未闘病記――膠原病、「混合性結合組織病」の

著者 :
  • 講談社
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感想 : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062190169

作品紹介・あらすじ

2013年2月、突然の高熱と激痛に襲われた作家は膠原病の一種、「混合性結合組織病」と診断される。不治、希少、専門医にも予測が難しいその病状……。劇薬の副作用、周囲からの誤解、深まる孤立感。だが長年苦しんできたこの「持病」ゆえの、生き難さは創作の源だった。それと知らないままに病と「同病二人」で生き、書き続けた半生をここに――。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終えるのに一カ月近くかかりました。(疲労した…)数ページ読んで積んだのが長かった。気になっている作家さんなので闘病記から入ると分かりやすいかな…と思ったけど、想像以上に難解でした。音楽で言うなら超高速ラップをバーっと流されているような。そんなアツいエネルギーの結晶でした。

    でもあとがきが最高に良くって、(この人の作品きっと好きだと実感した)本文もこういう風に書いてくれたらよかったのになぁ…と思いましたが、そこはやはり笙野さん。笙野節が炸裂していました。想いが強くなっているんだと思った。

    国の難病指定の方針で勝手に線引きをされてしまうと、患者会が分裂することになったり、患者同士対立するんじゃないかという考えは、まさにその通りだと私も思う。

    直感型というかインスピレーションや、ビジョンで作品を書いているんだと知った。慣れるとかなりいいかもしれない。棚を見ても手に取る自信がいつもシュッとしぼんでしまう。圧倒的されてしまう。

  • 「混合性結合組織病」と診断された作者の記録。
    記録は詳細で、専門用語を使った説明もあって、ちゃんと「闘病記」として成り立っている。
    でも、笙野頼子らしさは全開。
    当たり前だけど、ある病気と診断されたからといって人は急に変わるわけではないし、逆に人が全く病気に影響されずに生きるというのも無理な話、と気づかされた。
    病気の症状もその人らしさに影響するんだな、と思った。
    あと「あとがき」がものすごく良い。

  • 自由自在な文に翻弄されながら、引き込まれる。闘病記というより、頭の中の取り留めも無いものを徒然に…という感じで、生身の感情とか、病と幸福感とか、後書きなどでもまた、人類の普遍的なものに通じるような。
    病が日常になると、欲が出ることは、我が身を持って、頷く。

  • 表紙の猫が可愛かったから。あと、病気のことか多少気になったから読んだ。うわー、話進まねぇーと思いながら読んでました。生まれ育った時代も場所も自分とは違うからわからないから、なんとも言い難い。とりあえず、知らない人の売り言葉までも、作品使って買ってるのは難儀だなぁと思う。ただ、具合が良くなくて周囲と話が噛み合わない件は自分も経験があるなぁと思う。他の人のこと、『こんなに苦しいのに元気に生活しててすげぇな』とずっと思ってたんだけど、そうじゃなかった事がわかったのは私の体調が上向いてきてからだったから。

  • ほんと書き殴ったかのやうな文章ですねぇ…難しい病気ですけれども、著者がなんとなく前向きですのでそこまで暗くならずに済みます…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    表紙の猫ちゃんがイイですね…! まあ、それだけ…と言ってはナンですけれども、うーん…これまでの著作にも言及されていますねぇ…。

    実は著者…気が付かなかっただけでずっと「膠原病」だったような…そんな述懐をされておられますねぇ…その症状については何度も自らの作品の中に書いてきたとか…。

    僕はまだ彼女の作品をあまり読んでいなのでなんとも言えませんが…まあ、著者のファンなら読まずにはおれないエッセイでしょう…! 多分…。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 膠原病の一種、混合性結合組織病と診断された作家の闘病記のような私小説のような、語りの本。

    著者の病気以外の面も含めた生きづらさはなんとなくわかりつつも、文体がとにかく読みにくい。こういう作風の人なのだろうけれども……

    とにかく著者の自己主張の強さは良くも悪くも圧倒的だった。

  •  病気であったことがあとから分かった。今までなぜ人と比べて出来ないのだろう、苦しいのだろうと思っていたことは、病気のせいであることが分かった。

     タイトルの通りの膠原病、混合性結合組織病である著者の病名の確定から安定した段階までの手記というか何というか。
     もともと純文学で独特な表現として受け取られていた、表現が病状だったというのは腑に落ちる。その人にしか見えないものを書くのだろうから。しかし、この病状が安定しない時から安定したときまでを淡々と、己を他人のように突き放して表現し続ける著者の執念はどこから来るのだろう。遺伝子を持ったとしても発現は後天的なものだという。生きることは書くこととなる性質は後天的なのだろう。すごい。

     この人にしか書けないな、と思う本はたくさんある。けれども、もしかしたらすべての物語は、その人にしか書けないものなのかもしれない。

  • 闘病記だから、ちょっと手に取るのを迷う部分もあったのだけど、いざ読んでみればやはりいつもの笙野節。そもそも私小説と幻想小説の境目の曖昧な作風ゆえ、今回も私小説部分多め、でもノンフィクションでもエッセイでもなくやはり小説仕立て、として面白く読めました。面白いというと語弊があるのかもしれないけれど、つまり難解な病名や薬名や症状についての説明などを退屈と思わずすらすら読めたという意味で。

    ご本人もおっしゃってる通り、今までの作品でもかなり身体的不調の描写は克明だったし、病気には昨日今日「なった」わけではなくて、おそらく慢性的な不具合を「そういうもの」と受け入れていたら実はとんでもない病名がつくことが「判明した」という感じ。名前がつくことで芽生える「死ぬの!?」という恐怖もあるけれど、逆に今まで単に自分の要領が悪いのだと思っていたことが「病気のせい」であったことがわかって、楽になれる部分もあったのだと思う。

    基本的に私は健康だけど、やはり加齢とともにあちこちに不具合が出てくるし、逆にこれは加齢のせい、プレ更年期のせいでなんでも片付けがちだけど、もしかして全く別の病気の可能性もゼロではないわけで。「しんどい」と思う基準は他人と比較しようがないので、「甘えてる」「その程度で」と言われれば「そうなのかも」と思わざるをえず、逆に他人の「しんどい」を、やっぱりそこまで親身に思いやれない場合も多々あったりして、自分の不具合は自分で上手に調整、なおかつ他者の不具合にももっと敏感かつ寛容にならなきゃなあとしみじみ考えた。

    本編のいつもの笙野節に比べて、あとがきの文章のほうがザ・純文学の文体で大真面目に決意表明されていたことが印象的。

  • 2016/9/21購入

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著者プロフィール

1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。’81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。選考委員の藤枝静男に絶賛される。
’91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、’94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、’04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大賞、’05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、’14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。
近著に『ひょうすべの国―植民人喰い条約』『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』『ウラミズモ奴隷選挙』『会いに行って 静流藤娘紀行』など。’11年から’16年まで立教大学大学院特任教授。

「2021年 『猫沼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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