千日のマリア

著者 :
  • 講談社
3.22
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本棚登録 : 259
感想 : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062193788

作品紹介・あらすじ

男は抗い、女はたゆたう。

「生まれてから死ぬまでの『時間』。死に向かって生き続けるための哲学。この10年間、私はそればかりを考えて書いてきました」(著者)

義母の葬式で、男が思い浮かべた“女”の姿は――。
生と死、愛と性、男と女を見つめ続けた珠玉の8篇。

小池真理子の新たな到達点。9年越しの最新作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに小池真理子さんの本を読みました。
    あいかわらず細やかで美しい文章。

    表紙の木漏れ日から、爽やかな物語をイメージしていたけれど、しっとりと重たい話が多かったです。
    読了後、ふと表紙をながめ、深い森の中から見上げた空なんだ…と。

    一番良かったのは、#凪の光
    老人ホームで働く知美が、自分の今までの人生を振り返りつつ、野鳥の雛の巣立ちを見守るお話。
    年齢を重ねても素敵に生きる女性、人生の折り返し点を過ぎた知美のかつての姿、新しい命の誕生、それぞれが心に深くしみました。

    女性の生き様が、せつない一冊。

  • 娘が生まれる前、小池氏の本をよく読んでました。・・・ということは、読むのは9年ぶりくらい?久しぶりです(著作はほとんど読んでます。)
    最近、新刊が出ていないな・・・とは思っていました。ご両親の介護をされていたんですね。(遠距離介護だったかな?・・・遠距離介護も大変ですよね、週末のたびに両親のもとに通い、平日、仕事を休んで病院へ行き、医師の説明を聞き・・・)
    そういったことを、この本の宣伝インタビューで1年ほど前に広告で読みました。
    ようやくの読書です。

    「過ぎし者の標」
    「つづれ織り」
    「落花生を食べる女」
    「修羅のあとさき」
    「常夜」
    「テンと月」
    「千日のマリア」
    「凪の光」
    8編からなる短編集。
    歪んだ愛も、死も。残酷さえ、小池氏にかかると哀しい。美しい。
    全編通じる孤独感と諦めも、好き。

    ありそうで実際はない(凪の光はありそうだけど)、だけど「小池氏が描くから、ありそう」だと思える短編。
    「落花生を食べる女」は、勝手に夏木マリさんを連想しながら読みました。ものすごくリアルでした。


    千日のマリア。一番印象に残りました。
    「見知らぬ場所」の後に読んだ小説なんで、どうしても較べちゃって☆4ですが、もしかしたら☆5つかも。・・・もう一度読みたかったんですが、予約期限がきちゃって、次の予約の方も入ってたんで、2度読みできませんでした。残念。
    機会をみつけて、もう一度読んでみたいです。

  • 鳥の糞を書いても、すさんだ女性の爪の汚れを書いても
    生々しくも嫌な感じにならないのは洗練された美しい文章の由縁でしょうか。
    小池さんの文体はそんなにたくさん読んだことがあるわけではないのですが、いつ読んでも美しいなと感じさせられます。スタイリッシュな感じといいますか。
    そして出てくる男がかっこいい。どうしょうもない男であっても女が心惹かれずにはいられないようなナニカが小池さんの描く男にはあります。

    生々しい熱い愛や性の話ではなく人生の諦観を感じさせるような引いたところから描かれた短編集ですね。
    これは若い人が読むよりもやはり40代後半以降の人が読んでしみじみ味わえるもののように思われます。

    「過ぎし者の標」が好きですね。結局彼はどうだったのかというところがわからないままに、何かすごい関係性の変わる生々しいことが起こるでもないのに彼女の中に深く深く残された愛が、大人にはそういう愛もあると感じさせてくれます。
    「つづれ織り」「常夜」「凪の光」も好きですが、やはり表題作「千日のマリア」は痺れましたね。

    まさに「千日のマリア」としか呼びようがない美しく凛とした義母。読んでいて心も体もかぁっと熱くなった気が。やぁ、まだ枯れてないな、私(笑)

    円熟の文章、堪能させていただきました。

  • 図書館で。
    小池真理子作品、やはり私の中ではホラーが珠玉であり、恋愛ものは少しまだわからない感覚もあるのかもしれない。男女の、恋愛というか恋愛ともつかない関係についての短編8篇。
    私が好きだなと思ったのは、「修羅のあとさき」「凪の光」。

  • 短編集。すぐ読めた。
    ちょっと苦手な雰囲気…
    なんか、その後が気になって。
    救われるのか…
    まったく感情移入できなくて、ムリだった…

  • 男女の関係を綴った短編が八話。どれも不思議な静けさをもった話だ。「過ぎし者の標」がよかったな。

  • 小池さんらしい美しい文体が光る作品。

  •  暗い話ばかりだった。ほとんど主人公は離婚している。それでも、途中で投げ出そうとは一度も思わなかったから不思議。

  • 8作品収録の短編集。久しぶりに小池さんのホラー以外の短編集を読んだけど以前と違ってエロティックな部分が減り読みやすかった。50代の女性が主人公で今での人生を振り返る作品がいくつかあってそれが心にグッときた。小池さんの作品らしく小悪魔的な女性が出てくる「落花生を食べる女」。恋人に振られて精神に異常をきたす「修羅のあとさき」も良かった。小池さんって本のタイトルの付け方も上手だなぁと思う。

  • 20160612 伝えたいことが理解できなかった。ということは私はまだ大人の領域に達していないのか。

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著者プロフィール

1952年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。89年「妻の女友達」で日本推理作家協会賞(短編部門)、96年『恋』で直木賞、98年『欲望』で島清恋愛文学賞、2006年『虹の彼方』で柴田錬三郎賞、12年『無花果の森』で芸術選奨文部科学大臣賞、13年『沈黙のひと』で吉川英治文学賞を受賞。その他の著書に、『二重生活』『無伴奏』『千日のマリア』『モンローが死んだ日』などがある。

「2021年 『ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小池真理子の作品

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