時穴みみか

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 56
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193252

作品紹介・あらすじ

小学六年生の美々加は、バツイチ独身のママ・菜摘と二人暮らし。最近は保健室の神田先生に宝塚のレビューの動画を見せてもらうのが楽しみだ。大好きなママに熊田剛という恋人ができてから、美々加は道草をして、わざと帰りを遅らせるようになった。十二歳の誕生日まであと5日という放課後、黒猫のあとをつけ、巨木の根元の空洞をくぐり抜けた美々加は、知らない家で目を覚ました。くみ取りトイレとダイアル式電話。見知らぬ家族に「さら」と呼ばれ、パニックになる美々加。わたしは「さら」じゃなくて「みみか」。いったいここはどこ? この人たちは誰?

感想・レビュー・書評

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  • 美々加、甘えん坊で宝塚が大好きな11歳。
    バツイチママと二人で暮らしている。
    ある日、学校の帰り道に出会った黒猫ちゃんの後をついていったら、
    昭和49年にタイムスリップしてしまった!
    そして目が覚めたら、小岩井さやという女の子になっていて…。

    もうね~めちゃめちゃ楽しい時間でした♪
    カバーがこれまた可愛くて、
    こんな絵柄のビニール製の筆箱持ってました。

    小岩井家での暮らしぶりが、昭和生まれにはたまらなく懐かしい。

    カルピス・ハイクラウンチョコレート・瓶のヨーグルト
    リリアン・ママレンジ・魔女っ子メグちゃん
    給食の先割れスプーン・あげパン・銀紙に包まれたマーガリン
    ゴムでできた虫・超合金ロボット
    懐かしい~~。

    ひ弱でお薬のシロップや肝油ドロップを飲まされているさや。
    テレビのCMを真似てふざけてばかりいる、お気楽な弟まさお。
    まるで幼い頃の自分と弟みたいで苦笑い。
    余談ですが、私は文明堂のくまちゃんのCMが映ると大喜びしたそうです♪

    美々加と仲良しのクラスメート達、小岩井家の温かな家族団らん。
    あぁこの感じ…
    昭和のあの風景がまざまざと甦って来ます。

    これだけ便利な生活が当たり前となった今、
    それと引き換えに、人は大切な何かを失ったのかもしれませんね。
    かといって、あの時代で今また生活できるとは思えないけれど。

