自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 253
感想 : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193160

作品紹介・あらすじ

本書は、長年、自傷の問題に関わってきた著者が、「自傷行為の当事者に向けて、これまで診察室で伝えてきた、あるいは伝えたいと思った事柄」をやさしく語った本です。自傷行為を誰にも打ち明けられずにひとり悩んでいる人、援助を求めたことはあるけれどもかえって傷つく結果になってしまった、という人に向けて、書かれました。

内容は、「自分を知るため」の前半と、「自傷から回復するため」の後半に分かれており、すぐに役立ててもらえるように、具体的に語っていきます。特に後半では、毎日の生活習慣、衝動におそわれたときのコントロール、精神科にかかる場合のアドバイス、援助してくれる人との関わり方までを、丁寧にわかりやすく説明しています。

著者は、「自傷してしまう人」について、こう述べています。

〈あなたは、自傷している人のことを弱くてダメな人間だと勘違いしていませんか。あるいは、とても人様に自分の本当の姿を見せることなどできない、恥ずかしい存在、それとも、大してつらくもないのに表現がおおげさで人騒がせな人間だ、などと決めつけてはいないでしょうか。
私はそんなふうには思いません。それどころか、自傷する人はすごく自分に厳しくて、根性のある人が多いとさえ感じています。…〉

〈 私は、いま、この本を手に取っているあなたのことを、とても勇気がある人だと思います。だって、あなたは「変わろう」としているからです。「変わる」ことは前に進むこと、向上心のあらわれです。もちろん、いますぐ「変わろう」と思っているわけではないかもしれないですが、「このままではいけない」と感じていて、「いつかは変わりたい」、あるいは「変われたらいいな」と考えているのではないでしょうか。〉
(ともに本書「はじめに」より引用)

自傷から回復して新しい自分に変わるための、第一人者の精神科医による手引きの本です。

感想・レビュー・書評

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  • どうしてなんだろう、どうしてわたしはみんなを悲しませてもやめられないんだろうってずっと思ってた。
    何度も泣きながら読んだ本。

  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント。松本俊彦先生の著書。自傷問題の専門家である精神科医の松本俊彦先生だからこそ書ける素晴らしい一冊。自傷問題を起こす自傷者を問題視したり敬遠したりするのではなくて、自傷者に親身に寄り添う松本俊彦先生の精神科医としての誠実さが伝わってきます。松本俊彦先生のような精神科医の先生が世の中にもっと増えると、患者さんやその家族も安心できるはず。

  • ・自傷行為をする人は、自身が生き残るために自傷している。自傷がエスカレートし死ぬことはあるが、死は目的としていない。
    ・自傷行為をやめるコツは、自傷に代わる行為を見つけ、何日続くかわからなくても、代わる行為でしのいでみること。数日しかつづかなくても、やろうとしたことはなかったことにはならないから、今度はもっと続くといいね、と思い、やってみること。

    今度はもっと続くといいね。

    番外
    ・自殺をする人のほとんどが、何らかの形で自殺を予告している。死ぬ死ぬゆう奴は死なんよ、と言うのは、間違い。

  • 自傷を行う人へ書かれた本。
    自傷を受け止め、そこに現れる心の動きを説明し、解決策を提示する。

    中高生の約1割は自傷をしたことがある
    自傷の理由の6割は「不快感情をやわらげるため」
    孤独な対処策
    孤立している
    他人を信じられず、助けを求められない
    自分に自信がなく、助けを求められない
    つらい記憶も切り離している
    →そのため、何がつらくて切ったのか、本人にもわからないことがある
    自傷する人は、言葉で自分の気持ちを表現するのが苦手なことが多い

    コントロール成功体験

    自分を傷つける関係性
    - 否定される関係性
    - 支配される関係性
    - 本当のことをいえない関係性

    ちょっと失敗したくらいで自分を責めないでください。

    自傷日誌をつけて、出来事と事象との関係を分析する
    トリガーとアンカー
    トリガーの強烈さランキングを作る

    置換スキル
    - 刺激的置換スキル
    - 鎮静的置換スキル

    褒められ依存症

    適度な運動

    「PIUS」という気持ちの伝え方

    生活のスケジュールを立てる

    助けを求め、相談する

  • 松本俊彦先生のこのテーマの一連の本は全部読みやすい。援助者必携ってやつ。

  • 当事者(自傷)ではないのですが、生きることが苦しい人々に向ける、松本先生のメッセージに共感しています。
    装丁が優しくきれいで、それだけでもほっとします。
    読むのは2回目だったのですが、今回は生きるつらさ、困難さを松本先生にとてもわかってもらえている、それが文章から感じられて、それだけで安心しました。

    参考になったのは、様々な生い立ち、生きづらさを抱えている人達にとって、行うことについて全てが、自傷傾向になりやすいところがあるといった内容です。 私なりの理解なのですが、健康のためのウォーキングも、早起きも、節約も、何だか実際の自傷ではないけれど、それに似た様相になってしまう。自分を害する、傷つけるまでやってしまうところがある。そこに共感して、自分の行いをゆるめていきたいなと感じました。

    また折にふれて読みたい本です。

  •  自傷というとリストカットを思い浮かべるが、セルフネグレクトや過食といいうものも含まれる。ツイッターで見かけて本を読んでみた。
     自傷をしてしまったとき、そのことについて自分を責めがちだが。それはそれとして認めよう。つらいことから逃れるために自傷という手段をとっていることを認識しようというもの。己の状況をシステマティックに記録するのが吉となっているが、結局のところ、今の自分を許容できるかどうか……なのかもしれない。優しい口調で書かれていて、読んでいて暖かい気持ちになる本。自分を大切にできてないなと思う人におすすめ。

  • ロジックが明快。絶対に当事者を責めない・裁かない暖かな文章も特徴的。困っている当事者にも安心して勧められる良書。

  • 自分も気づいていない心の中に抱える不安感、緊張感、或いは誰も分かってくれない、自分だけが…という絶望感。言いようのない怒りや恐怖感。
    こうした生きづらさは自分が悪いからと、心に長らく重い蓋をしてきた。

    自傷がない人も、少しでも心に辛さを感じた時、この本に救われると思う。
    「何かが辛いんだなあ」と心に正直に耳を傾け、自分の状況をまず認めてあげる。
    余裕があれば、「何が辛いか」を考えてみる。
    安全で安心できる場所にまず自分を置き、信頼できる人に助けを請う。
    心が温かくなる松本先生の言葉が寄り添ってくれる本。

    本文より「人生において最も悲惨なことは、ひどい目に遭うことではなく、一人で苦しむことだ」。

    頼るべき人を見誤ると、傷が深くなる。実態のないネットの中の人格を盲目的に信頼するのも危険。家族や知人も助ける力がないことも多い。

    最寄りの精神保健センターはとても有力。相性の合う医師、情報を見極め、いいとこどりするのも大事。

  • 医学

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著者プロフィール

1967年生。精神科医。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部長。佐賀医科大学卒。横浜市立大学医学部附属病院精神科等を経て現職。主著に『薬物依存症』『誰がために医師はいる』がある。

「2021年 『世界一やさしい依存症入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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