- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062191876
感想・レビュー・書評
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家族を題材にした短編が7つ.「サイリウム」はスキップしたが、その他は全て楽しめた.姉との軋轢を完璧に払拭してくれた妹への手紙が秀逸だった「妹という祝福」.えみりの妊娠を冷静に受け止めた母が出てくる「私のディアマンテ」.親父会が颯爽と活躍して子供たちの夢を救った「タイムカプセルの八年」.はるかとうみか姉妹の夢を辿る「1992年の秋空」.竹とんぼで絆が生まれた美音と祖父の「孫と誕生会」.ドラえもんを軸にした「タマシム・マシンの永遠」.ほっとする読後感が得られる文章だった.
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家族をテーマにした短編集。家族って近すぎるか故に、煩わしく感じたり、些細な事にイライラしたりする。でもどの話も最後には、家族だからこそ、ありのままを受け入れてくれる無償の愛を感じる心温まるものでした。
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読みながら自分の家族に置き換えて、子供時代のことを色々思い出した。
ここからは自分の思い出です。
特に、はるかとうみかの話では6年前に若くして癌で急逝してしまった姉との思い出が溢れてきて涙が止まらなかった。亡くなる直前に最後に会った時にも私の小さな心配事を安じてくれた。
面倒見の良いタイプじゃなかったのに最後まで私の姉でいてくれた。
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家族がテーマの短編集。
短めの話が多いので、すぐに読めた。
久しぶりに家族に電話しようかな、会いにいこうかなと思った。
心が温かくなる一冊。 -
「「妹」という祝福」
捨てたものと無くしたもの。
何が大事かは個々が決めることではあるが、大切なことすら見えなくなったら終わりだよな。
「サイリウム」
追いかける者は違うけれど。
自身が好きなものに対して思い入れがあるのは、お互いに同じなのに何故毛嫌いするのだろ。
「私のディアマンテ」
どうしても合わない考え方。
思うことを口に出し思いっきり喧嘩をしてみれば、もっと早く和解することができたのでは。
「タイムカプセルの八年」
埋められずに残っていた物。
事実を知った時に大騒ぎせず冷静に動いたからこそ、夢を壊さずいれたのかもしれないな。
「1992年の秋空」
今年でなければならない訳。
難しい事なのだろうが、これだけ熱中出来る事があるのであれば少し無理したら贔屓なのか。
「孫と誕生会」
空気を呼んで帰ってきた後。
意図したものでないからこそ子供同士の問題は残酷で、対応しようにも介入が難しいのだろ。
「タマシイム・マシンの永遠」
過去に起こった出来事を今。
本当に戻る事はできなくとも、他の者の姿を自身に重ねて見ると懐かしく感じるのだろうな。 -
最後には心温まるストーリー7話。兄弟姉妹はすぐ近くにいるちょっとイラつく存在だ。ただ学校でもつい心配で探してしまう。そんな気持ちがそのまま文章になっている。どの話もとても面白かった。最後の、タマシイム・マシンの永遠、、が実際にありそうな世界でじんときた。
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ありきたりな感想だろうけど、家族って大切だなって思った
そう思わせる力を持ってるってすごい -
辻村先生の傑作に出会えた。「噛みあわない会話と、ある過去について」で受けた衝撃を上回る読み応えを得た。衝撃は大げさだ。姉と妹、姉と弟、母と娘、父と息子、祖父と孫…いずれも家族関係をテーマにした七篇の小編はどれもが自分の身の回りに十分起こりえるあるいは垣間見えるごく普遍的なトピックが題材とされており、それゆえ非常にリアルである。特に六編目の「孫と誕生会」は、これが小学生の女の子たちが作り上げる人間関係か!と身震いすらしたが、おそらく自分が小学生時代にもあったごくありふれた場面なのだろうと思う。
いずれの家族関係もギクシャクとし、不器用である。しかしそれらは家族だからこその関係なのか、お互いを思う気持ちは必ずあり、それが形になったときえも言われぬ安心と感動を覚える。言いたいことがとてもストレートに伝わってくる、非常に爽快感あふれる作品である。 -
姉妹、親子……家族の心模様がとてもよく描かれていた。特に「1992年の秋空」が気に入りました。
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家族のショート小説が7話収録。
おもしろかった!