埋れた牙

著者 :
  • 講談社
3.39
  • (3)
  • (23)
  • (37)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 145
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191548

作品紹介・あらすじ

ベテラン刑事の瀧靖春は、自ら願い出て、警視庁捜査一課から生まれ育った吉祥寺を管轄する武蔵野中央署に移った。ある日、署の交通課の前でうろうろする大学時代の旧友、長崎を見かける。事情を聞くと、群馬から出てきている姪で女子大生の恵の行方がわからなくなっているという。新人女性刑事の野田あかねの“教育”もかねて、まず二人だけの「捜査」を始めると、恵の失踪は、過去の未解決事件へとつながっていった――。

「ここも、特別な街じゃないんだ。どんな街にも、一定の割合で悪い奴はいるんだよ」

都市でもなく、地方でもない――この街には二つの水流がある。「住みたい街」として外部を惹きつける、上品な水流。だがその下には、この地で長年暮らしてきた人たちが作った土着的な水流がある。

「私は、この街の守護者でありたいと思っている」

愛する街とそこに住む人々を守るために――「地元」に潜む牙に、独自の捜査手法で刑事が挑む、異色の警察小説が誕生!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 吉祥寺こわいまち!

  • 警察小説であり、家族の物語であり、新人刑事の成長物語でもあると思いました。あかねちゃんのその後が見てみたいですね。続編はあるのかな?

  • 読みやすかった。理想とする刑事像。主人公が少しずつ犯人に近づいていく様子が丁寧に表現されている。作者の描く刑事の寡黙な雰囲気やプライベートな時間の過ごし方の様子がとてもいい。本作の事件内容はといえば、よくある2時間サスペンスドラマのようではあるが、作者の描く刑事小説は読みたくなる。

  • まあまあ。楽しめました。

  • 警視庁本部から自ら望んで地元である武蔵野中央署に赴任した刑事、瀧は警察署内で同級生の長崎を見つけ、声をかけた。
    姪の恵が行方不明になっているという。大学3年生で群馬から出てきて一人暮らしをしているという。
    忙しい状況でもないので、捜査をすることになる。部下である野田あかねと捜査をすることになるが、若いあかねは捜査に慣れていなかった。
    恵を探すうちに学習塾でのアルバイトのほかに、秘書?のバイトをしていたことがわかってくる。
    捜査を進めていくうちに、10年前、20年前、30年前にも同様の若い女性の行方不明事件が起きていることがわかる。しかもいずれも解決していなかった。
    ある市会議員に疑念を持った滝は、元市会議員で会った父親に相談をする。
    恵の行方は?生きているのか?どこにいるのか?以前の事件との関係は?
    後半から事件は一気に解決へと向かっていく。

  •  謎は、すぐ解ける。
     だから、これは、家族とか親子とかを考える本なんだろう。
     あと吉祥寺という街の本。
     こういう主人公は、割と好ましい。

  • 5月-10。3.0点。
    吉祥寺が舞台。警官の友人の、20歳の姪が行方不明に。
    捜査すると10年前、20年前にも同様の事件が。
    関連はあるのか。
    うーん、地味な主人公。
    「街を守る」の意気込みだけ。イマイチ感情移入できず。
    ありきたりな感じの犯人。

  • #読了。警視庁捜査一課から地元武蔵野中央署へと異動した瀧。友人から姪が失踪したとの相談を受ける。新人刑事の野田と捜査を始めるが。。。叔父と姪というが、母親の感情がもっと前面に出てこないのが残念。

  • 警察ミステリ。若い女性の失踪事件を追ううちに、浮かび上がってくる過去の似た案件。これはただの偶然なのか、それとも連続した一つの事件だったのか。各章の冒頭に少しだけ描かれる各場面が、緊迫感を引き立てます。
    たしかに成人の失踪は事件として扱うかどうかが難しいところなのだけれど。身内にとっては他人事じゃないですし。タイトルの意味は身近に潜む危険というだけでなく、こういう隠れた事件もあるってことかも。

  • +++
    ベテラン刑事の瀧靖春は、自ら願い出て、警視庁捜査一課から生まれ育った吉祥寺を管轄する武蔵野中央署に移った。ある日、署の交通課の前でうろうろする大学時代の旧友、長崎を見かける。事情を聞くと、群馬から出てきている姪で女子大生の恵の行方がわからなくなっているという。新人女性刑事の野田あかねの“教育”もかねて、まず二人だけの「捜査」を始めると、恵の失踪は、過去の未解決事件へとつながっていった――。

    「ここも、特別な街じゃないんだ。どんな街にも、一定の割合で悪い奴はいるんだよ」

    都市でもなく、地方でもない――この街には二つの水流がある。「住みたい街」として外部を惹きつける、上品な水流。だがその下には、この地で長年暮らしてきた人たちが作った土着的な水流がある。

    「私は、この街の守護者でありたいと思っている」

    愛する街とそこに住む人々を守るために――「地元」に潜む牙に、独自の捜査手法で刑事が挑む、異色の警察小説が誕生!
    +++

    吉祥寺という人気の街を舞台にしながら、物語は古くからの住人の「地方ならではの」と言ってもいいようなしがらみや地元意識に根差しているのがミスマッチでもあって興味深い。吉祥寺という街をひと皮剥いた感じでもある。そしてそこで起こっている事件は、警察が見逃していた古い案件から繋がるものだった。ベテラン刑事の瀧と、新人の野田あかねとの噛み合わない心情も興味深い。事件の真相自体は、ある程度想像がつくものであるが、野田あかねの今後を見てみたい気がする一冊である。

全23件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説などさまざまな題材の小説を発表している。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」などのシリーズのほか、、『虹のふもと』『八月からの手紙』『埋もれた牙』『ネタ元』『Killers』など多数。2014年8月には、『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』が刊行され、本作へと続く人気文庫書下ろしシリーズとなっている。
2018年8月、読売新聞夕刊で「奔る男 小説 金栗四三(かなくり しそう)」を連載開始。

堂場瞬一の作品

ツイートする