冥の水底

著者 :
  • 講談社
3.45
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本棚登録 : 149
感想 : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191432

作品紹介・あらすじ

医者である市原玲人は、友人の平松光恵に、首から上だけが狼のいわゆる「狼男」の死体写真を見せられる。彼女はその写真と大切な取材手帳を市原に託し、忽然と姿を消した。時は20年遡る。阿巳雄山の奥に、特殊能力を持つ「マガチ」とよばれる人々が暮らしていた。マガチの青年シズクは、初恋の少女を忘れられず、彼女を追って東京で暮らし始めるが……。一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 決してホラーではない、悲しいストーリー。
    2段組みで400頁強の大作、あっという間に読み切れるだけの展開、筆力なのに、心の抑揚、揺れるところ、著者に求めるところがなくて残念かな。

  • 朱川さんの作品ファンになりました。
    昭和50~60年代に書かれた、シズクが想い人の女性にあてた手紙(一度も出されることなく、ただ自分の心をつづった純粋な気持ちの手紙)と、平成の現在に起こっている失踪&殺人事件の謎解きが、交互にそしてだんだんそれらが結びついてくるように作られています。
    シズクの手紙に魅力があります。
    終盤は、やや緊張感がなくなってしまいましたが、それまでは面白くて、分厚い本もあっという間でした。
    シズクの最後は分かったけど、他の登場人物が、その後どういう形で収まったのか、そこも気になるので書いてほしかったです。

  • ホラーというかオカルトめいた設定は「そういうもの」として受け入れるのが違和感のある人もいるかもしれない。現代小説だと特に。
    それはそれでいいんですけど・・・なんとなくざっくりと終わっちゃった感があるかな。結局その後どうすんだよ?と。特に主人公の息子をめぐるあれこれはまったく解決することなく、また別れ別れなんだろうし。「血が繋がってないから人質としての価値がない」という部分のためだけの設定だとしたらちょっと重すぎる気が。各論めいた感想になっちゃいました。

    読んでる最中、中盤くらいは結構楽しく読めました。

  • 朱川ワールドというのは、わかったようなわからないような、理解の線上をふらふらする所が最大の魅力だと俺は思うのですが、この作品に関してはわかりやすすぎて物足りません。よく使う言い回しですけど、朱川じゃなくてもが書けるお話じゃね?みたいな。

  • 玲人に「狼男」が写った写真を見せた友人が忽然と姿を消す。それから30年近く前、ある力を持ったマガチの青年シズクが、初恋の少女を追って上京していた。2つの時が交錯し、物語は切ないエンディングへと疾走する。。

    ホラー+昭和が朱川作品の特徴で本作もそこはいつも通りなんだけど、何かが足りなかった。純愛を貫いたマガチに感情移入できないからか、新宿バス放火事件など実際にあった事件の引用が邪魔をしているためか、理由はわからないが期待外れの大作だった。
    (C)

  • シズクの純粋な気持ちが美しい。
    そして、美しいゆえにあまりにも悲しい。
    ヒト以外の生き物に変身する能力を持つマガチという
    存在。
    その秘密を追う記者の失踪。
    血のつながらない父を慕う少年の思いのいじらしさ。
    ラスト、シズクの一途さに胸がつまる思いだった。
    マガチという存在にも、、、

  • 面白かったですが、少し中途半端。

  • ☆☆ 1.5個
    どんどん読み進めて二日で読了。
    これだけの分量を二日で、ということは取りも直さず面白かったのだろうと思うけどが・・・。

    どうも島田荘司の作風に今回は似た感じがする。
    それが故と言うわけではないが、最初から作品全体の綿密なプロットなんぞは考えてはおらず、連載の中で行き当たりばったりで、主要登場人物を行方不明にさせたり、正体不明の死体を現出させてたりしている。
    こういう本を短時間のうちに読み終えると、どうにも消化不良である。
    例えば、あの時のあの意味ありげに登場した死体のをたったそれだけの説明でかたづけちゃうのかぁ? って感じである。

    この物語の雑誌「現代小説」への連載は、2006年に開始して2009年6月で完結している。なのに、今(2014年秋)まで本にするのをためらっていたのは、そういうなんともならぬ出来の悪さが原因でわ?という勘ぐりをしてしまう。いやたぶんそう通りなのだろう。こりゃ潔く出版なんかしないでお蔵入りさせればよかったのかもしれないなぁ。すまぬ。

    そして、本文306ページの記述「アクリルのトタン板」ってえのはねえぞぉ。
    トタン板と言うのは亜鉛メッキ鋼板のことなのだから。
    え!?鋼板ってなに?って。
    すまぬすまぬ。もうしらん(´・ω・`)

  • 面白かった!二段組みの長編で読むのに時間掛かりそう、と思いながら読み始めると、何とも読みやすい文章!スラスラと入ってきます。
    日本版X-MENみたいなSFなのですが、切ないストーリーです。
    少し東野圭吾の幻夜に通ずる所がある様に感じました。この手の話は個人的には好きです。

  • 異形のぼく。
    出せない手紙。
    ただ、君に会いたい。

    この帯に惹かれて読んだ。
    もうちょっと心揺さぶる激情がほしかったかな。
    様々な視点や思いが混ざりすぎて、感情が平均値よりちょっと上くらいになってしまった感。
    いや、でも面白かったです。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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