死に支度

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 165
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191357

作品紹介・あらすじ

「死に支度」は「生き支度」。92歳の現役作家であり僧侶として幅広い読者から支持を集める瀬戸内寂聴氏。誰よりも濃く、深く生きてきた著者は、卒寿を機に「いつ死んでも悔いはない。毎日が死に支度」との思いでこれまでの人生を振り返り、出会ってきた数々の愛する人々や出家者の死に様を交えながら、自らの死に方を考えていく。そして最後に行き着いた、意外な境地とは―‐? 死と向かい合い、新たな生を考える智恵の書。

【あらすじ】
91歳の誕生日を前にしたある朝、小説家の私に長年付き添ってきた寂庵のスタッフたちが一斉に辞意を伝えた。自分たちを養うために働くのはもうやめて、これからは大事な仕事だけに専念してほしい、との彼女たちの思いに心打たれた私は、「卒寿の革命」を決意する。ただ一人残った最年少のスタッフ、24歳のモナとともに新たな生活を始めた私は、間近に迫る自らの死を思い、最後の連載「死に支度」を始める。それは、これまでの人生を振り返り、出会ってきた愛する人々や出家者たちの死に様を通して、自らの「理想の死に方」を探る旅だった――。

感想・レビュー・書評

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  • 寂聴さんが、92歳の時に書かれたもの。小説ではなく自伝かな?若い女性秘書にサポートしてもらいながら生活する毎日はちょっと羨ましい。秘書との会話は楽しくほのぼのした。寂聴さんはもう生き飽きたと言う。生きることにしがみつき周りを振り回す高齢者も多い中でそんな心境になれるのはどうしてだろう。自由に生きた実感があるからかな。

  • もう瀬戸内寂聴を止めることは誰にもできない!いいのかこんなに赤裸々で!

  • まだまだ死に支度はしないけれど、寂聴さんの90歳すぎても衰えない、エネルギッシュさはすてき。
    そして彼女の周りには私くらいの年齢の若い子がそばにいて、それが元気の源になっていることを彼女も知っているはず。

  •  宇野千代さんの米寿のお祝いの会では、風呂に入っている上半身ヌードの大きな写真が舞台の壁一面に映し出されて、参加者たちを驚愕させたものだった、と。さすが、宇野千代さん。遊び心が! 瀬戸内寂聴「死に支度」、2014.10発行。91歳直前の著作とか。雇用50年以上の人も含めて数人の秘書(お手伝い?)を雇っていたのですね。ご本人は、51歳で出家、出家と何度も言ってますが、出家とは何だろうと思いました。女学校に一番で入ったとか、若い頃は男にもてて仕方がなかったとか・・・。やはり、この人は完璧に相性が悪いです。

  • 44ページ読んで挫折。
    まだ私の年齢では早すぎるということか。
    良かった。

  • さすがの文章力に感嘆した。
    とても優しい文体で、本を開くとセミの声や周りの喧騒が一段遠くに感じられる気がする。静かな心持ちで読書に耽ることができた。

    目の当たりにしてきた様々な死と、目の前に迫ってくる自らの死。自らのそれを迎えるまでにやれる事を全力で取り組みながら、一方で寂庵の庭の植物を愛でながら静かに待つ。できてないと綴りながら、それこそが死に支度なんだろうなぁと、勝手に感じた。

  • こんなふうに、下の世代の人とかかわれるって幸せだよね。

  • 誕生日が、同じ。得度以前の作品は生々しくてまだ読めず、エッセイをさや対談をよく読んでます。書簡形式の文面もあり、興味深い。

  • 92歳を迎えた著者の死に対する態度を書いたエッセイ。70台ですでに生前葬を行い、そのさらに前に出家しており、とっくに死んだものとなって胃はいるがなかなか実際には死なず、多くの人を看取る一方精力的に活動しその有り余るとても92とは思えないエネルギーを他者との交流や執筆に当てている毎日。

  • 久々に、瀬戸内寂聴さんの本を読みました。始め、マネージャさんの一人称ではじまるので違和感がありましたが、全体には面白く改めて達者だと感心しました。死ぬまでに書いて置きたいこと、ご自分の家のこと、尽きないでしょうが、死に支度2を出しても良いのではと思います。

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著者プロフィール

1922年、徳島県生まれ。東京女子大学卒業。63年『夏の終り』で女流文学賞、92年『花に問え』で谷崎純一郎賞、11年『風景』で泉鏡花賞を受賞。2006年、文化勲章を受章。2021年11月、逝去。

「2022年 『瀬戸内寂聴 初期自選エッセイ 美麗ケース入りセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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