自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 157
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193160

作品紹介・あらすじ

本書は、長年、自傷の問題に関わってきた著者が、「自傷行為の当事者に向けて、これまで診察室で伝えてきた、あるいは伝えたいと思った事柄」をやさしく語った本です。自傷行為を誰にも打ち明けられずにひとり悩んでいる人、援助を求めたことはあるけれどもかえって傷つく結果になってしまった、という人に向けて、書かれました。

内容は、「自分を知るため」の前半と、「自傷から回復するため」の後半に分かれており、すぐに役立ててもらえるように、具体的に語っていきます。特に後半では、毎日の生活習慣、衝動におそわれたときのコントロール、精神科にかかる場合のアドバイス、援助してくれる人との関わり方までを、丁寧にわかりやすく説明しています。

著者は、「自傷してしまう人」について、こう述べています。

〈あなたは、自傷している人のことを弱くてダメな人間だと勘違いしていませんか。あるいは、とても人様に自分の本当の姿を見せることなどできない、恥ずかしい存在、それとも、大してつらくもないのに表現がおおげさで人騒がせな人間だ、などと決めつけてはいないでしょうか。
私はそんなふうには思いません。それどころか、自傷する人はすごく自分に厳しくて、根性のある人が多いとさえ感じています。…〉

〈 私は、いま、この本を手に取っているあなたのことを、とても勇気がある人だと思います。だって、あなたは「変わろう」としているからです。「変わる」ことは前に進むこと、向上心のあらわれです。もちろん、いますぐ「変わろう」と思っているわけではないかもしれないですが、「このままではいけない」と感じていて、「いつかは変わりたい」、あるいは「変われたらいいな」と考えているのではないでしょうか。〉
(ともに本書「はじめに」より引用)

自傷から回復して新しい自分に変わるための、第一人者の精神科医による手引きの本です。

感想・レビュー・書評

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  • どうしてなんだろう、どうしてわたしはみんなを悲しませてもやめられないんだろうってずっと思ってた。
    何度も泣きながら読んだ本。

  • 自分を傷つけずにはいられない 自傷から回復するためのヒント。松本俊彦先生の著書。自傷問題の専門家である精神科医の松本俊彦先生だからこそ書ける素晴らしい一冊。自傷問題を起こす自傷者を問題視したり敬遠したりするのではなくて、自傷者に親身に寄り添う松本俊彦先生の精神科医としての誠実さが伝わってきます。松本俊彦先生のような精神科医の先生が世の中にもっと増えると、患者さんやその家族も安心できるはず。

  • ・自傷行為をする人は、自身が生き残るために自傷している。自傷がエスカレートし死ぬことはあるが、死は目的としていない。
    ・自傷行為をやめるコツは、自傷に代わる行為を見つけ、何日続くかわからなくても、代わる行為でしのいでみること。数日しかつづかなくても、やろうとしたことはなかったことにはならないから、今度はもっと続くといいね、と思い、やってみること。

    今度はもっと続くといいね。

    番外
    ・自殺をする人のほとんどが、何らかの形で自殺を予告している。死ぬ死ぬゆう奴は死なんよ、と言うのは、間違い。

  • ロジックが明快。絶対に当事者を責めない・裁かない暖かな文章も特徴的。困っている当事者にも安心して勧められる良書。

  • 自分も気づいていない心の中に抱える不安感、緊張感、或いは誰も分かってくれない、自分だけが…という絶望感。言いようのない怒りや恐怖感。こうした生きづらさは自分が悪いからと、心に長らく重い蓋をしてきた。自傷がない人も、少しでも心に辛さを感じた時、この本に救われると思う。「何かが辛いんだなあ」と心に正直に耳を傾け、自分の状況をまず認めてあげる。余裕があれば、「何が辛いか」を考えてみる。安全で安心できる場所にまず自分を置き、信頼できる人に助けを請う。心が温かくなる松本先生の言葉が寄り添ってくれる本。
    本文より「人生において最も悲惨なことは、ひどい目に遭うことではなく、一人で苦しむことだ」。頼るべき人を見誤ると、傷が深くなる。実態のないネットの中の人格を盲目的に信頼するのも危険。家族や知人も助ける力がないことも多い。最寄りの精神保健センターはとても有力。相性の合う医師、情報を見極め、いいとこどりするのも大事。

  • 医学

  •  自傷とは、リストカット、アームカット、オーバードーズのことだけを言うのではない。自分を殴る、煙草を押し付ける、自身の体を噛む・かじる、皮膚をむしる、かさぶたを剥がす、……。
     自殺と違い、ただちに生命に危険が及ばない行為。それを自傷と称する。
     自殺でよく用いられるのは縊首(いしゅ・首吊りのこと)次いで高いところから飛び降りる、電車や自動車など動くものに飛び込む。海外ではピストル自殺も多い。
     自傷に用いられる手段は、そのくらいでは死なない、と理解してのたぐいである。消えてしまいたい、死にたい、と思うこと。
     アピールといった自分を見て!ではなく、おおよそ六割の人間は“不快な感情をやわらげるため”に行うのだと言う。
     目の前の嫌なことからの逃避のため。
     それは自分を助けるための手段でもある。
     とは言え絶対死なないわけでもない。
     ふとした瞬間、いつもと少し違うだけで死に陥る。
     みなが死にたいから行うわけではない。
     中には勿論死にたくてこの世界で生きることがつらすぎて行う人間もいるが、大多数はあくまで今この瞬間の嫌なことから逃げ出したくて自傷を行う。

  • 非常に興味深かった。自傷と自殺の本質的な違い、自傷と過食拒食の関連性、自傷の傷の部位による本人の深層心理の違いなど、臨床から得られたことが書かれていて、なおかつ、それが自傷者本人と周囲援助者に向けて書かれている本でほかにない本ではないかと感触を感じた。

  • 10代の若者の10人に1人は切るタイプの自傷をしたことがある。先日の仁藤夢乃さんからの推薦本で、あまりフォローしてこなかった内容なので新鮮だった。通読なので一点だけ、「自傷は孤独な対処策として行われるものであって、アピールとはむしろ正反対であること」、常に子若に関わる時は受容と素朴ななんで?から。

  • 素晴らしい本だった。
    当事者は勿論、当事者と関わる人々にも読んで欲しい一冊。

    自傷が持つ一般的なイメージではなく、自傷の本当の意味を文字にしてくれている。
    そして、それを否定することなく、柔らかい口調で対処法等を綴ってくれている。

    自傷で悩む人々にとって、救いの一冊となると感じた。

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著者プロフィール

国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 精神科医

「2020年 『アディクション・スタディーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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