かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。

著者 :
  • 講談社
3.24
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本棚登録 : 223
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062192842

作品紹介・あらすじ

詩集『死んでしまう系のぼくらに』で世界を震わせた、
今、最も注目される詩人・最果タヒが紡ぐ、初めての長編小説――。

少女たちは、いつだって青春を戦っている。
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きみがぼくに使うかわいいという言葉が、ぼくを軽蔑していない、その証拠はどこにあるんだろう。好きとも嫌いとも言えないなら、死ねって言っているようなものだと、いつだってきみは、怒っている。ぼくは、きみを好きでも嫌いでもないまま、優しくありたい。かすかな、死の気配でありたい。
愛情で語れる友情は、ただの代替品でしかない。

きみが孤独なふりをするあいだ、ぼくはきみと友達でいる。光る波がおしよせて、ひいていく。きみの足首がぼくと同じで、ただそこにあることを、だれにも証明ができない。
孤独になれば、特別になれると、思い込むぼくらは平凡だ。制服がかろうじてぼくらを意味のあるものにしてくれる。
きみは、どんな大人になるかな。
あたりさわりのない、この世にいてもいなくても変わりない、誰かになるのかな。
幻滅が存在しないのは、友情だけだよ。海が告げる。きみは立っている。
ぼくの友達。
(詩・最果タヒ)
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感想・レビュー・書評

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  • ネットの力で魔法少女に変身する女子高生 織田日月はネットの悪意から生まれる魔物を退治していた。
    ある日、日月は図書室で転校生 安楽栞と出会う。
    安楽は風紀委員長から風紀違反検挙を依頼された探偵でアンドロイドだった。
    安楽から頼まれだ日月は協力して校内のネット問題を解決していく。

    注目の詩人 最果タヒさんの長編小説。
    雲の上の人とか、憧れの人も、自分と同じ普通の人間なんだって実感できるようになったのはいつの頃からだろうか。
    ネットなどの科学技術と人間についての関係も的確にとらえていて納得させられました。

  • 文学

  • 2018/4/15購入

  • 本当に尊い時間や関係性に、どうして僕らすぐに名前をつけたがるのだろうか。
    本当に大切なものには、名前なんかなくなっていいのに 僕らは名前を欲しがる。壊れそうで不安だから壊れても分からないようにするためだろうか。
    最果タヒのことをゆめかわいいって言葉に収めてはならないと思った。それだけで何か大切さが欠けてしまうような気がしたから。
    本から感じたことは こんなところかな。これも きっとほとんど あとがきを読んで感じたことだろうな。
    本自体は、ライトノベル感がほんとにすっごくて、詩人がラノベ書いたらこうなるのかって感じだった。普段、詩を書いてるからか 物語というよりかは、淡々と詩が伏線を持ちながら進んでいくような印象だった。
    ところどころに 友人関係で感じる 感情が散らばっていて、私特有のものだと感じていた感情達が 実は そうではないと思った。
    言葉にしないだけで、案外 周りも そんな感情になっているのだと、自分以外の人間がすごくて、世界を変えられるのはそんな人達だと 、この世界の脇役に自分を捉えていたけれど、実は違っていて、自分の世界を変えられるのは自分で、世界は自分が作っているのだとおもった。

  • 前から気になっていた作品。装丁もかわいいし。内容はラノベ調?なんだか軽くてしっくりこなかった。ファンタジーだ。

  • 少し変わっている切り口で最果タヒさん特有の雰囲気だと思った。
    ネット社会の闇の中の人間関係や友情などをもので、現代社会の問題がしっかりと見えてくる。
    ビジネス書や、論説よりもスッと入ってきて2時間も経たずに読めてしまった。
    とても読みやすいと思う。

  • 区切りの仕方がイマイチで読みにくかったけど、スラスラと話が入っていく感じでした。
    魔法少女とアンドロイドの友情、彼女たちは特別じゃなくて至って普通の女子高生。
    機会があれば他の作品も読んでみたいですね。