    タイムスリップのつじつまとか、難しいことはよくわかりませんが、
    最終章#生まれる日は心が震えました。

  • 小学6年生の美々加はバツイチの母親と仲良く暮らしてきたが、母の恋人・熊田の存在が疎ましい。そんな彼女はある日突然、昭和49年にタイムスリップしてしまった!
    「ルート225」など、パラレルワールドを描くのがお得意の藤野さん。今回はタイムスリップだからちょっと設定は違うけど、「ルート225」で感じた得体のしれないぞわぞわした不安が付きまとい、こりゃ一筋縄ではいかないだろうという予感がしていた。何故か昭和の場面では小岩井家の小学4年生の次女・さらということになっている美々加。自分は「さら」じゃないし、と主張し続けても、家族には不思議がられるだけ。読む側もはらはらするのだけど、一方で、ぼっとん便所、ダイヤル式黒電話、チャンネルをガチャガチャするブラウン管テレビ、などなど、昭和を知る世代には当時の描写が懐かしくてたまらない!優しい姉とひたすら剽軽な弟、あったかい同級生の存在もクッションとなり、不安は消えないけどもそれなりに昭和を楽しみながら読んでいける。ふとしたはずみで、一旦は現在に帰れるのだ。だからてっきり、よくある「しょっちゅう過去と現在を行き来する感じの設定?」と思いきや、興味本位で昭和に舞い戻った美々加は、その後何をしても現在に戻れないのだ。この予想の裏切り方が藤野さんらしい!
    平成の世に戻ることを諦めないながらも、なんとか気持ちに折り合いを付けながら生活する美々加。ことあるごとに「さらじゃない」と主張する美々加に対し、とりあえず「さら」として振る舞っとけば~なんて当初は思ったけど、アイデンティティの問題だよね。そのあたりの、美々加の編み出した妥協策はうまいなと。心が折れてしまいそうな状況でも、宝塚を楽しんだりこっくりさんに興じたり、家族や仲間との仲を深めていく過程はほのぼのしてよかった。後半、ある場所へ行くことで現在への帰還を試みる美々加だが、ここでもひとひねりあり。ぼんやりと感じていた不安は的中し、まさかの展開となるが……。
    あえて藤野さんはタイムスリップの理論を細かく説明はしてないが、その理屈がわからなくても別に問題ないなと感じた。(いちいち説明しすぎて、逆に鬱陶しく感じる場合もあるし。)やっぱり藤野さんはこういう「日常からちょっとずれた」作品が抜群にうまい!ユーモア、切なさ、あったかさ、ほろ苦さのブレンドのさじ加減はちょっと間違うと微妙になってしまうけど、いつも藤野さんはそれがほどよいのだ。本作にはルビがふってあるので、是非子供たちにも読んでほしいなと思う。書店や図書館では日本の作家のコーナーでしか見ていないので。
    よくよく考えると、小岩井家のパパやママは突然娘が「さらじゃない」とか言い出して、さぞ不安だったことだろうと思うよ。比較的小岩井家の皆は鷹揚な性格だったといえど…もし自分が小岩井家の母だったら、突然娘が他人行儀になってよくわからない未来の話なんかし出したら…戸惑うだろうな。だからスピンオフとして小岩井家視点での物語も読みたいかもと思います。読む世代によって、共感できる人物は様々かもね。色々な楽しみ方ができるこの作品、美々加世代の子はどんな反応をするのかな。改めて、昭和っていい時代だったな~と感じます。給食を食べ終わるまで居残り、はゴメンだけど(笑)甘々な装丁も昭和なファンシーっぽさが感じられてとでもかわいいです。

    • 杜のうさこさん
      メイプルマフィンさん、こんばんは~♪

      この本読みました~♪
      楽しくて懐かしい時間が過ごせましたよね。

      そうですね、小岩井家から...
      メイプルマフィンさん、こんばんは~♪

      この本読みました~♪
      楽しくて懐かしい時間が過ごせましたよね。

      そうですね、小岩井家からのお話も読んでみたくなりますね!
      両親はさぞかし心配したでしょうね。

      藤野千夜さん、たぶんアンソロジーぐらいしか読んでなくて、
      パラレルワールドがお得意なんですね。
      他の作品も読んでみたくなりました。

      給食の居残り…常習者でした(笑)
      今はそんなことないらしいですね。
      平成っ子がうらやましいです(#^^#)

      今年もどうぞよろしくお願いします(*^-^*)
      2016/01/16
    • メイプルマフィンさん
      杜のうさこさん:コメント嬉しいです♪
      昭和レトロな雰囲気が何とも心地よい一冊でしたね!
      私も給食の居残り常習者でしたよ。だから、あの頃の...
      杜のうさこさん:コメント嬉しいです♪
      昭和レトロな雰囲気が何とも心地よい一冊でしたね!
      私も給食の居残り常習者でしたよ。だから、あの頃の苦い記憶が甦りましたわ(笑)
      本当にいい作品なので、もっと知られて欲しいなと思います。
      こちらこそ、今年もよろしくお願いします♪
      今年も杜のうさこさんのレビューを楽しみにしています!
      2016/01/17
  • 表紙のゆめ可愛い感じのデザインに惹かれて。中身は良い感じに裏切られたというか、正しくレトロ可愛い。

    中身は2010年代を生きてる11歳(数日で12歳)の美々加が猫を追いかけて昭和49年にタイムスリップしてしまう話。
    小岩井家の次女さらとして扱われ、大好きな平成に居るママの元へと帰りたい、と昭和に違和感を抱きワガママを言いながら順応してくわけですが。

