• Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062190657

作品紹介・あらすじ

今最も注目される翻訳家、岸本佐知子氏が「変な愛」を描いた小説ばかりを集め訳した英米文学アンソロジー『変愛小説集』『変愛小説集2』は新聞各紙、多数の雑誌で大絶賛され、翻訳アンソロジーとしては異例の人気シリーズとなりました。
そしてついに、その『変愛小説集』待望の日本版が登場いたします。
「変愛は純愛。そういう目であらためて見まわしてみると、海外の作品のみならず、日本の作品にも、すばらしい変愛小説がたくさんあることに気がつき」、「ここ日本こそが世界のヘンアイの首都であると思え」たという岸本氏が選んだ、現代の12人の恋愛小説の名手による、変てこだったりグロテスクだったり極端だったりする、究極に純度の高い愛のアンソロジー。

形見 川上弘美
韋駄天どこまでも 多和田葉子
藁の夫 本谷有希子
トリプル 村田沙耶香
ほくろ毛 吉田知子
逆毛のトメ 深堀 骨
天使たちの野合 木下古栗
カウンターイルミネーション 安藤桃子
梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる 吉田篤弘
男鹿 小池昌代
クエルボ 星野智幸
ニューヨーク、ニューヨーク 津島佑子

感想・レビュー・書評

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  • 読んでる時はパンチ力がないなあ、と感じていたが、読後、それぞれの持ち味を反芻してみると、いやいやどうしてくせものばかりです。最初の川上弘美さんが印象的だったな。村田沙耶香のトリプルは別の場所で既読しており損をした気分。

  • どこが愛?と思ったのもあるが面白い。深堀骨の作品が読みたくなってアマゾンで検索したが意外と高くて保留。

  • 愛はどこに?
    アンソロジーは好きでよく読むんだけど、読みたくない人のも読まなくちゃいけないから大変。

  • 岸本佐知子が選んだ日本の作家による書き下ろし。
    川上弘美はやっぱこういう、水墨画みたいなアワアワした中の怖さ、うまいなーと思った。
    漢字が本の中で蠢き踊り出す多和田葉子、藁の夫とのセレブ?な暮らしの本谷有希子、辺りが面白かった。革靴の話の小池昌代も、初めて読んだけど色気があって素敵。脚って映像的にも綺麗な色気というか、大人という感じ。
    最後に?‼︎てなる話もいいけど、突っ込み不在で不穏な空気が渦を巻くようなタイプもいいな。

    あと装丁画が内容にあってて素敵。MARUUという作家さん。
    前後の岸本佐知子による文章もやっぱり好きだなあ

    「これ全部訳してぇぇぇ!」

  • 翻訳版が大変面白かったので、期待して読んだけど、さほどでもなかった。
    翻訳版は、沢山の作品の中から岸本佐知子がセレクトしたものだけど、こっちは「書き下ろしてください」と作家にお願いしたわけだから、出来上がった作品がいまいちでも載せないわけにはいかないもんね。だからクオリティが落ちるのは当然かもしれない。
    だったら既に発表された作品の中から岸本佐知子がセレクトすれば良いのだろうけど、著作権とか色々難しいのでしょう。
    安藤桃子は下手。「変愛」で言えば本谷有希子や星野智幸が良かった。

  • 一冊の本を読むということは、筋書きを追いかけたり奇想天外な展開にふらふらしたりすることを楽しむよりも、実は言葉の抑揚や拍子、その裏にある作家の息遣いを、むしろ、楽しんでいるものなのだなと、私花集を読むと気付かされる。この本は、翻訳家が自らの選んだ作家に短篇を書き下ろしてもらうという、なんとも贅沢な企画の本。それだけ聞いても充分わくわくするが、更に、翻訳家も選ばれた作家の多くも、普段から好んで手に取る本の作り手でもあるので、すいすいと読むみ進むかと思いきや、短篇毎の調子の違いにたちまちこちらの息があがり、息を整えることを強制されるようにして、ぽつぽつと一つひとつの短篇毎に小休止を置かざるを得ない。面白いものだなと感じる。

    それにしても、いずれの作品も短い文章の中で随分と変わったことが起きる。その変節度は何れも甲乙付けがたいけれど、その曲線のしなやかさには差がある。数学的なメタファーで例えれば、二階微分可能な滑らかな関数がある一方で、微分不可な極限点を持つ関数もある。個人的にはどこまでも滑らかであるにもかかわらず、いつの間にかとんでもない方向に導かれるような話の展開に惹かれるが、たまにはがつんと衝撃を受けるのもまたよい。