  • 「私は私がしたいことを、私がしたいようにやる」ネット、人間、ロボット、私、友達…

  • んあー…これは正直苦手でした!
    死んでしまう系のぼくらに、で最果さんのファンになり、小説を出すと聞きつけ星か獣…とともに購入。
    こちらの表紙は好きな画家様大槻香奈さんが描かれたものであるのも相まって期待値うなぎのぼりでした。

    何が苦手だったかというと「文体」それだけです。
    ものすごくライトノベル。内容は深そうなのに私の脳には届きませんでした。
    読み慣れない文体。それだけでここまで苦しいと思いませんでした。
    設定も深夜アニメみたい。私には分かりづらかったです。ごめんなさい!

  • 27.5.6

  • 目の前の女の子が大切で一緒にいられることをうれしく思う、自分なんて必要ないと言い出したら「そんなことない」って怒る、それは当り前のことで、魔法少女だろうがアンドロイドだろうが天才ハッカーだろうがまったく関係がない.制服を着てしまえば『女子高生』という大枠で括られてしまう16歳から18歳の女の子たち、その中でちょっと『特別』になれた(なってしまった、そう見られてしまった)女の子たちが育む『普通』の友情の物語.
    もしも誰かが今までと180度変わってしまったとして、別人だなんて思わないでその人として接することをやめないのが友達、という主人公のセリフにはっとした.「友達」と言ってしまうと安易過ぎて、何だか軽く感じられるような言葉の中に、隠された大事な部分ってきっとそこなんだろう.

  • パソコンや携帯やネットが当たり前に存在する世代。一昔前は夢と現でしたが、バーチャルとリアルの境目が曖昧になっている世界。個は己であって孤ではない、誰かと繋がっているからこそ個が存在する。遠い将来、女子高生だったあの頃を思い出し、友達とは、友情とはと思い返すだろう。強固であるようでいて儚くも脆く、そうであるが故に他者を認めることで自分の存在に意味を持たせる。

  • ツイッターとか短文のなにかしら向けっていう感じ。話は面白いけど句読点のリズムが合わなかった。

  • 特別なことが一つでもあると、人は当たり前のことが見えなくなってしまう。当たり前のことは当たり前だからこそ、見えにくくなってしまう。人は普段からいろんなことに気持ちを張り巡らせ過ぎてるんだ。もっとシンプルに、人を思う方がよっぽど良い生き方ができる。

  • 言葉にしてしまうと零れ落ちてしまうもの、物語が、関係性がある。しかし、人間が人間であるには言葉が必要だ。言葉にする以前の想いと言葉にしてしまった気持ちの差異というかうっすらした膜のようなものを僕らは伝えたいし聞きたいし見たいと思う。
    物語という装置はそれを孕んでいる、孕める可能性がきっとあるんじゃないかって思う。きっと最果さんはそう思って詩だけじゃなくて小説も書いているんじゃないかって読みながら思った。だけどこうやって言葉にするとなにかが零れ落ちていく。それは個人個人の物語の中でふわふわと浮かんでいて形にしようとするときにほんのわずかな部分だけは表出できる質のものなのかもしれない。

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著者プロフィール

最果タヒ(Tahi Saihate)
1986年、神戸市生まれ。2008年、『グッドモーニング』で中原中也賞を受賞。2015年、『死んでしまう系のぼくらに』で現代詩花椿賞を受賞。詩集に『空が分裂する』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『愛の縫い目はここ』、小説に『星か獣になる季節』『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』『渦森今日子は宇宙に期待しない。』『少女ABCDEFGHIJKLMN』『十代に共感する奴はみんな噓つき』、エッセイに『きみの言い訳は最高の芸術』、対談集に『ことばの恐竜』がある。最新詩集に、2018年9月刊行の『天国と、とてつもない暇』。

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