柳生宗矩は見透かしていた。「幕府は乱を欲している」。恐るべき謀議が交わされる。──父の思惑に踊らされ切支丹の旗頭にされた四郎、何も知らず四郎の護衛役となった虎、幕府の箍を締め直そうとする信綱。三人の間で、時代が大きく動こうとしていた。

感想・レビュー・書評

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  • 深層心理の描写に飾りがなく、とても自然で正直だった。気がついたらしっかりと作品の中に取り込まれた自分がいた。今までに味わったことのない感動を受けた。

  • コーヒーブレイク本。

    江戸時代の徳川三代将軍・家光の治世、九州の天草と島原の地で、キリシタンが起こした「島原の乱」を描いた時代小説(2014/05/15発行)。

    熾烈を極めるキリシタンの弾圧が行われている九州の島原と天草の地で、元は武士の子であったが幼いころに母を亡くし、独り野生児としてとして育った虎と、今は亡き豊臣方のキリシタン大名であった小西行長に仕えていた武士の子で、キリシタンの旗頭である四郎。 この二人を中心に進む物語は、「島原の乱」につづく...

    新撰組や坂本竜馬などが活躍した幕末を除き、平穏な時代のイメージがある江戸時代は、躍動感が感じられないため、この時代を背景とした時代小説は、つまらないと思っていましたが、そのイメージを覆す面白い小説でした。 人と時代、そして歴史を感じさせる作品のように思いました。

  • 江戸時代の徳川三代将軍・家光の時代、九州の天草と島原でキリシタンが起こした「島原の乱」のお話。修学旅行で島原城を訪れ、踏絵を見て、天草四朗時貞という男はまだ16歳という少年で、神の生まれ変わりのような人物であったと知ったのが学生の頃。懐かしさととともに、改めてこの史実を再確認しました。このお話の四郎と虎の関係は、四郎にとっての神が虎であり、虎にとっての神が四郎であるように思えました。それにしても徳川幕府の思惑の恐ろしきこと、あえて乱を起こして泰平の世を盤石なものにするとは。

  • 実は武士の子である野生児「虎」は、のちの天草四郎に拾われて同じ時を過ごすことになる。
    四郎の思いとは違える方へとむかい、やがて島原の乱へ。

    予想通り、虎、死なない。しぶとい。
    できれば心の内の葛藤をもっと掘り下げてほしかった。

  • 後の天草四郎に拾われた「虎」という野生児の目から見た天草の乱の物語。著者の解釈にはなかなか説得力があります。

  • 面白かったなー。

    虎も。四郎も。
    好きだな。

    でもあと一押し。

    いや、でもいい。これ。

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著者プロフィール

1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、『無頼(ぶら)無頼(ぶら)ッ!』『兇』『勝負(ガチ)!』など、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。また、『戦国BASARA3 伊達政宗の章』『NARUTO-ナルト- シカマル新伝』といった、ゲームやコミックのノベライズ作品も執筆して注目される。他の著書に『弁天の夢 白浪五人男異聞』『清正を破った男』『生きる故』『我が名は秀秋』『戦始末』『鬼神』『山よ奔れ』『大ぼら吹きの城』『朝嵐』『至誠の残滓』『源匣記 獲生伝』『とんちき 耕書堂青春譜 』などがある。

「2021年 『戦百景 桶狭間の戦い』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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