恋路ヶ島サービスエリアとその夜の獣たち

著者 :
  • 講談社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193320

感想・レビュー・書評

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  • はじめは『???』だった色々が、後半になって繋がってくる。繋がってからはぐんぐん読めました。いろんなことが起きるけど、一歩踏み出そうぜって感じかな。観覧車、乗りたいなぁ。

  • 森晶麿とは相性が悪いのか、個人的にはこの作品はハズレだった。装丁とタイトルのポップな雰囲気に騙された感じがしている。作品のテンポについていく事が出来ず、置いてきぼりをくらってしまい、最終的に理解不能のまま読了といった感じ。すごく残念な気持ちである。

  • 結婚直前の恋人に浮気された女、務所上がりと噂される清掃員、ジャズマニアの契約社員、人気司会者の不倫旅行、死体を運ぶ異母兄弟、獣臭がする迷彩男、トイレの血痕、動物の氾濫、経過点に聳える観覧車、、
    スタートは結構面白くなりそうという期待もあり、着地はそうきたか、と思わせたのに中盤の不快な人間模様や不自然な事件の印象が強すぎたのかあんまり楽しめなくて残念。
    舞台のような群像劇は好きなほうだけど、登場人物とその事情が煩雑すぎるわりにそれぞれ大した決着がなく、頑張ってつなげてみた輪っかも琴線にふれず・・・それぞれの視点での語りもひとりよがりの作文のよう。ミステリ要素も恋愛要素も低め、人間関係や心情も宙ぶらりんのものが多く、どこにも重点がおかれないふわっとした印象だったかも。

  • たまたま、サービスエリアで出会った登場人物たち。なんの関係もないように話は進んでいくけれど、最後は、みんなつながっていた。毎回、森さんには、やられるなぁ。パズルがパチンとはまるような。森さんの書く、男の人って、どうして、こうも、キュンとさせられちゃんだろう。

  • 森晶麿さんの本は黒猫シリーズを読みました。
    そのつながりで表紙もかわいいし、そんな勢いで読み始めました。

    意外に生々しい場面から始まり、少々驚き。
    奇想天外なことと現実の生々しさが交差して最後はどうなるの??と思いながら読んでました。

    理代子とマキノの結末には満足です。
    恋路ヶ島にかかわりのある人が実は集まっていて物語は始まっていた、というところが面白かったです。

    その他の登場人物の幾人かの結末が気になるので星は4つです。

  • サービスエリアを舞台に、様々な人が交差する一夜を描く。

    小さなシアターで、演劇にしてみたらおもしろそう。

    後半、登場人物の関係がギュッと縮まってくるところが読みどころ。

  • 恋路ヶ島サービスエリアを舞台に繰り広げられる奇妙な一夜を描く。
    遺体を運ぶ兄弟、不倫旅行中の大物芸能人とその愛人、人物嫌悪団体なる怪しげな組織。深夜のサービスエリアに集まったワケありの人たち、それぞれの思惑と偶然が絡み合い、事態は思わぬ方向へ動き出す。

    話が進むにつれ、どんどん現実離れしていき、どう収めるのかと思っていたけれど、一見バラバラに見えていた人や物がきれいにつながり大団円。叙述トリックもきいていて、すっかり騙された。

    サービスエリアは通過点でしかない。島での平凡な日常を諦めとともに受け入れ、通過していく人たちを眺めるだけだった理代子がした決断。ほんの小さなきっかけで、人は一歩を踏み出せるのかもしれない。
    あの人どうなったの?って部分もあったけれど、それぞれに変わろうとする姿に、読後感は爽やか。

  • 途中までは一体どんな繋がりで、どんなからくりで、何が起こっているのか予想もつかずワクワクしながら読みましたが、結局あの人この人どうなった?と、消化不良気味でした。それと、浮気をしたあの彼氏に天罰を望む!それがなかったから不満~。

  • SAは通過点に過ぎず、小休止が人生において特別なものでもない。それが拝読する前の印象だし、大半の人も同意見だと思う。ところが一転、小休止を侮る事なかれ。SAであんな事が起きるなんて誰が予想しただろうか。

    小説の中の出来事に過ぎないかもしれない。でも現実にあんな事が起きないとも限らないと思う。大事件ではなくても、ちょっとした小休止で人生が変わるかもしれない。

    「口笛が聴こえる夜は何かあるかも」
    そう考えるだけでワクワクどきどきすること間違いなし!

  • 不思議なタイトルだと思っていたけど、読んでみて納得。森さんの浮かび上がらせる情景は何故こうも美しいのだろうか。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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