時穴みみか

著者 :
  • 講談社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193252

感想・レビュー・書評

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  • もし自分がひとつの前の時代に行ったら、どんな感じになるのかなとワクワクしながら読みました。最後の現代のつながりにほんわかな気持ちなりました。

  • 小岩井家の人たちが暖かくて、本当のさらちゃんは?と思うと泣ける。

  • タイムトラベルもの.行った本人と周りが違和感なくそこが変な感じで,昭和の世界の紹介のような印象.

  • 表紙のゆめ可愛い感じのデザインに惹かれて。中身は良い感じに裏切られたというか、正しくレトロ可愛い。

    中身は2010年代を生きてる11歳(数日で12歳)の美々加が猫を追いかけて昭和49年にタイムスリップしてしまう話。
    小岩井家の次女さらとして扱われ、大好きな平成に居るママの元へと帰りたい、と昭和に違和感を抱きワガママを言いながら順応してくわけですが。

    世代ドンピシャではないけど、昭和生まれの自分には親戚が住む幼い頃の田舎を思い出して懐かしくなる所が多かった。
    それは昭和の数々もそうなんだけど、全然便利じゃない身の回りや、話を聞かない大人やがさつな男子だったりへの苛立ちとか、都会暮らしのひとりっ子の妙な頑固さも含め。
    なんだか不思議な読了感の話でした。

  • 母子家庭で育つ11歳の大森美々花ちゃんは、お母さんと宝塚の好きな甘えん坊の女の子。

    ある日、学校の帰りに猫を追いかけていたら、気づいた時には見知らぬ家で熱を出して寝ていた。しかも、家族らしき人は見覚えがなく、美々花の事を「さらちゃん」と呼ぶ。何もかもかレトロな家では「昭和」の時間が流れていた。

    早く元の時代に戻って思い切りママに甘えたいのに戻れない。でも段々昭和の生活も楽しくなってきて、美々花にとっては古いからこそ逆に新しい宝塚の魅力にもはまっていく。

    最終的に元に戻れるのですが、平成に戻ってまずしたことは、昭和の家がまだあるかどうか確認しに行くこと。どうやら昭和の時代の美々花ことさらちゃんは死んでしまったようで、今でも残るさらちゃんの家には、美々花の影響で宝塚に入ったお姉ちゃんや優しいママさん、パパさん、大きくなった弟までいた。

    このちゃんと家族が残っていたというハッピーエンドに安堵しました。子供でも読めると思うので、小学生のお子さんにでもどうぞ。私としては初演のベルばらを観劇した美々花ちゃんが羨ましいです。

  • 小学六年生の大森美々加は、学校の帰り道、黒猫の後をつけて神社の木の洞をくぐり抜ける。するとそこは、昭和49年の世界で、美々加は小岩井家のさらちゃんになっていた。結局タイムスリップした理由は、わからないままでしたけど、元の世界では味わえなかった兄弟のいる家族や友達のいる学校生活を味わえたことは、よかったのかな。ラストも、優しい終わり方で良かったんですけど、美々加が来る前のさらはどうなったの?とか、いろいろ疑問も残りました。まぁそんな諸々は気にしないでおくなら、美々加の昭和体験記って感じで面白かったかなと。

著者プロフィール

1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒。95年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞、98年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞、2000年『夏の約束』で第122回芥川賞を受賞。その他の著書に『ルート225』『中等部超能力戦争』『D菩薩峠漫研夏合宿』『編集ども集まれ!』などがある。家族をテーマにした直近刊『じい散歩』は各所で話題になった。

「2022年 『団地のふたり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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