大原御幸 帯に生きた家族の物語

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 147
感想 : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191845

作品紹介・あらすじ

戦後の京都。着物黄金時代に、考案した帯が飛ぶように売れ、天才と呼ばれた男がいた。娘は七十四歳になって初めて、あまりにも偉大な存在だった父について語る。娘の目を通して見た父の偉大さと意外な温かさ、そして濃厚な家族の歴史を書ききった、林真理子の新たな野心作。

感想・レビュー・書評

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  • 大原御幸を知らなかった、
    大原三千院は行ったことがあるが。
    後からわかることってあるものですね。
    平家物語、、壇ノ浦の戦い、
    後に大原に出家し隠棲した建礼門院を後白河法皇が訪問する〜
    能、謡曲にうといので〜
    しかし、調べてみると
    十界の地獄から天上界全てを表しているらしい
    今度お能を観てみたい。

    今や74歳になった松谷祥子と夫でプロ野球選手だった新垣との交互の語り

    もう息もつかせず読ませる、ながれるような語り口止まるところを知らない
    いや、言葉が舞い降りている

    天才帯図案家で父である松谷鏡水を尊敬し
    好きで好きでたまらない神とも仰ぐ娘
    祥子な語り口に引き込まれる
    大原山荘も先生の給料が50円という時に山荘が500円
    山の中に運び賃が3.500円という如何に栄華を極めているかわかる
    後に能装束を100点完成させる
    美術館にあっていいほどの代物。

    藤間紫や猿之助、辰巳竜太郎、菊田一夫、浜木綿子と著名な人物もでてくる

    長くなりすぎるが
    林真理子が日舞を習い、舞台で舞うからすごいよね
    印税の全てを着物道楽につかい
    京都で茶遊びをして、「これもエッセイからの勝手な推量」得たものは無駄ではない、こうして立派な作品として息づいてる、
    林真理子しか書けない、また残すべき新たな代表作品になった。

    正倉院の裂「きれ」があまりに大きすぎる
    それを帯用にデザインする、蜀江文、鶴亀文、金地花丸文、なるほどー


    果たして父を尊敬し好きで好きでたまらないひとりの女性が妻として果たして幸せだったか?
    久しぶりに雅な世界に浸ったが
    祥子、新垣の夫婦の幸せはないだろう。
    まあ、林真理子のフェチだから、偏見あり。
    いやぁー勉強になりました。
    すぐ忘れるのがなんとも口惜しい。
    最近京都に行ったばかりで、空気感つたわる。



  • 実在する帯の天才的な図案家の人生を、娘夫婦が回想しながら語り口調で進んでいく物語。 林真理子さんのこういう小説は本当に引き込まれる。知らない世界を垣間見る事ができたのも面白かった!

  • 思ったより面白かった。帯作りの天才的な父を持つ祥子や家族の話で、実名で知っている歌舞伎役者や俳優の名前が出てきて驚いた。

  • 京都大原で広大な敷地に驕奢を欲しいままにした山荘をおこし、その才を存分に発揮し、帯を作り続けた一族の物語。
    一人娘とその元夫の語りで物語は進む。能の大原御幸が女院の口から彼女の見た一門を語るという形式とのことなので、この作品の主たる手法となる。
    小説のそこかしこに実名が散りばめられる。主人公となる帯作家はモデルがあるが、しっかり、フィクションと記載がある。かなりの取材に基づく作品のようで、事実との境目が際どい。そこが、興となる。
    着物帯の情報量も多く、林氏の趣味が生かされた作品。なかなか良いです。

  • 天才的な帯屋・松谷鏡水の生涯を、娘と娘婿が語る。
    面白かった。
    盲目的に尊敬する娘と、批判的な娘婿。
    ふたりの語りだけで構成されているが、そこから世界が広がる。
    娘の語りに、特に引き込まれる。
    帯や着物の華やかさが目に浮かぶ。
    それぞれの葛藤や思いは読みごたえがある。
    実在した人物がモデルで、あれこれ実話なことに驚く。

  • 林真理子さんは時代物や伝記もいい。語りで書かれているので、読みやすい。登場人物の気持ちがわかりやすい。新垣の最後の語りで、今までの気持ちがひっくり返った。

  • 20160810

  • 帯を描く祖父の話し。
    林 真理子の小説にしては、退屈だった。

  • 松谷鏡水の生涯を娘とその夫の視点から描く。
    なんというか、史実に基づいている。
    本当にそういう人がいたらしい。
    着物っていいんだという気分になる。

    だけど、物語の終わりが娘の夫の泣き言?みたいな叫びで終わるのが痛い。
    そういう才能に恵まれている人もいる。その才能を慕う人もいる。
    松谷鏡水は、自分の努力で才能を磨き、その過程で本当に富と名声を手に入れた人なんだなと思う。
    よその人にはわからない。そこにたどり着くのにどれほどの努力をしたことか。

  • 昭和の時代、天才と呼ばれた京都の帯屋「若松華謡(単行本では松谷鏡水)」の話。一人娘とその夫のそれぞれの一人称で語られる。読みやすい文章で内容も歌舞伎界のスキャンダルなどが実名で描かれ、一族の歴史そのものも大変興味深いので一気に読めるのだが…。細雪ほどの文学性には欠けるし、クロニクルとしては客観性や資料的に不十分で何とも中途半端な感じ。若松華謡本人にとても興味を持っていたので期待していたのだが、資料の詰めの甘さを一人称で語ることで誤魔化してるような気がして残念。天才デザイナー、稀代の商売人、東条英機の私設秘書として暗躍する男、甘い父親、大勢の面倒をみるタニマチ、様々な顔を持つ複雑な人間のほんの上っ面しか描けてない。本人を知る人も現存しているだろうに、他の人から見た視点が全くなく、家族から見た一面しかないのが不満。連載時には全て実名だったからそれなりの覚悟で書き始めたはずなのに、その割には…。2014.12

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。コピーライターを経て作家活動を始め、82年『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーに。86年「最終便に間に合えば」「京都まで」で第94回直木賞受賞、95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞をそれぞれ受賞。NHK大河ドラマの原作『西郷どん』や『愉楽にて』『綴る女 評伝・宮尾登美子』『小説8050』など著書多数。99年に第1巻が刊行されたエッセイ『美女入門』は累計180万部超の人気シリーズに。2018年、紫綬褒章受章。20年、第68回菊池寛賞受賞。

「2021年 『美女は天下の回りもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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