- 講談社 (2015年3月27日発売)
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感想 : 17件
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784062193245
作品紹介・あらすじ
「交際相手の理想に合わせている自分でいいのかな?」と悩む天然かわいい系の小春、過去の事故が原因で、ある一点を除けば完璧すぎる美貌のローティーン誌モデル・優貴、友人の叔母の影響でばっちりコスメを身につけて中学デビューした夢美、「かなりつきだしたあごをどうにかしたい」と、親を納得させてでも美容整形したい野乃……。気高き中学生の少女四人が抱く、「外見について」の苦悩と叫びを、それぞれの視点から描く。
「けっきょく、大事なのは見た目じゃない!」
「交際相手の理想に合わせている自分でいいのかな?」と悩む天然かわいい系の小春、過去の事故が原因で、ある一点を除けば完璧すぎる美貌のローティーン誌モデル・優貴、友人の叔母の影響でばっちりコスメを身につけて中学デビューした夢美、「かなりつきだしたあごをどうにかしたい」と、親を納得させてでも美容整形したい野乃……。
どうにかなりそうで、どうにもならない、「外見について」の苦悩。気高き中学生の少女四人、それぞれの叫びを、それぞれの視点で描く。
みんなの感想まとめ
外見に対する葛藤をテーマにした物語は、4人の中学生女子の視点から描かれています。それぞれが抱える「かわいい」問題や、見た目に対する苦悩がリアルに表現されており、思春期特有のヒリヒリした感情が共鳴します...
感想・レビュー・書評
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「可愛い」と向き合う4人の女子中学生のオムニバス。
長谷川さんのように美人でも苦労し、醜い野乃ちゃんも「性格の良さをはぐくんできたのも、結局見た目じゃないか!」と叫ぶほど苦しみ、女性だからか?思春期だからか?
何故たかが見た目にこれほど生活を惑わされなければならなかったのか。誰だ?主犯格は何処にいるのだ?
私自身は大学あたりから見た目で苦しむ事は無くなった。世間が、周りの人々がそんな事以外のところに人間の価値を見出し始めたからだ。特技、趣味、コミュニケーションの力。私はこれら全てがコンプレックスで、最早見た目なぞどうでもいい。
どんな見た目でもどんな性格でも、世間の「向かい風」は容赦なく我々を襲う。例外は一人もいない。例え引きこもって世間を遮断したつもりでいても。
「髪をなびかせ」ながら、立ち向かっていくしかない。
苦しみながら、血を吐きながら、束の間、優しい風を感じながら。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
河合さんは優れたYA小説の書き手の1人だと思う。スクールカーストは外見が大きく影響する。ヒリヒリする青春。
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ここまで鋭く核心についてきたYA小説、読んだことなかったです。すごくわかる。これはものすごくわかる。学生時代のカースト制度で読み手がどのポジションに所属していても、いじめる側いじめられる側のどちらともがどこかしら思い当たる節が必ずあるであろう、女子だったひとたちのための小説。
女として生まれたときから「かわいい」「かわいくない」の二分化される。そしてかわいいに属されたひとの中でも生まれ持ってかわいい子、努力型のかわいい子、なんとなく雰囲気がかわいい子に分かれ、かわいくないはブス、あるいはブサイクとデブの二択問題。
中学生の少女4人それぞれが抱える「かわいい」問題を連作短編として描いています。
初めの小春は雰囲気がかわいい子。素朴で天然で着飾らないのに男ウケし、女友達も多いノーと言えずに誰のことも好きでいられる、差別をしないいい子。そんな小春の抱える「かわいい」の葛藤
二番目は誰が見ても「かわいい」スタイルも良く雑誌のモデルもやってる美しすぎてクラスからも浮いてしまう優貴。彼女には小さい頃に事故により一生消えることがない傷がある。年上のカメラマンに密かなる恋心を抱きつつ、幼い頃から性的対象にされていた彼女の葛藤
三番目は努力型のかわいい、夢美。アイプチしたりカラコンしたり。いまの中学生ってそんなんなのかしら……と思いつつ、作れるかわいいは自ら率先して作り続け、本物のかわいい子たちに劣等感を抱きながらも日々葛藤
最後は顎に特徴があり日々美容整形外科の情報を得たり、カウンセリングを受けてる野乃。今時の中学生すげーなーとまた違和感感じつつも、ブスと罵られ囁かれ、アゴを揶揄したあだ名をつけられる野乃の葛藤ぶりは哀切。そしてその姿にそっくりな父親との会話は泣ける。
