池田屋乱刃

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 140
感想 : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062191937

作品紹介・あらすじ

「乃美さん、わたしは卑怯な男だ」

明治十年、死の床についた長州の英雄・木戸孝允こと桂小五郎が、かつての同僚に「あの事件」の真実を語り始めた――「池田屋事件」。事件後、日本は「明治」という近代国家に向かって急激に加速していく。池田屋で新選組に斬られ、志半ばにして散っていった各藩の「志士」たち。福岡祐次郎、北添佶麿、宮部鼎蔵、吉田稔麿……。吉田松陰や坂本龍馬といった「熱源」の周囲で懸命に生き、日本を変えようとした男たちの生き様と散り際を描く。
幕末とは、志士とは、維新とは――日本を動かしたあの「熱」はなんだったのか。
最注目の歴史作家が初めて幕末京都に挑んだ連作長篇。

感想・レビュー・書評

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  • 幕末、池田屋にて倒幕計画を企む志士たちを新撰組が襲撃。長州藩などはこの事件によって貴重な人材を失うが、逆に日本中の志士たちが立ち上がり、皮肉にも倒幕運動は加速する。

    その池田屋で集まり、命を失った若き志士たちを主人公にした連作短編集。彼らは土方歳三や坂本龍馬、吉田松陰などの英雄たちと出会い、オーラを浴びて、名を残すことなく国のために堂々と命を捨てた。

    そんな無名な彼らの死が積み上げられた末、最後に登場するのは、明治維新の英雄、桂小五郎。数少ない池田屋事件での生き残りであった彼は木戸孝允と名を変え、その死の直前に当時のことを語る。

    武士ならば国のために、友のために死ぬことは当たり前。桂のように国や故郷を思っているからこそ生きる、という考え方は恥だった。が、そんな生き残った者たちがいたから日本は生き残った、と思いたい。

    史実では池田屋事件時、桂小五郎がどこにいたのかはっきりしていないらしい。

  • 池田屋事件をそこにいたいろんな人の立場から語るという面白い構成だった。後半は、少し飽きた。桂小五郎については、維新の時、薩摩勢に比べて地味なのであまり知らなかったが、やっぱりこんなもんかとい感じだった。

  • 1864年の長州藩、土佐藩らの志士による御所放火、天皇動座計画の池田屋での寄り合いを、新選組が襲撃した、いわゆる池田屋事件に至る経緯を、関わる5人それぞれの視点から、5編の物語で構成している。
    セレクトされた5人は、絶妙に世間一般的には名前の知られていない人物(いわゆる西郷とか大久保とか龍馬とかと比べて)と思われるが、それぞれがそれぞれの志を持って、維新に関わっており、同じ事件に関わりつつも、それぞれの経緯、思いが違っていて興味深い。明治維新のひとつの側面を知るのに、わかりやすい著書だと思う。

  • H30.2.17-H30.9.9

    (感想)
    えらく時間がかかりました…
    池田屋事件をめぐるオムニバス形式の歴史小説。

    池田屋事件といえば新選組が思い浮かぶが、この小説では、そこで切られた長州・土佐の人たちを主人公として、オムニバスで綴る。
    そして最終章、桂小五郎の独白で、物語をうまく締めている。

  • 幕末、池田屋にまつわるショートストーリー集。
    やっばり新撰組の間者であった男が志士の熱気に触れ、志士を助けに走るという話が良かったね。

  • 伊東さんの過去読んだ本とは時代設定が違うので新鮮

  • 男ってさ、すーぐ周りの「熱」にヤラれるよね。
    馬鹿だなぁ。
    馬鹿って切ないくらいに愛おしいなぁ。

  • 池田屋事件を中心に、討死した者、逃げた者、遅れて来た者、助けに行かなかった者など、人物にスポットを当てて描き出す。
    さて、自分なら、どうしていたか。

  • 明治維新で流れた武士たちの血。

    池田屋に集まった倒幕派が、新選組に襲撃される通称
    池田屋事件。

    新選組の間者だった福岡祐二郎。
    土佐藩の北添佶摩。
    肥後藩の宮部鼎蔵が過去に思う吉田松陰。
    襲撃に加勢する長州藩の吉田稔麿。
    桂小五郎と乃美織江の関係、事件当時の桂小五郎の真実。

    武士って、めんどくさくて大変で頑固でとっつきにくくて疲れるなーって思うところもあるけれど
    その分彼らの世の中を思う情熱が、あまりにも熱心で堅気で真面目で、かっこいいとか思っちゃう。

    桂小五郎はどちらが真実なんだろう。

    時代小説ってあまり読み慣れなくて
    なおかつ歴史に疎い私でも、読めたよ。
    これをきっかけに歴史を知った。勉強になるー)^o^(

  • 彼にしては、いまいちだった。
    しかし、人間のドラマは、
    じつは、この時代特有なものではなくて、
    つねに存在してるということを 感じた。

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著者プロフィール

伊東潤

1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。『黒南風の海――加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』で「第1回本屋が選ぶ時代小説大賞」を、『国を蹴った男』で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『巨鯨の海』で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』で「第20回中山義秀文学賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を受賞。近刊に『茶聖』がある。

「2021年 『叛鬼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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