吾輩ハ猫ニナル

著者 : 横山悠太
  • 講談社 (2014年7月16日発売)
3.10
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  • 本棚登録 :178
  • レビュー :28
  • Amazon.co.jp ・本 (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062190640

作品紹介・あらすじ

上海に住む日中混血(ダブル)の青年、カケル。
親元を離れ日々を徒然に暮らしていたが、ビザの更新のため日本に行くよう母親に言われる。一人旅のすえたどりついたのはオタクの聖地、秋葉原。その馬鹿馬鹿しくも傑作な結末とは?
 ――「日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説」、すなわち「カタカナを使わない小説」を書くというコンセプトのもと綴られるカケルの物語は、見たことのないルビ使い、日本語と漢語を大胆不敵に混交した文章で、読むものを幻惑し圧倒します。言語自体を相対化する文章表現、日中現代文化への風刺、漱石や子規他近代文学のパロディなどなど、知的な企みは、新鮮な驚きに満ちています。思わず声を出して笑ってしまう、個性的なユーモアにも注目してください。
「面白い小説」そして「優れた批評」を一度に堪能できる、今年を代表する文学が誕生しました!

吾輩ハ猫ニナルの感想・レビュー・書評

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  • 中国語と日本語+Jポップ読みみたいな雰囲気。中国語が堪能な方に読んでもらったら「むかつくわー」とのこと。すごく面白かった。特にスピッツのくだり。
    気の抜けた会話文と地の文の硬くも柔らかくもないあの感じ。漱石好きは楽しめる(すごく笑った)。それともやっぱり「むかつくわー」になるのかな。

    • balloonheadさん
      私も漱石を思い出しながら笑ったのですが、
      そのお知り合い、どういう点がどんな風に
      「むかつく」のか、教えてはくださらない
      かしら? すごく興味です。
      2014/09/23
    • 美希さん
      >balloonheadさん☆

      漱石好きとしては笑える箇所が多かったんですけどね。彼のいうむかつくは理屈としてむかつくというよりは単純に生理的なむかつくだと思います。漱石云々じゃなくて単純に中国語の使い方というかあの文体自体が好みではなかったようですね。私は中国語が全くできないのでできるかたの気持ちや読みはわからないですが。
      2014/09/24
    • balloonheadさん
      そうなんですね、ありがとうございました。
      でも、「むかつく」は、色々考えてみるきっかけとしては面白いです。
      「猫である」だって、むかついた人がいたはずだと、改めて考えたりしています。
      2014/09/25
  • 読破できないかと思いながら読み始めたら意外とスルスル読めた。よく似た題名の古典的近代小説と結びつけないほうがいい。このお話はこのお話。日中のダブルらしき青年の(たぶん)普通な日々を描く。最後のところで題名の意味がわかる……ような。ちょっとスカされた感が猫にいいようにさちゃったような感じと似てるかも。

  • 日本語を学ぶ中国人を読者に想定した小説とのこと。中国語をかじっている人には、たとえばシャワーを淋浴と書くような日本語と中国語のちゃんぽん感が面白いと思う。さらっと読める一冊。

  • 第57回群像新人文学賞受賞作品。

    思わず吹き出しちゃったくらい笑えるユーモア小説。
    日本語を学ぶ中国人向けの日本の小説を書こう、というコンセプトで書かれた小説であるとのことだが、逆に日本人にとっても中国語を学ぶというか親しみをもつのにいい小説なのではないかと思った。
    中国人にとってカタカナはかくも大敵とは。主人公の中国人と日本人のハーフ(とは言わないんだっけ)もカタカナが憎く、彼の語りで進められるこの小説はずっと本来カタカナで表される単語に中国語の漢字(に日本人向けにカタカナのルビがふられている)が当てられているが、ラスト猫になった後の文章は自然にカタカナが使われている。これは何を意味するのか……。猫になったことによって彼の中で何か悟ったというかはっちゃけた感じは受けるけれど。
    「どうして俺はこんなにへそ曲がりのつむじ曲がりのおたんこナスなんだ。本当は日本のことも大好きなくせに。(p133)」とあるように、猫になってふっきれて「本当は日本のことも大好き」だということを受け入れたので日本特有のカタカナ文化も受け入れた、というところだろうか。
    大してかかわってもない猫を「先生」と呼ぶところ、好き。

    笑えたところ。
    ・中国人たちのロビンソンの歌詞への無理解。
    なんだよルララってみたいな。確かに(笑)
    「男女紛紛たる議論の末、結局これは神経病者かアルコール中毒者のうわごとを誰かが口述筆記したものであろうといった者の意見が、最も有力となった。(p46)」
    ・日本に来て税関を抜ける際に「おかえりなさい」と言われたので、メイドカフェ(とは何か主人公はいまいち理解できずに、ただの喫茶店だと思い込んだまま入店)でおかえりなさいませーごしゅじんさまにゃーん! と言われたのを日本の文化だと思い込み「ただいま帰りました」と答えたところ。
    「機場でも珈琲店でも何処でも「おかえりなさい」というフレーズは用うものらしい。察するに「いらっしゃいませ」の意味もあるのだろう。畢竟日本人はあいさつ狂である。ましてや「おかえりなさいませ」とはご丁寧なこった。それにしても、最後の「にゃーん」は何事だ?」

  • 中国語で書かれた日本語の本。趣向が面白い。文も徐々に吸い込まれるような不思議な感覚。日本人の父と中国人の母を持つ主人公のドタバタ劇が単調ようだけどジワジワ来る文章で面白い。

  • あらゆるところに企みが隠されていて楽しい。日本語がかなり相対化されていて、言葉遊びも満載。それをひとつびとつ味わっているうちに読了。ただ、知的にはたいへん満足できたけれど、別世界に連れてはいかれなかった。ひとつには、恐るべき他者が描かれていないからだろう。スケッチ的には描いてあるが、それと関わりを持ちかけたとたん、主人公は猫になってしまう。

  • おもしろい(興味深い)小説である。どの文字(中国の漢字、日本の漢字、ひらがな、カタカナ)をどのように配置(本文か、ルビか)するかによって、同じ出来事を描いても、全く見え方が異なるし、読み手の頭の使い方も変わる。(漱石が明治時代にやったことと同じと言えば同じなのだろうが、今までに無い角度で漢字仮名交じり文を読んでいるという感覚は、漱石の文章より本書の方が強い。)それを軽妙なストーリーとともに様々に変奏して実証している。物語としての感動はないが、その着想や構成の巧みさはお見事。読んで損はない。

  • *図書館の所蔵状況はこちらから確認できます
    http://opac.lib.kitami-it.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB50103880&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • よくわからなかった。字数が少なくて、助かった。

  • 中国育ちの日本人による身辺雑記&日本旅行記という体で書かれた小説(著者は中国留学中の日本人とのこと)。旅行記は日本を外部の視点で異化して描いているのだが、舞台が秋葉原だけに元々異化されているのではないかと思わないでもない。

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