ところどころ設定が厳しいものがあるけど、(昭和生まれのアラサーからしてみればの話で、いまの若い子はみんなこんなガチで整形カウンセリングいっちゃうもん???)それでもブスとそうでない女子をうまく描いてだと思った。
欲を言えば優貴ほど美人ではないけどそこそこかわいい性格悪そうな亞梨紗の話も読みたかったな。
デビュー作から読んでますが今作はすごく好き。今後も楽しみです。 -
中学生四人が語り手となる連作短編集。
テーマはルックス。
友だちや好きな人の目が気になり始める思春期に、ルックスで悩むというのはよくあることだが、その深刻さは人によって違うし、ルックスで悩んでいるようで本当の問題は違うところにある、ということもある。(大人もそうだけど)
そこを上手く書いてあるのかな、と思ったがそうでもなく。
どれもなんだかモヤモヤする終わり方。悩みがスッキリ解決することがないのは真実だから、そこは構わないのだが、その終わり方でいいの?という感じ。
特に疑問に感じたのは、語り手全員が女子だってこと。男子だってルックスで悩む人もいるだろうに。
全員が好きな人・付き合っている人(全員異性)がいるという設定もちょっと定型というか。
最後の物語は語り手になかなか迫力があって良かったのだが、終わり方としてはこれも納得しかねる感じだった。 -
少女たちのさまざまな想いや願いを美しく描いた作品
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ヒリヒリする。
女子と美醜は、切実で内面とも直結する問題。
自分が中学の頃に、こんなに意識はしていなかったけれど、今の子にとっては、これがリアルな世界なんだろう。
大人顔負け。薄ら寒い。
成長すればもっとうずまくであろう感情に、こんな時分から苛まれているなんて、辛いなあ。
どの子も最後にスッと引いていく。
この裁ち切りは、もう女だ。
彼女たちの達観が、実を結ぶと良いのだけれど。
第1と第3章が物語としては好き。 -
中学生の女子にとって、外見は重要案件だ。「かわいい」はあこがれ。かわいくなくても、せめて普通でいたい。
四人の女の子の「かわいい」や「オシャレ」にまつわる物語。
ノブレス・オブリージュという言葉とともに、『小公女』も一緒に読むことをオススメ。
萌え絵とかでなく、素敵な装丁とイラストだけど…
野の花が似合う純朴な小春、事故の傷というコンプレックスをかくしてモデルの仕事をする優貴、自分に似合うしかわいいと信じて奇抜にも見えるオシャレに傾倒してゆく夢美、父親譲りのアゴがコンプレックスでいじめられたりしてきた野乃。
おーい、野乃だけ後ろ姿って…。 -
「可愛い」から逃れられない女の子たちのオムニバス。
可愛さに頑張ってみたり、悟ってみたり、強がったり、背伸びしたり。
この本、男子禁制…っていうか、男の子にはこの可愛くなりたいむずむずした感じは、わかんないだろうなぁ。わかられても困るけど(笑)
中学生女子限定でオススメです。 -
「かわいい」「かわいくない」から逃れられない…その通り!
早々に離脱しちゃえば楽チンですけどねー。 -
中二になった小春は、新しいクラスに馴染めるか不安だったが、すぐに明るい亞梨紗と夢美と仲良くなれた。
去年からつき合っている六輝は、派手な亞梨紗たちに小春が影響されるのを嫌って、そのままの小春が可愛いと言ってくれる。
小春は、美人でクラスで浮いている長谷川さんが気になって、声をかけて親しくなろうとした。
長谷川さんは始めの頃は喜んでくれていたのに、モデルの仕事を始めたのが皆に知れ渡り人気者になったら、何だか小春には距離をおき始めたように感じられた。
六輝に言われる「そのままの自分って」なんだろう。
このままでいいのかどうか、小春は悩み始めた。
他に、長谷川さん・夢美・夢美の幼なじみの野乃、の思春期の悩みが1編づつ掲載。 -
中学2年の娘がいるので、こんな感じなのかな?と思いながら一気に読了。この頃の女の子は、自分が周りからどう見られているか、自分の立ち位置とか、とても気になるんだろうなぁ…
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きょう読了。少しご無沙汰だった河合二湖さん。
予想以上に面白かった。短篇4つの連作。はじめの一篇が、ソフトではないけどそこまでキツくなかったので、そのテイストが続くかと思いきや、その後がなかなかにディープ。オンナノコ性とのずれを引きずりながら、それでもそのずれを棄てずにしぶとく生きていく女の子たち。生き残ることへの真剣さは、ずれを絡めとろうとする何かを突き破るんだなと思う。えらいなぁ。
読み終えてから改めて見て、装画の彼女たちの視線の描き方が胸に迫った。
著者プロフィール
河合二湖の作品
