冥の水底

  • 講談社 (2014年10月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784062191432

みんなの感想まとめ

悲しみを伴うストーリーが展開される作品で、昭和の手紙と現代の失踪事件が交錯しながら進む内容が特徴です。手紙の持つ純粋な想いが魅力的で、ページをめくる手が止まらないほどの展開が魅力となっています。特に中...

感想・レビュー・書評

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  • 決してホラーではない、悲しいストーリー。
    2段組みで400頁強の大作、あっという間に読み切れるだけの展開、筆力なのに、心の抑揚、揺れるところ、著者に求めるところがなくて残念かな。

  • 朱川さんの作品ファンになりました。
    昭和50~60年代に書かれた、シズクが想い人の女性にあてた手紙(一度も出されることなく、ただ自分の心をつづった純粋な気持ちの手紙)と、平成の現在に起こっている失踪&殺人事件の謎解きが、交互にそしてだんだんそれらが結びついてくるように作られています。
    シズクの手紙に魅力があります。
    終盤は、やや緊張感がなくなってしまいましたが、それまでは面白くて、分厚い本もあっという間でした。
    シズクの最後は分かったけど、他の登場人物が、その後どういう形で収まったのか、そこも気になるので書いてほしかったです。

  • ホラーというかオカルトめいた設定は「そういうもの」として受け入れるのが違和感のある人もいるかもしれない。現代小説だと特に。
    それはそれでいいんですけど・・・なんとなくざっくりと終わっちゃった感があるかな。結局その後どうすんだよ?と。特に主人公の息子をめぐるあれこれはまったく解決することなく、また別れ別れなんだろうし。「血が繋がってないから人質としての価値がない」という部分のためだけの設定だとしたらちょっと重すぎる気が。各論めいた感想になっちゃいました。

    読んでる最中、中盤くらいは結構楽しく読めました。

  • 朱川ワールドというのは、わかったようなわからないような、理解の線上をふらふらする所が最大の魅力だと俺は思うのですが、この作品に関してはわかりやすすぎて物足りません。よく使う言い回しですけど、朱川じゃなくてもが書けるお話じゃね?みたいな。

  • 玲人に「狼男」が写った写真を見せた友人が忽然と姿を消す。それから30年近く前、ある力を持ったマガチの青年シズクが、初恋の少女を追って上京していた。2つの時が交錯し、物語は切ないエンディングへと疾走する。。

    ホラー+昭和が朱川作品の特徴で本作もそこはいつも通りなんだけど、何かが足りなかった。純愛を貫いたマガチに感情移入できないからか、新宿バス放火事件など実際にあった事件の引用が邪魔をしているためか、理由はわからないが期待外れの大作だった。
    (C)

  • シズクの純粋な気持ちが美しい。
    そして、美しいゆえにあまりにも悲しい。
    ヒト以外の生き物に変身する能力を持つマガチという
    存在。
    その秘密を追う記者の失踪。
    血のつながらない父を慕う少年の思いのいじらしさ。
    ラスト、シズクの一途さに胸がつまる思いだった。
    マガチという存在にも、、、

  • 面白かったですが、少し中途半端。

  • ☆☆ 1.5個
    どんどん読み進めて二日で読了。
    これだけの分量を二日で、ということは取りも直さず面白かったのだろうと思うけどが・・・。

    どうも島田荘司の作風に今回は似た感じがする。
    それが故と言うわけではないが、最初から作品全体の綿密なプロットなんぞは考えてはおらず、連載の中で行き当たりばったりで、主要登場人物を行方不明にさせたり、正体不明の死体を現出させてたりしている。
    こういう本を短時間のうちに読み終えると、どうにも消化不良である。
    例えば、あの時のあの意味ありげに登場した死体のをたったそれだけの説明でかたづけちゃうのかぁ? って感じである。

    この物語の雑誌「現代小説」への連載は、2006年に開始して2009年6月で完結している。なのに、今(2014年秋)まで本にするのをためらっていたのは、そういうなんともならぬ出来の悪さが原因でわ?という勘ぐりをしてしまう。いやたぶんそう通りなのだろう。こりゃ潔く出版なんかしないでお蔵入りさせればよかったのかもしれないなぁ。すまぬ。

    そして、本文306ページの記述「アクリルのトタン板」ってえのはねえぞぉ。
    トタン板と言うのは亜鉛メッキ鋼板のことなのだから。
    え!?鋼板ってなに?って。
    すまぬすまぬ。もうしらん(´・ω・`)

  • 面白かったというか切ないというか
    手紙パートと調査パートで、それぞれにそれぞれの面白さがあった。手紙パートは切ないというか、純粋すぎるシズクがもどかしく、愛おしい(この表現が一番合う気がする)。世の中のうまくいかない悲しさが、丁寧な文章から染み出ていた。調査パートは謎に迫る感じというか、読みやすい文章も相まって、ドラマを見ている感覚に近かった。こんなに頭の切れる子供がいるのかは不思議だったが、一真の存在がむしろよかったように思えなくもない
    この分量感でも一気に読めました。面白かったです

  • 面白かった!二段組みの長編で読むのに時間掛かりそう、と思いながら読み始めると、何とも読みやすい文章!スラスラと入ってきます。
    日本版X-MENみたいなSFなのですが、切ないストーリーです。
    少し東野圭吾の幻夜に通ずる所がある様に感じました。この手の話は個人的には好きです。

