純喫茶「一服堂」の四季

著者 :
  • 講談社
3.11
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本棚登録 : 695
感想 : 111
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191852

作品紹介・あらすじ

古都・鎌倉でひっそりと営業する古民家風喫茶「一服堂」。エプロンドレス姿の美人店主は、恥ずかしがり屋で人見知り。しかし、事件となるとガラリと人が変わってしまう。動機には一切興味がない安楽椅子型の名探偵が「春」「夏」「秋」「冬」の4つの事件を鮮やかに解く、連作シリーズ!

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物は魅力的だし話も分かりやすいし読みやすい。さらっと浅い珈琲のように楽しめる作品ではある。
    純喫茶マスターの安楽椅子(あんらくよりこ)がその名の通り喫茶にくる訳あり客の話を聞いて現場を見ることなく事件を解決していく。
    「謎解きはディナーのあとで」の著者である東川篤哉さんの作品、という説明がきっといちばん分かりやすい。決め台詞と主人公のキャラ立ちがドラマやアニメ的で、登場人物は好きです。

  • 鎌倉の住宅街にひっそりと建つ古民家。
    看板と言うより表札の「一服堂」。
    店主でバリスタのヨリ子は極度の人見知りだが、事件の話を聞くと。
    一服堂にやってきた面々が語る猟奇的な事件をヨリ子が解いていく。

    うーん。やっぱりこの人の本が合わないんだなあ。軽くて読みやすいけど、品がないというか。
    ツライ。

  • 喫茶店の美人バリスタが常連客の話す未解決の猟奇殺人事件を鮮やかに解決する安楽椅子探偵もの短編集。十人中十人が『ビブリア古書堂』と『珈琲店タレーラン』に便乗しただろうと疑うに違いない作品を堂々と上梓する臆面のなさはさすがの東川篤哉。かと思えば、あからさますぎる設定に装丁、タイトルすらにも意味があり、しかもそれが単なる仕掛けに終わらず密室に開いた抜け道を覆い隠すパーツとしても機能しているから油断できません。そこまで考えて敢えて“乗っかった”とするのなら、その強かさには舌を巻くばかりです。

  • 超がつくほどの人見知りが、推理となると豹変。
    店主の名前や、とある登場人物など、ユーモアのある設定に笑う。
    和み系の雰囲気は、日常の謎ミステリを思わせるが、扱う事件は猟奇殺人ばかり。
    軽いタッチなので、凄惨な話もサクサク読める。

  • (15-47) 最近東川さんに少し飽きてきてた。あまりにパターン化していて、どれも同じような印象だったから。
    これを読み始めたときも、やっぱり・・・と思ったのだが。いつもよりもう一ひねりしていて、全部読み終わってなんか嬉しくなった。
    そう、私は連作短編だけど一冊で一つの物語、というのが好き!きれいにまとまったこのお話、余韻もあって満足です。

  • 四季というのは一種のミスリードになってるのな。氏らしいといえば氏らしいし、らしさが弱いといえばそうかもしれない。だけど、キャラクターのハチャメチャ具合はやはり東川節だろう。非現実的ではあるんだけど、だからといってそれが作品のネガティブさにつながらないのは、テンポの良さとかバランスの良さとかかな。

    すべての事件がなんだかんだ心理トリックなんじゃないかと思わされる。それはある種の猟奇性とのセットになって、物理トリックとしては普通だけど、犯人が用いた心理トリック以外にも、おそらく読者の思い込みをも活かしてしかけられてる。

    それにしても30年後って(笑)。あの出版社が生き残ってるのは素晴らしいことだ。

  • 東川節のセリフの応酬、クセのありすぎる謎解き者、事件としてはうーんながら面白く読めた。最後にあーヨリ子さんが、とちょっと寂しい気持ちがしてしまった。

  • ミステリというよりライトノベルみたいな軽い語り口で、読書リハビリにはちょうどよかった。
    コメディドラマを見終えたあとのような読後感。

  • 「春の十字架」
    磔にされていたのは。
    いくら疲れていたとはいえ、立ったまま眠っているなら兎も角ちゃんと横になっていたら怒るだろう。
    犯行の全容はなんとなく想像出来たが、何故殺さなければいけないのか動機が分からないな。

    「もっとも猟奇的な夏」
    ずっと傍にいたのは。
    手伝いに行った先にあった在り来りなものが事件に関与するものだなんて、誰も予想しないだろうな。
    たった一文字ではあるが、聞き間違いをしてくれなきゃ話を聞くことすら出来なかっただろ。

    「切りとられた死体の秋」
    部屋で見かけたのは。
    名前しか知らないどころか存在の有無すら分からないとなると、推理を始める以前の問題が生じるな。
    大切だからこそ簡単に捨てることは出来ないとはいえ、いつまでも隠し通せはしないだろう。

    「バラバラ死体と密室の冬」
    ふと思い出したのは。
    もし本当のことであったとしたら、余程意思が強くなければ準備から後処理まで全て行えないだろう。
    何十年経とうが皆変わらないまま久しぶりに会い話す内容が、あれなのはどうなのだろうか。

  • 表紙の絵に釣られて手に取った本。
    謎解きはディナーのあとでの作者とは知らず、最近ほんわか系ばかり続けて読んだから違うの読みたいなと思って借りてきた。
    講談社ではなく放談社、東川篤哉ではなく東山篤哉、メタ視点が多くて新鮮だった。でも個人的にメタは好きじゃない。世間に疎いし、お話の中に現実の固有名詞が入ってくると物語の世界に入っていきづらいから。
    春夏秋冬と1年で続く事件かと思いきや、最後の冬で30年も経っていることが発覚。
    冬だけ始まりから違和感があったが、会話の中で出てきて驚き。万年署長が黛君とはまさか過ぎて...信じられなくて何回もページを行ったり来たりして確認した。
    お話の事件解決よりも、こっちの方が衝撃が強かった。

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著者プロフィール

1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒業後、2002年、光文社カッパノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」にて『密室の鍵貸します』が有栖川有栖氏に推薦されデビュー。11年『謎解きはディナーのあとで』が第8回本屋大賞第1位に輝き、大ヒットシリーズとなる。「烏賊川市」シリーズ、『館島』、『もう誘拐なんてしない』、「探偵少女アリサの事件簿」シリーズなど著書多数。

「2023年 『谷根千ミステリ散歩 中途半端な逆さま問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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