- Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062190275
作品紹介・あらすじ
B747ジャンボ機乗務時間世界一の元機長が、航空史上最大のミステリーを解き明かす!
乗客乗員239名を乗せて突如消えた、5つ星エアライン・マレーシア航空370便。筆者は事件当初から、前例なき異常の原因を予測していた。同じ空域での豊富な飛行経験なくしては語れぬ真実。テレビ朝日「ワイド!スクランブル」をはじめとする16日連続スタジオ生出演で、なにが「正しく」、なにが「ガセネタ」かを明らかにしてきた筆者が、未曽有の航空機事故の真実に迫る。
感想・レビュー・書評
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そういや、あの事件はどうなったんだろう?と気になって読んでみた。
真相自体は闇の中ではあるが、少なくとも有り得ない仮説が何なのかは理解できたとともに、ケースとして出された過去の航空事故の解説が簡にしてよくまとまっておりよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
機長がかなり衝動的に犯行を決意したと言う可能性も決して否定できない。
なぜ事件の核心に迫らないでそれらしい解説をするのだろうか? -
ヒューマンエラーでの事故が多い。この事故の後のジャーマンウィングの事故を予言していて、驚いた。
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なぜマレーシア航空機が消えたのか、
事実や経験から分析した推論もなるほどと思えますが、
これまでの航空機の事件や事故についてわかりやすく説明されています。 -
結局何だか分からないままなのか…。
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機長経験者の本。過去の事故やトラブルの事例も多く紹介されていて、報道された色々な推測を検証していて面白い。
やはり機長がハイジャックして、後方の乗客や乗員は気づいていなかったのではというのが著者の結論。
飛行機事故の色々を知るに面白い本。 -
ウクライナ上空で撃墜された17便ではなく、今年の3月にマレーシア上空で行方不明となった370便の事件について、かつて現役機長として現場空域の飛行経験もある著者による分析。事件発生直後に流れた「中央アジアまで飛行してタリバンに引き渡されたのでは」、「米軍が極秘に機体を保管しているのでは」等の様々なゴシップ的な推論に対して、現在私たちが知りうる情報と機長としての経験をもとに検証していきます。非常に理路整然と選択肢を一つ一つ消してゆく著者の推論の進め方には飛躍がなく、説得力があります。その著者がもっとも可能性が高いと推測するのが「機長自らの政治的な意図を動機とした事件ではないか」というもの。なぜその結論に収斂するのかは本書を読んでみてください。
この事件に限らず、様々な過去の航空機事故を引き合いに出し、その根底には「空の旅は何よりも安全が最優先で、人生のよき思い出となるべきであって決して悲劇の現場となってはならない(本書あとがきより)」という著者の強い信念が伝わってきます。
日本では航空機に限らず事故調査が「再発防止」よりも「刑事責任追及」に重点が置かれている現状に対する警鐘など著者の様々な提言にも共感できる部分が多いです。 -
アメリカのテロ前、飛行中のコクピットに招待頂いた時の事を思い出しました。
約300人の乗員、乗客の命を預かっていると思えば、とても自分には務まらない責務だなと感じたと同時に、何もしなくても飛んでいる自動操縦に驚きました。
責任者というポジションには人格が求められるものと思ってますが、親族、政治を含めた思想信条まで求めるとなると…。
そんな仙人みたいな人、何人いるのでしょうね。
とはいえ、本当に、犯人探しで終わるパターンではなく、次は、どうするか?
人間を過信しない、安全なシステム作りに繋げて欲しいですね。 -
2014年3月に突如消息を絶ったクアラルンプール発北京行きのマレーシア航空370便について、その事故から数カ月経った時点で、機体に何が起こったのか、今どうなっているのかを、あらゆる可能性を考慮した上で真相に迫ろうとするもの。取られうるべき安全対策への提言もある。
要約すると、マレーシア政府当局の対応は不誠実であり、最も可能性が高いのは機長の自爆説、インド洋を南下してオーストラリアの西で墜落した、というのが著者の予想だった。
調べてみると過去に2冊この著者の本を読んだことがあり、漠然と退屈な本を書く人だなと思っていたが、やっぱりこの本も冗長な感じが拭えず、結局「~したものだ」のような経験談の自慢と、事故そのものに関連して航空機の仕組みについて説明でページを費やす形になっていて、わざわざ単行本にまでする意図は何なのだろうと思う。ハワイのコナ空港到着時でコックピットで笑顔で写る著者の写真、とかp.30にあるけれど、事故をテーマにした本で不謹慎ではないのかと思う。結局事故をネタにして書ける航空ネタを書いたような形になってしまっていることが残念。事故に関しては何度も同じことを繰り返しているだけだった。
全く触れられていないことだけど、管制官の側としては予定されている航空機が全く来なかったら、色んな機関に連絡して捜索に当たるんじゃないのかなあ。「一般に軍のレーダーは民間機には関心がなく、特段の条件がないと、不明機の便名や高度なども把握できず、スクランブルによって追尾することはない。(pp.215-6)のようなことが何度も書いてあるが、スクランブルはしないにしても軍のレーダーにも管制官が連絡して捜索するのが自然だと思うんだけど。
ところで9.11前はコックピットに乗客を入れていた、という話は何となく聞いたことあったけど、結構普通にやっていた(p.186)、というのはちょっと驚きだった。あと2011年の9月にANAが浜松付近で「背面飛行」した(p.179)という事故は知らなかった。背面飛行、なんて旅客機が出来るのか?機内はどうなるのか、という。
今度マレーシアに行くので手に取った本だった。(23/07/17) -
マレーシア航空370便墜落事故について知りたくて読書。
著者は元JALの機長であり、航空機事故を検証してきたエキスパート。
この370便が消息不明になる1週間前にマレーシア航空に乗ったのでよく覚えている。
本書は、航空機の構造、これまでの航空機事故の原因、事故後どう変わったかなど分かりやすく説明している。
その上で事故当時に話題になった様々な説について著者の見解を述べている。
後半はマレーシアという国の歴史や政治、国内事情について言及し、結論は、機長による犯行だったのではないかと匂わせている。実はそれが権力闘争に関わる部分なので国家ぐるみで隠蔽している。だから、事件の真相は永遠に明らかにならないだろうとしている。最後の真相が明らかにならない点は現実になっている。
著者はマレーシア政府に強い疑念と不信感を持っているようだ。読み進めていくと、2017年2月の金正男氏殺害事件でのマレーシア政府や警察の発表や対応。そして、不可解な手打ちで事件をウヤムヤにしたのは、マレーシア航空370便墜落事故とまったく同じなのではないかと思ってしまった。
もっと早くこの事件に着目して経緯を追っておけば、金正男氏殺害事件後のマレーシア当局の発表に不要に振り回されずにすんだかもしれない。
本書を読んで、マレー人と華人、さらにマレー人の中での権力闘争の歴史、現状などマレーシアの国内事情をもっと勉強する必要があると痛感。
日本人は、マレーシアを過大評価しすぎて現実のマレーシアが見えていないのかもしれない。いい機会なので、今後へ備えてマレーシアの歴史や国内事情についてもっと学ぼうと思う。
読書時間:約1時間10分
本書は知人からいただいたものです。有り難うございます。