風味さんじゅうまる

著者 :
  • 講談社
3.40
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本棚登録 : 200
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062190749

作品紹介・あらすじ

舞台は、福岡県飯塚市の長崎街道近くにある錦町商店街。中2の伊藤風味(いとう・ふうみ)の家は、大正時代からつづく和菓子屋「菓匠・一斗餡」を営んでいる。風味の家族は、祖母のカンミと両親、そしてイケメンでチャラ男の兄・北斗。北斗は長崎の老舗カステラ店で修業中の身だ。
そんな一斗餡に舞い込んできたのは、長崎街道=シュガーロード沿いで店を構える菓子店が一同に集結して、新製品の菓子で競い合う「SGRS(シュガーロード・スイーツ)グランプリ」、略してSS1グランプリ参加のお誘いだった。文化祭に出典する大作の絵を描いている途中、同じ部員で超絶美少女の優里に嫉妬まじりの八つ当たりをした風味は、部活に出づらくなっていたこともあって、別に打ち込むことができたとばかり両親にSS1グランプリへの参加を促す。そこに、修業先を脱走して帰ってきたチャラ男の兄も加わって、新しいお菓子をつくることになったのだが……。
九州発のスイーツな“ご当地青春コメディ”。

感想・レビュー・書評

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  • まはら三桃さんの作品はいつも学生の揺れる気持ちの描写が巧みだと思う。風味さんじゅうまるでは、部活で上手くいかなかった上、兄との差に悩む風味の思いに、こんなふうに学生の頃感じたことあったなと思いながら読んでいた。

  • 和菓子が食べたくなるので注意!


    商品ラインナップを変えずに、日々粛々と
    家族で切り盛りしてきた老舗和菓子屋「一斗餡」。
    このたび、シュガーロードグランプリと呼ばれる
    新作お菓子のコンテストに挑戦することになり…
    和菓子職人の修行に出たはずの長男の出戻り、
    嫁姑問題の勃発、
    新作作成にのめりこみ周りが見えなくなる父。
    果たして新作はコンテストまでに間に合うのか?

    久しぶりに児童書を読むと、
    ルビの多さにびっくりしますね。

    和菓子が好きなので、手に取った本なのですが、
    あまり和菓子はクローズアップされていなくて、
    そこが残念でした。
    洋菓子店でも置き換え可能となると、
    なんで和菓子屋さんにしたのかなと思ってしまう。

    児童書なので、重たすぎるテーマもあれですけど
    少し物足りない感。
    和菓子を食べたい気持ちだけが残った。笑

  • 長崎街道、伊藤伝右衛門邸でも話題の今旬の飯塚が舞台です。飯塚の詳細な描写や小倉までの街道筋の実在の地名いりの描写は、さすがご当地の作者さん。
    知ってる人は、屋号にも覚えがあってうれしいはず。
    …以降はネタバレです。

    方言の使い方もまさにネイティブ。カンミさんの「つまるもんか」や典子さんの「~してから!」の使い方か絶妙。県外の人がニュアンスがわかってもらえるとうれしいな。
    お話は老舗和菓子屋の娘、風味の成長物語。イケメンで才能あるのでの兄への淡い嫉妬や、部活内の葛藤 、グランプリにあわせた新作和菓子の開発などをとおして描かれる。YAだが、カンミの昔の友人のおばあちゃんや、カンミの病院スタッフの父親のもと炭坑夫のおじいさんのエピソードが話に深みをあたえています。
    カンミさんのおじいさんに対する「それはご苦労様でした。」のセリフと行動にぐっときた。その土地で生活する人たちと共に生き、その人たちのお陰さまで生き
    、その人たちのために菓子をつくってきた、代々の心が凝縮されているように感じた。

    余談ですが、落盤事故を教えてくれたのは、私が聞いた話は、改行します…



    タヌキと聞いたことがありますよ。(^^)

  • 和菓子屋「一斗餡」の娘、風味がとても可愛い(*^^*)兄の北斗の進路問題、祖母の病気、お菓子のグランプリに出す新作和菓子の開発、炭鉱の仕事の話、風味の部活と恋などなど盛りだくさん!(^^)そして最後にはやっぱり風味さんじゅうまるが食べたくなる(*゜Q゜*)

  • バタバタコメディかと思いきや、
    思春期の抱える悩みやら、炭鉱の話やら、
    ちょっと立ち止まって考える部分もあり。

  • 老舗和菓子屋の兄と妹。年頃相応の悩める妹から見た兄と家族の日々。
    和菓子の商品開発の面白さと文化祭にからむ青春物語に老舗、職人への眼差しと炭鉱夫の歴史が絡む。読み応えがありつつ、エンタメ的にも面白い。
    この作家は結構好みかもしれん。

  • sg

    再読

  • 老舗の和菓子屋の娘の風味。家族の問題に頭を抱えたりもするけど……。

  • 平成30年9月の特集「お菓子な本」

  • 老舗の和菓子屋の娘、風味が主人公。
    おばあちゃんの入院、兄は製菓の専門学校へ進学したはずなのに出戻り、父は菓子のコンテストに出品するための新商品の開発に乗り出すが、さてその結末は…。

    いろんなテーマを詰め込みすぎて全体的に大味になってしまっているような気がしたけれど、兄や友人に引け目を感じながらも、素直にひたむきに日々の生活に向き合う風味の姿勢が清々しかった。(ちょっといい子すぎるかな?でも感情を爆発させるシーンもあるし、ちょっとおめかししてコンテストの売り子に立つときの初々しさなど、とても可愛らしかった。)

    印象的だったのは、看護婦の娘さんと和菓子を買いに来たおじいさんのお話。安易に答えを出さず、深くしみじみとしたセリフが渋かった。

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著者プロフィール

福岡県生まれ。講談社児童文学新人賞佳作『カラフルな闇』でデビュー。作品に、『青(ハル)がやってきた』、『鉄のしぶきがはねる』(坪田譲治文学賞、JBBY賞)、『たまごを持つように』 、『伝説のエンドーくん』、『思いはいのり、言葉はつばさ』『日向丘中学校カウンセラー室1・2』『零から0へ』『かがやき子ども病院トレジャーハンター』など。

「2023年 『つる子さんからの奨学金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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