    世代ドンピシャではないけど、昭和生まれの自分には親戚が住む幼い頃の田舎を思い出して懐かしくなる所が多かった。
    それは昭和の数々もそうなんだけど、全然便利じゃない身の回りや、話を聞かない大人やがさつな男子だったりへの苛立ちとか、都会暮らしのひとりっ子の妙な頑固さも含め。
    なんだか不思議な読了感の話でした。

  • 母子家庭で育つ11歳の大森美々花ちゃんは、お母さんと宝塚の好きな甘えん坊の女の子。

    ある日、学校の帰りに猫を追いかけていたら、気づいた時には見知らぬ家で熱を出して寝ていた。しかも、家族らしき人は見覚えがなく、美々花の事を「さらちゃん」と呼ぶ。何もかもかレトロな家では「昭和」の時間が流れていた。

    早く元の時代に戻って思い切りママに甘えたいのに戻れない。でも段々昭和の生活も楽しくなってきて、美々花にとっては古いからこそ逆に新しい宝塚の魅力にもはまっていく。

    最終的に元に戻れるのですが、平成に戻ってまずしたことは、昭和の家がまだあるかどうか確認しに行くこと。どうやら昭和の時代の美々花ことさらちゃんは死んでしまったようで、今でも残るさらちゃんの家には、美々花の影響で宝塚に入ったお姉ちゃんや優しいママさん、パパさん、大きくなった弟までいた。

    このちゃんと家族が残っていたというハッピーエンドに安堵しました。子供でも読めると思うので、小学生のお子さんにでもどうぞ。私としては初演のベルばらを観劇した美々花ちゃんが羨ましいです。

  • 小学六年生の大森美々加は、学校の帰り道、黒猫の後をつけて神社の木の洞をくぐり抜ける。するとそこは、昭和49年の世界で、美々加は小岩井家のさらちゃんになっていた。結局タイムスリップした理由は、わからないままでしたけど、元の世界では味わえなかった兄弟のいる家族や友達のいる学校生活を味わえたことは、よかったのかな。ラストも、優しい終わり方で良かったんですけど、美々加が来る前のさらはどうなったの?とか、いろいろ疑問も残りました。まぁそんな諸々は気にしないでおくなら、美々加の昭和体験記って感じで面白かったかなと。

  • 時をかける少女なんだけど、なんだろう、なんて感想言ったらいいかわかんないな。

  • 小岩井家の皆さんが大好きです。
    イイ家庭で暮らすと、何かあっても大丈夫ですよね。
    読み終わった後、ほんわりしました。

  • 美々加は母子家庭でママが大好きの甘ったれの小学6年生。

    ママの恋人の熊田さんに嫉妬心を燃やし、引っ込み思案で頭のいい美々加が、
    道草途中にタイムスリップしてしまったのは、昭和49年の時代だった。

    小岩井さん家の次女のさらちゃんとして、昭和の古き良き時代の生活を送る日々。
    包容力のあるママさんに、力強いパパさん。
    優しいお姉ちゃんに、アホのまさお。
    美々加が平成から来たと信じてくれる心優しき4年生のクラスの友達。

    最初からなにか読んだことがあるなあと思ったら
    美々加だった。少女怪談と願いに出てきた美々加。
    ふとした偶然でまた会えて嬉しい。

    さらちゃん本人どこいった云々は考えるとキリがないから無視して
    最後、さらちゃん(美々加)が死んでしまったところが、
    意外にも切なくて、平成に戻った美々加が小岩井さん家族と再会するところがまたぐっときた。

    そう、よかったよ)^o^(

  • 平成生まれの少女が昭和49年に5ヶ月間タイムスリップしてある家族と暮らす。懐かしい、あった、あった、そうだった。昭和生まれの私も、記憶を引っ張りだされ、一緒にタイムスリップしながら読んだ。時空、記憶、成長、生と死、不思議。表紙の絵のインパクトも強く、相乗効果で楽しめた本だった。

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