    もちろんそうは言っても好きな作家の文章は、その言葉の連なりの滑らかさや句読点の作り出す拍子に乗せられて、知らず知らずのうちに心地好くなるのも事実。改めて蛇を踏んだり、男の靴に足を入れたり、存在しない子どもに代わって探偵をしたりする作家たちのことが気に入っているのだなとも自覚する。そして、何故ここに人形の中に入ってチェスをする少年の作家がいないのだろうかとか、耳の中がぶんぶんするような名前の作家が含まれていないのかななどと思ったりもする。究極的にこの本は、岸本佐知子という翻訳家の価値観に対するリトマス試験紙のようなものなのかも知れない。

    多分、試験紙が赤くなろうと青くなろうとどちらでも構わない、と一風変わった作家の作品ばかり翻訳するこの編者は考えているのだろう。色が変わらないのは困るのだ、と。出来れば、赤くなったり青くなったりして欲しいのだ、と。編者の目論見通り、一篇毎に大きく身体が揺さぶられるような感覚が、読み終わってもしばらく振り払えない読書となる。

  • これは嬉しいアンソロジー!
    ただ、変愛、の意識が強い感じ。意図を持って書かれたが故に純な変愛から離れてしまったものを含むような。日本人編も、作品ありきの編が良かったかな。

  • このあらゆる変愛、変なのに共感できる。
    自分の持っている常識なんて
    簡単に覆ってしまう。
    各々がもっている世界は決して間違いではないし、正しくもない。
    しかし相容れないことも多くある。
    闇の中でこそ光は輝くし、
    その二つは実は同じ所にあることが多い。

  • たしか、図書館で検索したときに、このずらずら並ぶ著者の誰かの名前が引っかかったのだと思うが、誰の名前を検索したのだったか、読み終わってみると全く思い出せない。

    編者の岸本佐知子は翻訳家でもあるが、『ねにもつタイプ』とか『気になる部分』という変なエッセイも書いている。このエッセイ類で私はかなり笑ったおぼえがある。お花畑の河童が…

    その変なエッセイを書く岸本佐知子が、あるとき、翻訳アンソロジー『変愛小説集』を編んだ。「恋」ではなくて「変」である。「偏」ではなくて「変」である。誤字ではない。

    カバー装画は、MARUUさんという人。(遠目には、色使いと雰囲気で、勝手に山本容子かと思っていたら違った。) 「変」によく合っている。

    巻頭は川上弘美。王道のような気もする。私はこの人の変な系統の「おはなし」もスキなので堪能した。以下、ぞくぞくと、変な話が続く。

    初めて名前を知った書き手や、初めて読んだ作家も。印象に残ったのは「トリプル」(村田沙耶香)と、「逆毛の留め」(深堀骨)。

    村田沙耶香は、『殺人出産』という、なんかコワそうなタイトルの本がある(これに「トリプル」も収録されているらしい)。「トリプル」がおもしろかったので、タイトルにビビらずに、こんど読んでみようと思う。深堀骨[ふかぼり・ほね]には、『アマチャ・ズルチャ』というSF作品があるそうだ。

    アンソロジーは出会い系でもあるので、おーっと思った人の新しい本を読んでみたい。そして、この日本作家編の本家、翻訳アンソロジーのほうの『変愛小説集』も読んでみようと思う。

    (1/13了)

    ※日本作家編の収録作品
     「形見」(川上弘美)
     「韋駄天どこまでも」(多和田葉子)
     「藁の夫」(本谷有希子)
     「トリプル」(村田沙耶香)
     「ほくろ毛」(吉田知子)
     「逆毛のトメ」(深堀骨)
     「天使たちの野合」(木下古栗)
     「カウンターイルミネーション」(安藤桃子)
     「梯子の上から世界は何度だって生まれ変わる」(吉田篤弘)
     「男鹿」(小池昌代)
     「クエルボ」(星野智幸)
     「ニューヨーク、ニューヨーク」(津島佑子)

  • まさに、変愛小説集w ヘン過ぎて理解不能なものもありましたが・・・w おススメです♪

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。著書に『蛇を踏む』(芥川賞)、『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)、『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)、『水声』(読売文学賞)等。

「2018年 『話しベタですが… 暮らしの文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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