- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062192514
作品紹介・あらすじ
慶長五年九月十五日(一六〇〇年十月二十一日)。
天下分け目の大戦――関ヶ原の戦いが勃発。
――なぜ、勝てたのか――
東軍
伊東潤(徳川家康)
天野純希(織田有楽斎)
吉川永青(可児才蔵)
――負ける戦だったのか――
西軍
葉室麟(石田三成)
上田秀人(宇喜多秀家)
矢野隆(島津義弘)
――そして、両軍の運命を握る男――
冲方丁(小早川秀秋)
当代の人気作家7人が参陣。
日本史上最大の決戦を、男たちが熱く描いた「競作長編」。
感想・レビュー・書評
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関ヶ原の戦いについては、司馬遼太郎著『関ヶ原』で語りつくされたかと思うが、作家七人による競作ということで、手に取ってみた。
それぞれが各一人の人物の視点に立ち、関ヶ原を描くユニークな企画で、興味を持って読み進めた。
伊東潤×徳川家康は、関ヶ原は光秀と家康の合作とみる、異説ともいえるか。
天野純希×織田有楽斎は、あまり主役とはなりえない有楽斎を取り上げ斬新さがあった。
矢野隆×島津義弘は、池宮彰一郎著『島津奔る』と同じような視点か。
冲方丁×小早川秀秋は、とかく優柔不断な日和見主義者とみなされる秀秋を、智謀を備えた先見者に描いており、こういう見方もあるのかと意外感を持った。
この競作という企画、次は大坂城だそうで、楽しみである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。
武将の位置づけや性格は、それぞれの話で異なってくる。
作家ごとの解釈の違いが、面白かった。
武将としての評価はイマイチの、織田有楽斎の身の処し方は、時にユーモラスで楽しい。
可児才蔵と井伊直政の筋の通し方は、胸を打つ。
裏切り者として描かれがちな小早川秀秋は、爽やかだった。 -
七人の作家が関ヶ原の戦いに参戦した七人の武将を描く。絶対に面白いだろうと思い読み始め、期待通りでした。戦場に臨む武将を多角的に見ることが出来、臨場感に溢れます。徳川家康、可児才蔵、織田有楽斎、宇喜多秀家、島津義弘、小早川秀秋。最後は、石田三成。関ヶ原の敗者である三成ですが、結果は三成の思惑通りであった…と言うことで一度も訪れたことの無い、関ヶ原を見たくなりました。行って来ます!
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1600年、関ヶ原の戦い。後に徳川家康が全国統一を成し遂げるにあたって転機となった天下分け目の合戦。
本作は、この歴史的大戦を、七人の異なる武将の視点から描くアンソロジー。それぞれの武将の物語を、今を輝く七人の歴史小説家が書き下ろしています。
歴史の授業では名称と年号だけを暗記させられた関ヶ原だけど、そこには様々な人間模様や駆け引き、権謀術数や運命のいたずらが渦巻いていて、勝者には勝者の、敗者には敗者のドラマがある。主君には主君の、家臣には家臣のドラマがある。
歴史って面白い!そう思わせてくれる一冊です。 -
関ヶ原の合戦の主要人物を各作家が書く競作。
一般的な解釈と少し違う解釈がされていて面白い。
小早川は聡明な人物として、三成はある思惑があって合戦に臨む。
一つの物語として成立している。
有楽斎だけが少し異質。
大阪城も気になる。 -
7話の短編集。福島正則の家臣の可児才蔵の笹を噛ませよ、小早川秀秋の真紅の米、有楽斎の城が良かったかな。島津義弘の話は盛り上げ時が一瞬になってしまうせいか難しいのかもしれない。天下分け目の関ヶ原だが裏工作合戦でもある。大谷吉継は人として好きだ。
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著名な7人の作家によって描かれる7人の武将の関ヶ原の合戦。
それぞれの武将が自分の家のため、大将のため、大義のため、中には保身のため、たった一日の戦いに挑む。
裏切り者と誹られる事が多い小早川秀秋も、描かれ方によってこんなに印象が違うのかと思った。
臨場感抜群の一作 -
秀吉没後の闇のなか、陰で蠢く策略の戦国の世。決戦の地"関ヶ原"に挑む七人の武将…掲げる個々の"義"が見事に綴られる♪。
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面白かった!
7人の作家が関ヶ原に参戦する武将に成り代わり関ヶ原の戦いを語っている。
歴史の流れとしてだけ捉えていた関ヶ原に肉付けがされた感じ。
どの武将にもそれぞれの思いの関ヶ原があったのだろうと想像すると面白い。
著者プロフィール
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