  • 異形のぼく。
    出せない手紙。
    ただ、君に会いたい。

    この帯に惹かれて読んだ。
    もうちょっと心揺さぶる激情がほしかったかな。
    様々な視点や思いが混ざりすぎて、感情が平均値よりちょっと上くらいになってしまった感。
    いや、でも面白かったです。

  • 哀しいなぁ、というのが読み終えてポツリと浮かんだ感想。

    ブラック朱川氏でなく、グレー朱川氏。

    【一途な純粋さが胸を抉る、一気読み必至の、純愛ホラー巨編。】
    と紹介文にあるけれど、手紙の書き手の事情が分かったら確かに一気に読み進めた。

    シズクのラストが残念に思えたけれど、きっと彼の中で彼女のイメージは崇高レベルに美化されていただろうし
    会えてもハッピーエンド、という対応を彼女がしたかも微妙なので、これでよかったのかなぁ。。。
    と自分に言い聞かせる。。。

    結構朱川氏の描く配偶者や男性は不義に走りがちなイメージだけれど、彼女の父親の行動で、シズクや彼女の人生が決まったことがやるせない。

    とりあえず、一馬が非常にいい子だけれど、家庭環境がしんどいので、
    どうか主人公との関係に、希望と、期待を持ちたい。

    シズクの弟が子持ちということで、閉ざされた里での婚姻関係がどうなってるのかも気になるけれど。。。

  • 表紙に惹かれて図書館で借りた。
    この作者のものを読むのは初めてだし、なかなか分厚いし、大丈夫かなあと不安だった。
    読み進めて50ページあたりの途中には、このまま医学系の推理モノだったらどうしよう、苦手!と心配になって、いっそどこかのレビューページでネタバレ読んで消化しちゃおうかな……とも考えたが、読後の感想が良いので頑張って読んでみようと進めた一冊。

    結果、夜更かし…というか朝まで完徹して読んでしまった。だんだん真相に近付いていく市原とようやっと報われそう(?)なシズクの最後を読まねば!と躍起になってしまったお話しだった。

  • 2015/3/25(水曜日)

  • バツイチの医師が、行方不明になった友人を探すうちに、人にはあらざるものの存在の秘密を探っていく。

    初期の作品の昭和レトロで切ない短編が好きで、デビュー作からしばらくは追いかけていたけれど、徐々にマンネリ化して大味に感じられるようになったため、ここしばらくはご無沙汰していた。で、ひっそりと沈み込むようなタイトルに惹かれて、久々に手に取ってみた筆者の長編である。
    人とは言えないような存在も、謎めいた形で登場するのであれば、想像も膨らんで楽しめるのだけれど…。兄弟姉妹たちが、やけに人間的に関わってきてしまうと、やはり興醒め気味に。シズクの一途な手紙が同時進行するのはよかったので、純粋さゆえの哀しさに絞って、一気に悲劇的にまとめるとよかったのでは。

  • 人ならざるもの?純粋すぎるシズクと事件に巻き込まれた中年の医師が主人公。

    構成は、シズクの手紙と現在進行形の事件とが交錯して進んでいきます。
    わかりにくくはないのでグングン読めました。

    上下段組みで結構なボリュームの本だったので完読できるかな?と心配でしたが、読み始めたらあっという間でした。

    他の朱川さんの作品のように感動!ていう感想ではないのですが、マガチ一族の絆、一途な想い、人に重ねる偶像、人間関係に馳せる思い、それぞれ、おもしろかったです。

    登場人物がメイン以外はみんな端役的な感じでしたが、まぁ、シズクくんとお医者さんのお話ということで。
    大団円的な終わり方も個人的には好み。

  • 特殊な力が発揮できるとしても周囲と風貌が異なるというのは生きづらいと思う。
    そんな人生なのに、シズクの純粋さといったら……。
    あまりにも純粋すぎて付け入れられてしまったのか。

  • 2015 1/29

  • 『白い部屋で…』に似た文体で読みやすく、リーダビリティ抜群でしたが…うーん、この内容でこれだけの分量必要だったかなぁ〜。
    「純愛ホラー」の売り文句に、期待値あげすぎちゃいましたσ(^-^;)
    妖怪とミステリは相性悪いパターンで、伏線もあまり効果的に使われていないし、肩透かしでした。
    吉本新喜劇を観ているみたい…なんというかこう、都合よくバタバタと状況が変わる感じが。
    唯一心に残った文章は、リリ姉が自殺したくだりで「この世界はどこでもそうかもしれませんが、せっかくもらえた命を自分で返してしまうのは、もっともやってはいけないことなのです。だから自さつしてしまった人は、初めからいなかったものと考えてやるのが僕らなりの思いやりなのでした。」というもの。身近に思い当たるところがあるので。
    著者さん十八番の、昭和レトロにこだわったモチーフ…昭和30〜40年生まれの世代が一番理解できるかな?
    新作が出るとやっぱり手にしてしまうけど、個人的には『かたみ歌』『都市伝説セピア』『オルゴォル』あたりのマイベスト3を越える作品はもう現れないのかな〜。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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