二度寝とは、遠くにありて想うもの

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 454
感想 : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062190541

作品紹介・あらすじ

大人気エッセイ、『やりたいことは二度寝だけ』がパワーアップしてかえってきた!
もっと笑えて泣ける、日常エッセイ集第二弾!
布団に感謝して話しかけたり、落ち込んだら編み物に没頭してみたり、「女子会」「いい歳」「打明け話」など、“言葉”について考えたり、「一人ごはん」や「無縁死」について考察したり……どこにいてもすぐ知らない人に道をきかれるという自称「気安い顔」の庶民派、芥川賞作家が綴る、味わい深くてグッとくる日々のエッセイ集第二弾。


1 となりの乗客の生活

2 現代のことばについて考える

3 溺れる乗客は藁をもつかむ

4 素人展覧会(第一期)

5 ソチとブラジル、その鑑賞と苦悩

感想・レビュー・書評

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  • 『やりたいことは二度寝だけ』(講談社)を読み終えて数日、早くも津村さんのエッセイを補給したくてたまらなくなる。
    中毒性、高し。

    津村さんのエッセイを読むと、ちょうどよい具合に力が抜けるのです。
    津村さんが『ダーヴィンが来た!』をビジネス新書を読むように真面目な顔して見ている姿を想像してにやにや。

    一方で、時折差し挟まれる人間関係やパワハラといった話題に対する目線にどきりとします。
    「幸せになれないということ」という2ページの短い文章が、鋭く刺さりました。

    今回収録されている、美術館巡りのレポートが個人的にはツボでした。
    普段よりもテンション高めなのが、とてもよい。
    毎回、ミュージアムショップの品揃えに言及されているのも、文具が好きな津村さんらしいです。

  • 津村さんの相変わらずの肩の力を抜いたゆるーいエッセイ。
    強烈なサッカーマニアだということが、この本を読んでも窺い知れる。
    美術展の感想などもあり、小説以外の芸術に対する彼女の感性が垣間見えた。
    「給料や立場を超えた、労働の隙間の興味深さ」が彼女がいつも書きたいと思っていることだとここで表現しているが、そうなのかあ、とあらためて感じいった次第である。
    彼女の作品がお仕事小説と言われるのは、あながち間違っていないのだ、作者自身もそれを意識して書いているのかと思い知った。
    それと津村さん自身の過去についても初めて知った。
    九歳のときに親が離婚して、母親に育てられ、父親に対しては、かなり屈折した思いを抱き、つい最近亡くなるまで会わなかったこととか。
    それが津村さんが小説を書くときにどれほどの影響をもたらしているかまでは想像できないけれど。

    とりあえず、会社員を辞めたことで二足の草鞋から小説家として集中できると思うので、津村さん、「エブリシング フロウズ」の次の作品も期待してますよ。

  • 「やりたいことは二度寝だけ」に続くエッセイ。
    会社勤めを続けながらの作家生活ではそうでしょうね!

    おふとんが大好きで、愛がこうじて話しかけるようになってしまった、という。
    確かに、電気も要らずに体温であったかくて、柔らかくて気持ちよくて~極楽ですよね。

    基本地道な生活ぶり、だけど、ちょっとした出来事や観察が面白おかしくて。
    年下の友達と喋っているような気楽さで読めますが。
    ‥あ、ほんとは芥川賞作家で、面白いことをこんなに書けるのも天然だからじゃなくて~才能ある作家だからなのよね?と途中で気づいたり。
    美術展の感想などは珍しく新鮮に感じました。
    おみやげ売り場にも、鋭いこだわりと観察眼が向けられてます(笑)

    あ、どこにいても知らない人に道を聞かれる「気安い顔」なのでは、って、私もあります。
    あんまり道を知らないのに‥(笑)

    こちらは2010年から2014年のエッセイをまとめたもの。
    途中で専業作家になったのに、二度寝は出来てないんだそうです。
    そうか~‥毎週やってる身としては、申し訳ないような(苦笑)
    根が勤勉? 眠る時ちゃんと熟睡しているからかも。
    健康に気をつけて、作品を発表してくださいね☆

  • 津村記久子さんのエッセイ2冊目。
    私はこの本を待っていた!という気がする。
    「布団への限りない敬愛」と題された最初の話から面白く、大満足な1冊。
    リビングに置いていたら拾い読みした父(津村さんの本は初めてだっただろう)が母に向かって面白いと絶賛しているのを聞いてしまった。
    心の中で「そうだろう、そうだろう」と満足する娘(私のこと)。
    世の中で生きることを困難だと感じたことがあって、その困難の中でささやかな幸せを愛でたことのある人ならば必ず津村さんのファンになる。と私は思っている。

    そして、今回もタイトルに入っていた「二度寝」の話があとがきに書かれていた。
    津村さんの二度寝状況はかなり厳しいようですが、思う存分二度寝出来るようになったらその幸福も目減りしてしまうのでしょう。きっと。
    遠くからそっと見つめながら「いつかは私も…」と夢見ている方がいいこともある。きっと二度寝もそうなのでしょう。
    というようなことで自分を慰めつつ、津村さんの3冊目のエッセイを待ちます。

  • 津村さんはもうなにを書いてもおもしろいのではないか。

    特に突飛なできごととか、失敗談とか、笑える体験を書いているわけでもなく、津村さんの普通の日常とか、日々考えていることとかを書いているだけでおかしい。笑える。そしてしみじみ共感したりする。
    わたしが特に好きだったのは、「本年もよろしくお願い致します」というタイトルの。たった2ページなのに、ものすごくおもしろくて、そしてなんだか涙が出そうになった。
    あと、美術展の感想のパートがあって、最初、うーん、あんまり興味ないなあとテンション下がって読みはじめたんだけど、すごく引き込まれて読んでしまった。どれもみな興味深く思えてきて、もし今行ける展覧会だったら即行くだろう。そしてミュージアムショップでグッズを買いこむだろう。

