マーケティングに使える「家計調査」 世界最大の消費者ビッグデータは「宝の山」だ

著者 :
  • 講談社
3.17
  • (2)
  • (4)
  • (9)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 73
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193757

作品紹介・あらすじ

【著者コメント】著者は、本書で取り上げた『家計調査』が大好きで、これまでも、自分の本のなかでくり返し取り上げてきました。
 他の先進国でも似た調査が行われていますが、消費者物価指数計算の基礎資料を得るためのもので、日本の『家計調査』は詳しさが図抜けています。最近はモノがなかなか売れないなかで、企業がマーケティングに使うために、いろいろとデータの活用が試みられていますが、民間のデータに目を向けなくても、日本政府が公費を使って実施している調査のなかに十分使えるものがあり、『家計調査』はそのひとつです。
 実際に、地域振興にうまく活用したのが宇都宮市で、餃子の消費量が1位であることを売り物にして、餃子の街として印象づけました。その後、浜松市と宇都宮市の餃子消費量1位争いは、速報がニュースとして報じられるまでになりました。しかし、このデータが示しているのはテイクアウトの餃子の消費量であって、お店で食べる餃子が美味しいかどうかを示してはいません。だから、宇都宮市は「うまく活用した」と言えるのです。そして、餃子のバトルでこんなに盛り上がるのなら、納豆の方がバトルは熾烈だと言えます。2014年の納豆消費量の1位は、「水戸納豆」で知られる水戸市でなく、福島市でした。福島市は果物のももの消費量でも1位で、震災と原発事故でダメージを受けた福島の地域振興のためにこれらのデータは役立つはずです。
 著者は、本書の原稿を書き上げたあとに脳出血で倒れ、最初は大阪の病院に入院していましたが、パンにバターでなく、マーガリンを塗るのは、大阪を中心とした関西圏の特徴です。ですから、病院の朝のパン食にマーガリンがついてきたときに、データ通りだと感じました。
 また、生産地として有名であるよりも、消費が盛んである方が、美味しい食べ方を知っていそうで、地元の人が本当にその食材を好きでいることがよくわかって、消費者としては安心できる感じがしませんか? 例えば、東北より北でブランド牛を育てている地域で、実際に牛肉の消費量が多い都道府県庁所在市は、山形市で、だから、山形県の米沢牛(山形牛)は美味しそうな感じがします。
 本書を通じて、マーケティングにも街興しにも使える消費者行動についてのビッグデーターー『家計調査』の面白さと有益さが、少しでも多くの人に伝わればと願っています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • 家庭の収入を5段階に分けて、どの層が、どのような商品を買っているかを分析した本。「格差社会うんぬん」のビジネス書を読むよりも、はるかに格差社会を実感できる・・・。これを読むと、食品と通信費以外で収益を上げるには、富裕層に商品を売る以外に無いのではないか・・・。

  • 著書の旧作を読んで本書を手に取ったが、あまり面白くない。
    確かに本書を読むと「ビックデータは宝の山」であることはわかるのだが、論証の結果が隠しようもない「格差の拡大」では読後感は落ち込むばかりである。日本の暗い未来を回避する方策はないものかと心より思った。
    ふと思ったのだが、著者にはマクロ経済書のほうがむいているのではないだろうか。

  • 勢いでまとめ買いした中の一冊。
    何故購入したのか今一つ思い出せないまま読み進め、読了。
    エンゲル係数が広く世間一般に誤解されている(決定要因と結果の混同)ことなど、私にとっては新鮮でした。(p.122より)
    総務省の行う「家計調査」がどれほどマーケティングに有用であるかが書かれているわけですが、標本調査である上に、各調査対象(に、なってしまったかた)の自主申告に基づくデータがはたしてどれほど信頼に足るものなのかが、ちょっと疑問に思うところであります。
    これでも、諸外国と比べるとずいぶんマシなデータであるようですが。(p.291)
    1963年生まれの著者ですが、本書の校正作業中に脳出血を発症されてリハビリをされているそうです。(p.8)
    回復をお祈りいたします。
    付箋は15枚付きました。

  • データに基づき淡々と説明すると、本書のように分厚い説明になってしまう。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

エコノミスト

「2016年 『学校では教えてくれない経済学の授業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉本佳生の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
トマ・ピケティ
クリス・アンダー...
伊賀 泰代
ジャレド・ダイア...
アンソニー・B・...
佐々木 圭一
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×