  • 待ってました、「二度寝」シリーズ第二弾!今回もまた全体に漂うユルさ、ついつい「プププ」と小さく噴いてしまう津村さんらしいユーモアがものすごくツボでありました!
    歳を重ねるほどに「ひとり時間」を大切にしたいという思いが強くなっていく。日々のあれこれで心がささくれ立ち、足もとふらふらになったときに、どんな風に踏ん張ればいいのか。そのヒントがさり気なくあちこちに散りばめられていて、なんか、安心できたなぁ。「なんでも言い合えるっていい?」「友達がいなさそう?が罵倒の文句になる理由」、「一人でごはんは不幸っすか?」にはものすごく共感。他にも常日頃自分が胸に抱えていたモヤモヤを津村さんがうまく言葉にしてくれたおかげで、すごくスッキリした。
    タイトルの理由が最後に明らかにされているが、次のエッセイはどんなタイトルになるんだろう。小説とはまた違った味わい深さのある津村エッセイはクセになる面白さ!第三弾が楽しみである。

  • 津村さんの素性は知らなかったけど、仕事について題材が多い理由が分かってよかった。基本、エッセイは読みたくない(津村さんがいうように好きなものの印象は壊したくないから)けど、読んで良かったな。味わい深いです。

  • 津村さんの話は、基本「働く」ってことがベースにあって、それが非常に等身大で、好きです。どんな状況でも働いてるってことを、肯定されているような気持ちになります。本書は絵もかわいい。

  • ここのところ、一押し!(#^.^#)の津村記久子さん。

    「八番筋カウンシル」
    「とにかくうちに帰ります」
    「ウエストウイング」
    「ポースケ」
    「これからお祈りにいきます」

    などを、舐めるように(^_^;) しょっちゅう読み返しております。(去年の「エヴリシング・フロウズ」はもう一声!汗だったけど)

    で、「やりたいことは二度寝だけ」に続く、エッセイ集。ここ3年程の新聞や雑誌に連載していたものを寄せ集めた一冊なので、時系列もちょいと定まらないし(途中で会社員との兼業から作家一本になられたので、これはいつの話? 辞めてから? 辞める前? と混乱。汗)、それぞれ字数が少ないのが物足りない、ということが難点ではあるのだけど、それでも津村さんの“匂い”とこんな思いを背景にあれらの小説群は生み出されたのか、と思えることが嬉しい。

    前作エッセイのタイトルから、うんうん、兼業では毎日がいっぱいいっぱいだよね、と思っていたのが、今回の「遠くにありて思うもの」からは、もう作家一本なのだから二度寝なんてやりたい放題じゃないの? それとも、二度寝する必要もないってこと? と予想していたら、全く予想外の展開を知らされ、そっか、それも津村さんってこと??と思ったり。

    冒頭の「布団への限りない敬愛」には笑った。

    布団に対して、

    電気・ガス・石油などは不要なまま、人間の体温のフィードバックのみで暖かくしてくれる

    と、古来(#^.^#)からあるモノへの今更ながらの鋭い考察で、実は、私もこの冬、寒い寒いと思いながら寝について、いつの間にかポカポカ暖かくなる布団の仕組み!をたいしたものだなぁ、なんてしみじみ感じていたところだったから、あはは・・すっかり共感してしまった次第。

    津村さんは、帰宅すると(これは会社からでしょうね)、布団に「今日もいやなことがあったけどなんとか帰ってきたよー」とか、「ありがとさんよー」とかまるで自分の友だちOR恩人のように話しかけ、最後は「ふーとーん」「ふーとーん」という布団コールで締めるという。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    はたから見るとどんなに物悲しく見えるのか、少し知りたい気もしますね、と一応正気のふりをして自分の性癖を疑ってみたりもするのだが、
    ・・・・・・・・・・・・・

    と来て、最後には
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    遠回しにお勧めする。

    ですと!!

    もうすぐ30歳、県外で一人暮らしの長女がもしかして同じことをやっていたりして?なんて、チラッと思ってみては、なんか妙に温かい気持ちになってしまうのはなぜでしょう?

    ・・・で、津村さん、早く新作の小説が読みたいです!

  • 「本当は、小学校の先生は、友達と仲良くしなさい、ということと同じくらい、でもべつに一人でもいいですよ、と言うべきだったのかもしれない。」
    ここは本当に身にしみてそう感じたフレーズである。

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著者プロフィール

一九七八年大阪府生まれ。大谷大学文学部国際文化学科卒業。二〇〇五年「マンイーター」(改題『君は永遠にそいつらより若い』)で太宰治賞を受賞し、小説家デビュー。〇八年『ミュージック・ブレス・ユー!!』で野間文芸新人賞、〇九年『ポトスライムの舟』で芥川龍之介賞、一一年『ワーカーズ・ダイジェスト』で織田作之助賞、一三年「給水塔と亀」で川端康成賞、一六年『この世にたやすい仕事はない』で芸術選奨新人賞、一七年『浮遊霊ブラジル』で紫式部文学賞を受賞。『ウエストウイング』『これからお祈りにいきます』『エヴリシング・フロウズ』エッセイ集『くよくよマネジメント』ほか著書多数。

「2018年 『ポースケ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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